パチの「Hogan Personality Inventory (HPI: ブライトサイド)」分析 | ホーガンアセスメント
その人の通常状態における「ブライトサイド」を説明するのがHPI
通常状態でのパーソナリティを説明するホーガンアセスメントが「HPI(Hogan Personality Inventory)」です。
下記7つの主要スケールを用いて、ストレスのコントロール方法、周囲との接し方、仕事のアプローチの仕方、問題解決の方法などの仕事上のパフォーマンスを説明します。
- 適応性 | 落ち着きがあり、自信に満ちている。プレッシャー下でも安定している。
- 大望野心 | イニシアチブをとり、競争を好む。指導的な役割を求める。
- 社交性 | 外交的、社交的で、社会的な交流を必要とする。
- 対人的感受性 | 臨機応変に機転を利かせる。他者の感情を理解する。他者との関係を維持できる。
- 慎重性 | 自制がきき、責任感が強く、誠実。
- 好奇心 | 創造的で好奇心が旺盛、独創的。
- 学習方法 | 成果達成型で、新たな技術やビジネスに関する知識やスキルに明るい。
そしてこの7スケールのスコアの高低は、以下の傾向を意味しています。
HPIは「普段の仕事中に現れるパーソナリティの分析」ということで、つまり最も表層的と言えるでしょう。
別名「ブライトサイド分析」となっているのは、普段見せている「良い部分」に関する部分が多いからで、長いこと周囲にいる人にとっては驚きはないものだと思います。
個人的には、おもしろ味も一番少ないかな…とは思うものの、全部で3つのアセスメントを受けてこれだけ紹介しないのもなんだか…ということで、こちらも振り返ってみましょう。
エグゼクティブサマリー | 「パチあるある」のA面とB面
パチさんには、日常的に次のような傾向が見られます。
1. フィードバックに消極的で、コーチングに対して抵抗するかもしれない。
2. 直接的で、簡潔、率直であり、自分の態度を明確にするのを好む。適切な場面では、悪いパフォーマンスを指摘し、容易におじけづいたりしない。
3. 柔軟性が高く、曖昧さを苦にせず、自主的に行動することができる。衝動的でもあり、限界に挑戦し、あまり計画的ではない。
4. 好奇心旺盛、革新的、創造的、寛容、そして偏見を持たない。あまり現実的ではなく、細部にこだわることが苦手で飽きっぽい。
全部、間違いなくおれですね! でも、いくつかの解説(いいわけ?)を。
1B. おれ、フィードバックが怖いんです…。自分がネガティブなものを受け止めきれないって知っているから。だから、その場では自分を守ることに精一杯になっちゃって、往々にしてその場では聞き流してしまいます。ごめんなさい。。。
でも実は、ネガティブなフィードバックにも大感謝していて、後で一人になってからちゃんとその言葉を吟味して取り入れさせてもらうことが多いです。ほんとごめんなさい。。。
2B. 容易におじけづいたりしないのは、内心はおじけづいていても、それに負けて態度が変わってしまうことの方が恐ろしいからだったりします。
だって、自分らしくない行動を取ってしまったら、後で自分のことを嫌いになってしまいそうじゃないですか。それがおれには一番怖いことなんです。
3B. 衝動的なところがあるし計画的じゃないです。ただ、この2つが周囲に与える影響は結構気にしている方だとも思います。
つまり、基本的には「結果がどうあれ周囲に大きな被害を与えないか?」をそれなりに気にした上で衝動に走るし無計画でいるということです。
4B. 細部にこだわることが苦手で飽きっぽいのは事実です、でも、これには「総じて」という枕詞をつけさせていただきたい!
