エンタープライズ・ソーシャルの本質は価値創造基盤
取材は2時間にわたり、いろいろと話は盛り上がったのですが、紙媒体が中心ということもあり実際に記事になる部分はその中のごく一部になってしまうと思います。
(そして、想定される読者の中心層を考えると、「社内ソーシャルの深い部分の話」は掲載されてもサラッとかな?)
でも、私的には相当ドンピシャないい話がたくさんで、「そう、そうですよね! つまりこういうことですよね?」とついつい自分が話しこんでしまうことも何度かありました。
また、取材後には斉藤さんに「ブログにもどうぞ書いてください」と言っていただけたので、今回はそのときの話にちょっとだけ解説をつけてお届けします。
■B2B企業こそ社内も社外もソーシャルが大切
なぜなら、B2B企業の方が、お客様に購入していただいているのは「社員」だから。
つまり、店先で手にとって購入される製品ではなく、購入や契約までに直接的なやり取りなどで時間が費やされるものほど、結局は交渉相手を買っているのだ。
B2B企業では、顧客接点が社員に限定される。
B2B企業こそ、企業の「社会へのスタンス」を体現するのは社員だ。
これを踏まえると、社員には自社のビジョンやミッションをきちんと理解し、それに基づいた行動が取れるようになってもらうための「場」として、社内ソーシャルがいっそう重要になってくるのがわかると思う。
人は、コミュニケーションにより想いや疑問を消化し、理解したり納得したりしていくもの。必ずしもすべてが「納得」に結びつかなくても、ただ押し付けられるのではなく「参加」することにより、理解は深まるものだ。
社員の想いがオープンに発信され、共有され、対話される場所が社内にあるかどうか。
社内ソーシャルは、社員が自社を愛せるかどうかのリトマス紙なのかもしれない。
■社内ソーシャルの本質的役割は、イノベーション孵化のプラットフォーム
「社内ソーシャルウェアの目的は、社員間のコミュニケーションを活性化して組織の壁をなくすこと」-- それだけでも良いけど、もう一歩踏み込んだ方がより多くを得られるだろう。
コミュニケーションの活性化や風通しの良さは、目的にたどり着く前の地ならしに過ぎず、企業にとってより本質的な目標は「社会に必要な企業として、永続的に存続する」ことだ。
そのためには企業がその価値を社会に認められ続ける必要があり、それには常に価値を提供し続けていくことが必要になる。違う言葉で言えば、イノベーションを孵化し続ける必要があるということ。
つまり、新しいものの提供や価値の創造につながってこその社内ソーシャルウェアであり、その本質的役割を踏まえた上で、コミュニケーションの活性化や風通しの良さを捉えた方が良い。
斉藤さんの言葉と私のものがちょっとゴチャッとしてしまったところもあるのですが、今回のエントリーに書いた部分はそれくらいお互いの考えがシンクロしていた部分だと思っています。
ということで、最後に感謝を込めて日本経済新聞出版社から刊行されたばかりの斉藤さんの新著『BE ソーシャル! ―社員と顧客に愛される5つのシフト』を紹介します。
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