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世界一幸せな国の世界一オルタナティブな男 - WORK MILLイベントレポート

昨夜、WORK MILL 第2号 『THE DANISH WAY - デンマーク 「働く」のユートピアを求めて』の発売記念イベントに参加してきました。 f:id:dubbed_pachi:20210619122449j:plain

 

COVER STORYの<オルタナティブの希望>やCOLUMNの<クリスチャニア 「自由と寛容」の源流を訪ねて>、SPECIAL TALKの大本さんと遅野井さんの対談などしかまだ読み終えていないのですが、これだけでも間違いなくデンマークという国とその文化に興味を持つ人に、大きな価値をもたらす一冊だと確信しました。

 

この後で[WORK][LEARNING][LIFE]と言う3つの視点からまとめられた特集記事を読むのが、すごく楽しみです。

先月、自分も初のデンマーク訪問で見た景色や感じたことが、くっきりと蘇ってきそうです。

そして、まだ訪れていない場所に行き、いろいろな人たちと対話できるように、次のデンマーク訪問機会をなんとか生み出さなければという強い気持ちが湧いてきます。

 

そう。今私は、どうすればもっとデンマークと近い関係を築けるかを模索しています。もっと深くデンマークの魅力の秘密に迫りたいのです。

そのために、しばらくデンマークで暮らしてみたいなと考えています。急ぎ過ぎず急ぎ、のんびりし過ぎずのんびりと。

 

そんな想いを改めて強くさせられたのが、昨夜のイベントの〈ミスター・オルタナティブ〉(と今、私が勝手に名付けました)ウッフェ・エルベックさんの話でした。

 

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ウッフェさんをものすごく短く紹介すると、以下のようになります(WORK MILL 第2号より引用)。

 

1954年生まれ。政党「The Alternative」代表、ユースムーブメント「The Frontrunners」、ビジネススクール「KAOSPILOT」、コンサル企業「Change the Game」を立ち上げたのち、2011年に政界に進出。13年11月より現職。

 

この文章から、皆さんはどんな人物を想像しますか? 正直に言うと、私は、エスタブリッシュ寄りの自分とは違う世界を見ている人をイメージしてしまいます。あるいは、ちょっとギラギラした「やり手のおっさん」というか。

いずれにしろ、私には「興味深いけど魅力はさほど感じない」経歴に読めるのです。

 

ところが! ウッフェさんの話は、どこを切り取っても想像の遥か斜め上を常に行っていました。

また、トークの進め方も、彼独自の世界観を感じさせる直球的なインタラクションが多く、とても刺激的でした。

 

WORK MILL紙面の5ページにわたるカバーストーリーは、ある意味昨夜のトークのダイジェスト版的なものなので、ぜひそちらを読んでもらいたいのですが、ここでは、本には収められていないものの(と言っても、まだ読み終えていないのでどこかに書かれているのかも?)私にとって大きな衝撃だった話をいくつか紹介します。

 

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1968年、14歳。「まあ聞いてみろよ」と学校の友人がレコードに針を落とした。 その唄声が始まりだった。彼女の名はジャニス・ジョプリン

 

80年代後半。ソ連ゴルバチョフ体制になったもののまだあのソ連で、ベルリンには東西を隔てる壁があった。私たちは男3人でつるんでバーにいた。そこにとてもチャーミングな若い女性がやってきて「来年、ソ連赤の広場に侵攻してロックコンサートをやろうよ」と言ってきた。 聞けば、お金も計画もないという。私は乗った、即答だ。 そして翌年、赤の広場というわけにはいかなかったが、コンサートは大成功を収めた。

参考: モスクワ・ミュージック・ピース・フェスティバル

  今、デンマークでも、エスタブリッシュメントたちは「もっと効率性とスピードを上げなければ」と言っている。でも、世界経済はずっと右肩あがりに来ているのかもしれないけど、僕らの生活は、幸福感は、80年代の頃からずっと横ばいのままだ。 もういい加減、文化や社会や環境を取り込んだ新しい「成長」の定義を作る頃合いだとは思わないかい?

 

24時間365日ずっと幸福を感じられるなんてことはないさ。それはナイーブ過ぎる。 でも、「自分の人生にインパクトを与えられるのは他でもない自分自身だ」と感じられて、自由への想いやそれを味わう喜びを分かち合える場を持てることが重要なんだ。すべての人たちが皆、意義を感じながら生きていける社会を私は作りたいんだ。

 

 

イベント終了後、たくさんの人に取り囲まれているウッフェさんに、「一つだけ短い質問をさせて」とお願いして聞いてみました。

「私も14歳でジャニスに出会い、それで人生が変わりました。今でもジャニスはスペシャルですか?」

ビッグ・スマイルで「Yeah!」と言って、私の胸をドンと叩いてくれました。

 

ありがとうウッフェさん。

Happy Collaboration!