Collaboration Energizer | #混ぜなきゃ危険 | 八木橋パチ

コラボレーション・エナジャイザーとは、コラボレーションの場を作り、場のエネルギーを高め、何かが生みだされることを支援する人

私がアナログ人間だからかもしれませんけどね(笑)

「直接会って話さないと伝わらないものってあるじゃないですか。だから、インターネットとかソーシャルメディアを通じたコミュニケーションって、誤解が生まれがちですよね。 やっぱりネットじゃダメで直接会って語りあわないと。本当の相互理解はできないと思うんです。 まあ、私がアナログ人間だからかもしれませんけどね(笑)」

 

私がエンタープライズ・ソーシャルを推進する仕事をしていること、そして個人的にもソーシャルメディアをガンガン使っていることを知ると、上のようなコメントを頂くことが多いです。

私は答えます。

「おっしゃるとおり、コミュニケーションって本当に誤解が生まれがちですし、直接会う方が圧倒的に情報量が多いですよね」と。

この後は、許されている持ち時間や相手との関係性など、簡単に言えば「場の空気」を読んでどう話しを続けるのかを決めるわけですが、今日は「2種類の私」で答えてみたいと思います。

 

1番目の私

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直接会って話さないと伝わらないものってあるじゃないですか

直接会って話したって伝わらないものだっていっぱいなくない?

それに、会って話せる時間なんてそんなにたくさんないんだよねぇ。

 

ネットとかソーシャルメディアを通じたコミュニケーションって、誤解が生まれがちですよね

ネットでも電話でも手紙でも同じっしょ。

コミュニケーションってのは、そもそも誤解が生まれがちなもんなんじゃないの?

 

やっぱりネットじゃダメで直接会って語りあわないと

直接会って話すと表情とか仕草とか分かるから確かに受け取れる情報量は多いけどさ、そういう情報の多さがかえって混乱させり、誤解をこじらせることが多いって、みんな何度となく経験してオトナになったんだとばかり思ってたけど、違うのかね?

 

深い相互理解は無理だと思うんです

深い相互理解…それ、そんなにあちこちにあるものじゃなくない?

だいたいさ、「深い相互理解」ができていたと思っていたら、後からやっぱり違ってたってこと多いけどねえ。

 

まあ、私がアナログ人間だからかもしれませんけどね(笑)

なにその逃げ?

じゃあケータイもデジカメも地上波デジタル放送も禁止なw!

 

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2番目の私

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直接会って話さないと伝わらないものってあるじゃないですか

そうですね。相手がどう受け止めているかを確認しながら話を進めて行かないと、言葉や表現が上滑りしていって、相手に届かないままということも多いですよね。

それからそもそも、相手と会える関係性が結ばれていることや、距離の問題がないということが前提になりますね。

ネットとかソーシャルメディアを通じたコミュニケーションって、誤解が生まれがちですよね

そうですよね。どうしても「書き文字」を中心としたコミュニケーションになるので、そこに込められた感情や気分は読み取りづらいですよね。 ただ、ソーシャルメディアを通じたコミュニケーションは、コミュニケーションの頻度を増やしやすい面もありますよね。 毎週直接顔を合わせるのは難しくても、オンラインであれば毎日ディスカッションを5分するのは簡単なことです。電話のように必ずしも相手と同じ時間である必要もないですし。  
やっぱりネットじゃダメで直接会って語りあわないと
ええ、ネットだけだと難しいですよね。直接会うこともやっぱり必要だと思います。 ただ先ほども言ったように、毎週のように顔を合わせて語り合える相手の数には物理的に限界がありますよね。それを「そういうものだから」と足かせのままにしてしまうのはどうかなと思うんですよ。  
深い相互理解はできないと思うんです
分かります。深い相互理解がないばかりに、無用なトラブルが起きることも多いですよね。 ところで、相互理解って、何を相互理解できていれば良いと思いますか?考え方ですか? 価値観ですか? 例えば、私があなたの価値観を理解して私の価値観を理解してもらうのに、どれくらいの時間直接会って対話を続ければそこに至れると思いますか? 例えば、お互いが自分の考えたことや価値観に関するブログを書いていて、それを元によく分からないところをソーシャルメディアを使って互いに質問していたら、どれくらいの時間が必要だと思いますか?  
まあ、私がアナログ人間だからかもしれませんけどね(笑)
またまたそんな(笑)。でも、コミュニケーションって、中身が大切だと思うんですよ。 あ、ここで言う中身って、気持ちのことです。何を、どんな気持ちで相手に伝えたいと思っているのか、または理解して欲しいと思っているか。 それが大切で、それによって言い方ややり方が変わってくると思うんですね。 アナログかデジタルかって、言ってみれば現地に向かうのにどの「乗り物」を使うのかと似ているんだと思うんです。飛行機なのか電車なのか、それとも自家用車なのかタクシーか。 好き嫌いで選択することもあるけど、状況に応じて使い分けますよね。  

どちらが届きますか?