自分が好きなものに対しては結構ディテールにこだわるし、しつこく追いかけ続ける方だと思います。
ブライトサイド主要7スケールのスコア
主要7スケールのパチのスコアを、高い順に並べてみました。
86 好奇心 | 経験や考え方に対する好奇心、創造性、寛容さを予測します。
70 社交性 | 外交的、社交的で、社会的な交流を必要とする。
60 適応性 | 落ち着きがあり、自信に満ちている。プレッシャー下でも安定している。
34 大望野心 | イニシアチブをとり、競争を好む。指導的な役割を求める。
34 対人的感受性 | 臨機応変に機転を利かせる。他者の感情を理解する。他者との関係を維持できる。
26 学習方法 | 成果達成型で、新たな技術やビジネスに関する知識やスキルに明るい。
16 慎重性 | 自制がきき、責任感が強く、誠実。
4つのスケールをピックアップ
いくつか思うところを、「サブスケール」で顕著なところと合わせてコメントします。
86 好奇心 | 経験や考え方に対する好奇心、創造性、寛容さを予測します。
満点のサブスケール
好奇心が最も高いスコアなのは、自分でも納得です。なんせ好奇心への好奇心が止められず、「好奇心ラボ」の設立を考えているくらいですから。
なお好奇心の分類にはいくつかの類型がありますが、「伸展型好奇心」と「包括型好奇心」という分類は現れ方が対照的でおもしろいです。
- 伸展型好奇心は、新しい領域に展開したい意欲を表す。計画性や誠実性の高さと関連している。
- 伸展型好奇心には,物事の計画性が高く,統制を好む(誠実性)性格傾向が存在する。
- 伸展型傾向が高い人には,生活において人や物事に対して真剣に考えるような真面目な性格が考えられるかもしれない。
- 包括型好奇心は、新奇さや不確実性を許容し楽しめる事を表す。状況を受容し白己を調整する能力の高さや社交性の高さと関連している。
- 包括型好奇心には,状況を受容し自己を調整する能力が高い(情動性)性格傾向と,社交性やコミュニケーションが高い(外向性)性格傾向との関連性がある事が分かった。
- 包括型傾向が高い人には,人との交流が豊かでかつ自己を上手くコントロールできる人が考えられるかもしれない。
70 社交性 | 社会的交流について、その頻度と多様性への関心の高さを予測しています。
満点のサブスケール
- パーティー好き | 社交の集まりを楽しむ
- 体験好き | 変化やチャレンジを好む
「社交の集まりを楽しむ」数値が高い一方で「大勢の集まりにワクワクする」は非常にスコアが低いのがおれです。
つまり「人と会って話すのは好きだけど、大人数なのはあまり好きじゃない」。これはその通りで、ある程度ディープに話をしたいから。だから、4人くらいで全員で同じテーマで話すのが好きです。
26 学習方法 | その人の学習スタイルまたは新たな知識を獲得するための好ましい方法を予測します。
満点のサブスケール
- 読書好き | 最新の情報を入手
0点のサブスケール
- 数学的能力 | 数字に強い
サブスケールの「満点の読書好き」と「0点の数学的能力」があまりにしっくりき過ぎです。自分のペースで、自分の脳内にもともとある知識や記憶と紐づけながら進められる読書ってサイコー!
そんな読書好きのおれですが、どうしても読み飛ばしてしまうのが数式…。答えとして出てくる「数字」は大丈夫なんですが、間に計算式が出てくると目が泳ぎます。
実は以前「研究家として生きたい」と考えたこともあったのですが、ほとんどの研究には統計が付きものだということを知り諦めたという過去も。
16 慎重性 | 自制心、誠実さ、仕事における倫理感について予測します。
おかしいなぁ。自分としてはそれなりに自制心も誠実さも倫理感もしっかりしているつもりなんだけどなぁ…。まあ「仕事における」ってところなのでしょう。
以下の「パチさんの慎重性のスコアは、次のような傾向があることを示しています」として書かれているものが、多くの組織においては決して望まれるものではないっていうことなんだろうと思います。
• 自発的で衝動的、また率先して規律に挑戦する
• 急激な変化、曖昧さを苦にせず、問題解決のために標準的でない手段を取ることができる
• 詳細にこだわらず、せっかちなところがある。時に、ずさんさがあり、自分の行動が及ぼす影響を考慮しない
というわけで、全3回にわたりホーガンアセスメントの「1. ダークサイド(HDS)」「2. ドライバー(MVPI)」「3. ブライトサイド(HPI)」をご紹介してきました。
本来は、パーソナリティーの土台である「2. ドライバー(MVPI)」を紹介して、その後に「3. ブライトサイド(HPI)」「1. ダークサイド(HDS)」を紹介するのが良いのかもしれません。
図式的には氷山モデルのように、海面下にMVPIがあり、状態の良し悪しによりHPIとHDSの現れる方が変わるという形なので。
組織リーダーの方で、自組織でアセスメントを受けてみたいとお考えの方、あるいは検討する上でもう少し詳細を知りたいという方がいらっしゃったら、おれが万全の信頼を置いている仲間を紹介するのでお声かけください。
Happy Collaboration!