個人の性格特性をベースに分析し、キャリア開発や最適なポジションの選択に活かすための<職業的パーソナリティ調査>というものがIBM製品にはあり、そのアンケートとフィードバック・セッションを先日受ける機会がありました。
ものすごく衝撃的で、同時に大きな可能性をすごく感じたので、レポートをお届けします。
「良いとか悪いといった話ではないし、直す直さないでもないです。自分自身の傾向を理解するためのツールであり、機会ですから。」 — これで何度目だろう? フィードバック・セッション中にこの言葉を言われたのは。
それだけ、無意識のうちに自己弁明的になったり防衛的な反応を私が示しているということだ…。自分でも気づかないくらいに。
普段は意図してあまり考えないようにしている自分の本当の姿が、画面には現れていた。
私は、その事実にひどく驚いていた。そしてそれにひどく動揺している自分に対しても強い戸惑いを感じていた。
私は自分が恐れを認めないように、懸命に努力しているんだということを理解した。
そして何度目かの「良い悪いというものではありませんから。」という言葉に、私の腹はようやく座った。
どうしてそんなに自分に言い訳をする必要があるのか? これが本当の自分だって、自分が1番知っているじゃないか。どれも、自分の自己認識とピッタリ重なっている。 誤魔化したり逃げたりするのではなく、そのまま受け入れよう。
私の内面で起こっていたことの説明をこれ以上続ける前に、まずは最も端的に私を表す診断レポートを見てください。
見かたはこうです。
<権威>から<社会的望ましさ>という23の性格の要素が、パーセンタイル値でそれぞれ表されています。
数字が78であれば、それは小さい側から78番目に位置するということで、わかりやすく言えば小さい方から数えて100人中78番目にそういう傾向があるということです。
例えば<権威>の場合、私のスコアは78となっており、<他者に対して支配的で、権威的な立場を明確にすることを好む傾向>が100人中22番目に強いという意味となります。
同様に、上の表で2番目にある<他者を思いやる心>は25という数値で、<他者との信頼関係を築こうとする、親しみやすく振舞う、他者の個人的なニーズと仕事上のニーズに対処する時間を作ろうとする願望の度合いや、思いやりを示すかどうか>の強さが、下から数えて100人中25番目ということです。
…例として取り上げたこの2つだけでも、改めてその説明を見ると心の奥からまた言い訳が浮かび上がってきそうになります。
私の特性の傾向や、そこに見える特徴について書く前に、このレポートの使い方をもう少し説明します。
- 注目すべきは、1-15という特に低いスコアと85-100という特に高いスコアを示しているもので、それが私の特徴的な性格特性です。
- その性格特性を自身が把握し、それを現在の自分の役割やチーム・組織内の行動と照らし合わせ、もっと活用できる部分やうまく折り合いをつける方法を考えます。
- さらに、今後のキャリア・プランに自分の特性をどう織り込んでいくか、どうやって職業的能力を育てていくかに役立てます。
レポートには、性格特性ひとつひとつのスコア別の特徴や、対処方法に関するアドバイスも細かく書かれているので、発行されたレポートを自分一人で読み込んで現在や未来に向けて考えることも可能ではあります。
スコアの高いものトップ3
スコアの低いものトップ3
でも、今回フィードバック・セッションを受けて私が強く感じたのは、やはり正しくこのデータの読み取り方を理解している人によるセッションという形を取ることで本当にきちんと受け取れるようになるのではないかということです。
自分が信頼している上司やチームメンバー、あるいは職場のメンターなどと一緒にこれを見ることで、分析をさらに未来に向けてさらに大きく活かせるようになるんじゃないのかな。
あるいは、新組織の立ち上げとか、プロジェクトのスタート時とか、そんなタイミングで全員が受け、それぞれの結果を持ち寄り対話を深めるような、そんなチームビルディング的な使い方にもいいのかも。
要するに、やっぱり人は、自分一人で冷静にかつ建設的に自分の特性に向き合い、きちんと咀嚼するのは難しいということです。
私のように防衛的になったり、あるいは「まあそうかもね」と正面から向き合おうとしなかったりしてしまう可能性は高いのではないでしょうか。
それにしても、自分が子どもの頃から周囲に隠し続けてきた特性が、我ながら惚れ惚れするほど見事に数字となって現れています。
<自信><自制心><社会的洗練><分析的><コンプライアンス><誠実さ><組織的><細部への配慮><ストレス耐性> — 1や1桁の低い数字がこれだけたくさん並ぶ人は相当珍しいそうです。
上の図は、今回のフィードバック・セッションをやってくれた友人が、私のために特別に作ってくれた一枚の絵です。
改めて、見事に本当の私がそこには現れています。。。
ただ、一つ言い訳すると(やっぱり言い訳したくなってしまいます…)、私は本質的な自分の自信のなさやシャイさ、プレッシャーへの弱さを十分自覚していて、それに直面しなくて済む生き方や働き方をしてきたし、それを表出化してしまうことで周囲を困惑させたり自分を嫌いになったりしないようにやってきました。
自分にとって理想的な自分自身の姿である<自信を持ちフレンドリーで精神的に強靭>を強く意識して何十年も生きてきたので、自分の本当の特性よりも理想の姿でいるときの方が、違和感を感じなくなっているとも思っています。
とは言え、やっぱりどこか不自然なのでしょうね…。
最近、〈自己開示できる場と自己開示したくなる場を増やすこと>が、自分がこれから向かうべきテーマだと決心しました。
その矢先に、こうして自分の本当の姿に直面する機会を持てたのは、私自身がきちんんと自己開示するところからスタートするべきだっていう、そんな意味を持った巡り合わせなのかもしれません。
これからは<理想の姿と本当の自分のギャップ>と、私自身がもっともっと自然に付き合っていこうと思います。
そしてそれが、私にとってのキャリア開発であり、もう一つ高いレベルでのコラボレーション・エナジャイザーへの道なんじゃないかなって気がしています。
もし組織やチームで<職業的パーソナリティ調査>を受けてみたいって方がいらっしゃったら、紹介しますのでご相談ください。