Collaboration Energizer | #混ぜなきゃ危険 | 八木橋パチ

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Bespoke & Futures Design (on vimeo)

先週の土曜日(9月18日)、未来デザインフェスが開催されました。

ほぼ丸1日を使った学生向けのオンラインイベントだったのですが、最後のKeynoteセッションであるBespokeの「北欧のデザインとFutures Design」には100人近くの方たちにご参加いただき、デンマークとイタリアから参加してくれたニックとサラも喜んでいました。

そして、日本でFutures Designワークショップを一緒にやっていて、がっちり今回もサポートしてくれた我有さんも、そしてもちろんおれも、とてもグッドバイブないい時間を過ごせました!

 

今回のイベントのためにBespokeが作ってくれた15分強のメッセージ動画や、45分間のセッション自体のアーカイブ映像が公開されるかどうかはまだ不明なのですが、これとは別に、ちょっと前にvimeoにBespokeからのメッセージが公開されているので、今回はそちらを紹介します。

上記イベント用動画を日本語訳した勢いそのままに、こちらも日本語に訳しましたのでぜひ併せてご覧ください。

 

なお、<Bespokeって?>という方はこちらの記事の中から気になるもの選んで見てみてください。

Bespoke の検索結果 - Collaboration Energizer | #混ぜなきゃ危険 | 八木橋パチ

 

■ BespokeとFutures Design

Nicolas Arroyo(ニック) | 私はニコラス・アロヨです。Bespokeの創始者の一人であり、戦略的洞察の責任者です。
Ditte Graa Wulff(ディッテ) | 私はディッテ・ウルフです。BespokeのCEOでありパートナーです。

 

Bespoke & Futures Design from Alastair Halfhide on Vimeo.

 

■ Bespokeとは何なのですか?

ニック | Bespokeは未来デザインスタジオです。戦略と未来、カルチャーとアートの交わるところに身を置き、世界中の興味深い企業や組織と多数の共創を重ねてきました。そして彼らの視座から見た未来がどのようなものになり得るか、またそれが彼らの現在の活動にどのような意味を持つのかを理解する手助けを行っています。

 

■ 戦略的な取り組みとは

ディッテ | 世界中のさまざまなタイプのクライアントと戦略的デザインの分野で共創を行っているBespokeですが、中でも多いのが組織戦略設計の分野です。業界がなんであれ、アートやカルチャー、政治や公共などの分野において、事業や組織の最適な領域を見つけ出して活動するお手伝いをしています。

プロジェクトをスタートする際には、Bespokeの独自方法論に基づくフレームワークを用います。

新たな組織戦略や戦略的製品の新規開発をスタートする際、あるいは新たな支部や支店を立ち上げる場合など、組織の新しいチャレンジをご一緒することが多いですね。

具体的には、組織やチームをスコープに照らしてセットし、未来を「創造性の源泉」と「実態を踏まえた理解」として用いて、プロセスを進めていきます。

 

ニック | 僕たちがプロジェクトで何をしているかといえば、クライアントやパートナー、そして人びとに、未来の可能性を理解してもらうことに他ありません。

未来予測ビジネスをしているのではなく、未来の景観や空間を描きだしているのです。

 

■ 未来デザインとは

ニック | そうですね、「未来景観共創開発」ということなのですが、もっと砕いて言えば、未来の持つ脅威と好機がどのようなものかを理解するための支援ということです。

未来デザインは、デザイナーの用いるマインドセットといくつかのツール群を組み合わせて行うものであり、デザイナーの思考と行動様式を、戦略的未来洞察という学術分野に適応します。

戦略的未来洞察は、主に環境分野における変化の兆し、テクノロジー分野における破壊的変化の兆し、そして政治や経済における変化の兆しを集めて統合していき、未来がどのようなものかを掴み理解して描き出します。そして未来の知識を、新たな製品やサービス、新たなカルチャーや制度開発へと転換していくのです。

ここで重要になるのは、未来を活用するという考えであり、未来を組織や企業の創造性の源にしようという意思です。

 

■ 未来デザインから我々が学べるものは

ディッテ | 多くの人が、未来を何か恐ろしいものとして捉えています。SF的なイメージと重ね合わせ、未来を漠然とした恐怖で包み、現状から遥かにかけ離れた怖いものとしてしまっています。

私たちは、共に未来デザインを行うことを通じて、未来が現在とつながっていて、もっと民主的なものであることをお伝えしたいのです。私たちがみな未来を源に地に足をつけた取り組みを進めることで、未来は作られていくのです。

 

■ ホライズン・スキャニング

ディッテ | 私たちが常に用いる未来デザインツールの一つが、ホライズン・スキャニングです。未来のシグナル -- 変化がどのように進んでいくかを予兆させる、今ここで起きている事象 -- を集め、観察眼を磨いていき、シグナルの意味を見出し統合していきます。

Bespokeには、そのためのツールと方法論があり、ソフトウェアも開発しました。

たとえば人びとの行動変容やテクノロジーの変化、新たなビジネスモデルや周囲の行動パターンの変化など、これらの小さな未来のシグナルを掴んで観察し、未来を描きだす創造性の源とするのです。

このウェブサイト*を観た人に理解していただきたいのは、未来がどこかの誰かによって作り出されるものではなく、誰もがその創作に携わることができるということです。

そして未来を想像して思い描き、共創していく作業が、特定の資格や権利を持った人のものではなく、多くの人に開かれその参加が望まれているのだということを知り、感じていただきたいのです。

私たちはそれを「未来の民主化」と呼んでいます。

 


 

最後のところで<このウェブサイト*を観た人に>と話していますが、実はこの動画、下記のデザインミュージアムデンマークの特別サイトに埋め込まれているものです。

実際のFutures Designがどんな風に行われていて、どんなものが作られていくのかを知りたい人は、ぜひページを覗いてみてくださいね(英語だけど、Visual多めなので雰囲気は掴めるかと)。

 

sharingfutures.designmuseum.dk

 

Thank you Nic and Ditte! Tak!

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Happy Collaboration!