社内ソーシャルはトップダウンかボトムアップか
そういった場ではいつもお伝えしていることなのですが、確認してみたらブログにはまだちゃんと書いたことがありませんでした。
というわけで、今回は『社内ソーシャルはトップダウンかボトムアップか』という話を書きます。
(「そこじゃないよ!」という声も聞こえそうですが、まったくの見当違いということはないかと思います。)
■トップダウンの強みと弱み
- 強み - 意志決定のスピードが早く、一貫性がある。責任の所在も明確。
- 弱み - 現場から乖離した決定が多く、決定に至る経緯も見えづらい
■ボトムアップの強みと弱み
- 強み - 現状に適した判断がくだされ、納得感を得やすい
- 弱み - 決定までに時間がかかり、決定後も実行されているかがわかりづらい
そして「それなら両方の良い所を上手に取り入れればいいじゃない」という事になるのですが、ほとんどの場合「良いとこ取り」をしようとすると、良いところ同士がぶつかりあって相殺してしまうことが多いのが現実だと思います(「わかるわかる!」という方も決して少なくないのでは?)。
でも、社内ソーシャルに関しては、その良いとこ取りが無理なくできるのではないでしょうか、というのが今回のエントリーの趣旨です。画像内のテキストにも書いているように、旧来の「トップダウン」は、多くの企業の「今」に合わないものになっているのではないでしょうか。
「ものすごいカリスマ性を持ったトップがいる」とか「右肩上がりの流れに乗っていれば良い」とか、そういうタイミングであれば、管理主義やマニュアル主義的なアプローチが効率も良く、上手くいったのでしょうが…。 ・
スタートアップ企業など、「志し」を中心に集まったメンバーでやっているうちは良いのですが、企業規模の拡大や時間の経過とともに、ボトムアップ型の進め方が「絵に描いた餅」となり、個人への批判が横行する無秩序状態となってしまうことも少なくないようです…。
・
- 現場から上がってきた声を、戦略や方針に反映すべき重要な要素と心得る
- 意見やアイデアを出すことを、現場の重要な仕事と心得る
トップダウンとボトムアップを循環させるとは、簡単に言えば上の二言に尽きます。
もう少し詳しく見ると、以下のようになります。
・トップは戦略や方針の策定に、現場の声を十分反映させるよう努力します。そして反映できない部分があればその理由をきちんと説明します。
・現場は自分たちの声がきちんと聞かれていることを感じ、納得感と自分事感を持って戦略を実行します。現場と方針にブレが生じてきた時には、いち早く意見を上げます。
トップボトム循環の例を一つ挙げます。
- 広くボトムアップ型でたくさんの意見や想い、そしてそこに至る背景やもやもやしたものを出してもらいます。いわば「拡散」のタイミングです。
- フレームワークなどを活用して意見や想いを方針やルールにまとめあげます。「収束」させるイメージです。
- 決定した方針・ルールをトップダウンで進めます。決定までの経緯などをトップが理解し、尊重していることをメッセージしながら、一挙に進めていきます。
- 一方で、必ず意識調査などで直接的なフィードバックを受けられるようにします。そしてフィードバックがウェルカムなことを積極的に伝えます。
- フィードバックがある程度溜まったら、それを元にボトムアップを誘発する問いかけを行います。そしてこれがまた1に戻ります。
かなり簡素化しているので、実際にはきれいにこんな風に回らないこともあると思います。
また、机上ではなく実際例で語れといわれれば、なかなかきれいな事例がないのも事実です。
それでもやっぱり、私はプロセスへの参加が最も重要だと思います。
戦略AとBがある時、それが共にしっかりと考えて作り上げられたものであれば、戦略自身に優劣はさほどないものです。では何が成否を分けるのか?
それは優劣ではなく、納得感や自分事感を持ってみんなが進めたいと思えるものか、成功させたいという気持ちを強く持てるものかどうかだ。
-- こんな話を聞いたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。
そしてその気持ちは、プロセスに加わり、自分たちで決めることにより生まれるものだと思うのです。それは優劣ではなく、納得感や自分事感を持ってみんなが進めたいと思えるものか、成功させたいという気持ちを強く持てるものかどうかだ。
-- こんな話を聞いたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。
Happy Collaboration!