1番目の私は、信頼できる関係を築けているもしくは築けるだろうと思っていて、私とのコミュニケーションに価値を見出してくれていて、もしも誤解があっても後から十分挽回できるだろうと思っている相手とのコミュニケーションです。 2番目の私は、関係性が浅く、私への信用や興味が低いあるいはないに等しそうで、次のコミュニケーションの機会があるかないかもわからない相手への回答です。 1番目と2番目、どちらがあなたにとって「届き」ますか? 言ってることにさほど大きな差はないと思うんですが、表現のしかたに違いをつけたつもりです。 これは私の感覚ですが、友好的なスタンス(顔つきやしぐさ)を伴っていたら、どちらでも悪印象は受けないんじゃないでしょうか。 もちろん、出会って1分で「地上波デジタル放送も禁止なw!」と言われたら「個性的な人だな」(なんだこの変わり者?)と思うかもしれませんが、そこに攻撃性がなければ、むしろ相手への興味が沸きませんか? 私だけなのかな?

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まとめ

私がオンライン・コミュニケーションに対して思っていることをまとめてみます。   ■ 個人差があるものなので、「辛い」とか「マイナス面しか見えない」という人にまでオンラインを強制するものではない ただし、コミュニケーションは本来ポジティブなもので、人に前に進む力や喜びを与えてくれるものだと思っています。なので「オンラインのコミュニケーションを避ける」ということは、多くの機会を失うことになる可能性が高いことは理解しておくべきでしょう。   ■ 「自分」とは、相手があって成り立つというか、人との関係性の上にあるんじゃないでしょうか。 だからこそ、関係性を大事にしようと思うのなら、相手を大切に捉えなきゃいけないし、相手にも自分を大切に考えてもらう必要があります。   ■ 相手を尊重するのと同じように、自分自身も尊重することが大切だと思います。 相手に合わせて顔色を伺うだけじゃ、自分を尊重していません。それは、本当に関係性を大事にしていることなのでしょうか。   ■ オンラインのコミュニケーションでは、仕草や顔つきが分かりません。でも、変に考え過ぎると逆効果になることも。 「相手を不快にさせたかも…」と不安になる気持ちはわかります。でも、そこで変に考え過ぎて、逆に相手に不信感や不快感を与えることも多いようです。 「伝わりづらいもの」という認識を忘れず、相手の気持ちや感情をストレートに尋ねて、深読みし過ぎるのはやめた方がよいでしょう。   ■ どんなに恐れていても、避けようとしても、誤解は発生するものでしょう。 恐れて遠巻きにするよりも、自ら近づいていく位がちょうど良いのかも知れません。「危ないから放っておく」ではいつまでも変わりません。   ■ ネットやソーシャル上でのコミュニケーションの良いところは、日常の積み重ねから考え方や物事の捉え方が見えてくるところです。 相手が別の人と取っているコミュニケーションから、そのスタンスや自分との相違点が見えてきます。限られた「会ってる時間」だけで相手との関係性を枠にはめる必要はありません。 普段からオンラインで自分の気持ちや考えを広く伝えていくことは、自分という人を理解してもらうための「取っ手」を相手に提示することだし、相手に手を差し出す行為じゃないでしょうか。   ■ 人はみんな主観を持っていて、みんなそれぞれ違っていて当たり前 自分の主観を大切にしながら、相手の主観と擦り合わせ、妥協点や新たな可能性を探っていくことがコミュニケーションの持つ大きな意味であり意義ですよね。 (一方で、からかいあったりふざけあったりする「安心と承認のコミュニケーション」も重要なのは間違いなく、本来はこれまでの話しと切り離して論じるものではないとも思いますが…ちょっと今回も長くなってしまったので、また別の機会に)   みなさんはオンラインコミュニケーションをどう捉えてますか? オンラインでもオフラインでもいいのでフィードバックをぜひ!

Happy Collaboration!