未来デザインキャンプレポート
5月の4週間、コペンハーゲンのBespokeが主催するオンラインの「Futures Design Camp」に参加しました。
基本的には日本時間の火曜夜に90分くらいのレクチャーを受け、2日後の木曜の夕方までに宿題を行い、その後75分のグループセッションに参加する x 4週間というトレーニングCampでした。 これまで通訳&ファシリテーターとしてBespokeのフューチャーデザイン・ワークショップには何度も参加してきましたが、受講者としての参加はかなり久しぶりテンション上がりました。
そして今回は初の「完全オンライン実施」ということで、その点でこれまでとは違う刺激や学びがありました(一方、ネットワークが不調のときには試練も…。後からビデオが提供されたのでキャッチアップできましたが)。
とは言え、ワークショップやセミナーを実施する立場としての自分と、参加者としての自分の感覚のズレがまだふわふわしています。そしてまだ十分に内省化できずうまく言語化もできない自分がそこにいる感じです。 それでも改めて一つはっきりしました。
フューチャーデザイナーのスキルは筋肉や脳みそと同じ。何度も繰り返し磨き続けてこそ強化される
今後、内省を進めて考えを深められるように、そして何度も見直したり出会ったりできるように、4週間の間にやった宿題をアップしておきます(ウェブに公開しておくと、過去の自分にふとしたタイミングで何かを教えられたり、問いかけ投げかけられたりするものです)。
出来の悪い宿題、考察の少ない言葉は正直ちょっと恥ずかしい。でも、ほら、時間は常に限られているものだし、イテレーション前の1回目のスプリントって、こんなものですよね?(イイワケ。)
■ 位置決める | Situate - how to scope your research
いろいろ考えた結果、今回の自分のテーマを「未来の消費」に決めました。
関連しそうな要素やキーワードを思いつくままにどんどん挙げていき、それを分類し、テーマとの近さで並び替えて置いていたものが「スコープホイール」です。
今回は分類の軸にSTEEPVを使ってみました(そしてホイールじゃなくて四角形にしちゃった)。
■ 探索する | Search - how to identify signals
「Bespoke Horizon」というオンラインツールを使い、スコープホイールからピックアップした要素を元にスキャンカードを作ります。
スキャンカード作りで重要なのは、これがステークホルダーとのコミュニケーションの基礎ツールになるものだと意識すること。ここでは「意思」の前に「事実」を簡潔に並べていきます。
■ 感知する | Sense - how to synthesize insights
スキャンカードをつなげていき、そのクラスターから「それが何のシグナルなのか」「何がどう変化しているのか」を浮かび上がらせて読み取り、インサイトとして文章化します。
インサイトに重要なのは、人びとの想像力を掻き立てる力。この「光の当て方」と「記憶への残し方」が生み出されるシナリオを左右します。
■ 踏み出す | Scale - how to make future scenarios
今回は2つの軸を考えて、4象限のシナリオを作りました。その中から一つを選び、戦略とアクションを書きます。そしてそれをビジュアルで伝えるモノを作ります。
シナリオの選び方にはいろいろな考え方がありますが、おれは「それは自分が追いたい未来か」、そして「人びとを導くトーチとなり得るか」で選びます。ユートピアンにもディストピアンにもなり過ぎないように。
今回、紹介文は説明不足だし、宿題の出来はスキル不足ですね。
でも、Bespoke式のフューチャーデザインがどんなものか興味を持っている人にはいくらかのヒントになるかなって。 それにこれまで関与してきた人には、思い出したり復習するときの材料になるかもしれないなって。
新型ウイルスにより、次回のFUTURES DESIGNワークショップ日本開催のお知らせができるのはまだ少し先になってしまいそうです…。それまではぜひこちらの言葉を胸に、一つの出来事を複数の視点から見るトレーニングなどしながらお過ごしください。
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Happy Collaboration!