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社内ソーシャルFAQ |リスク|推進|効果|存在価値

ここしばらく社内ソーシャル関係のエントリーを続けて書きましたが、嬉しいことに書くたびに何らかのフィードバックをいただき、新たな意見や質問をいただいてきました。

 

いただいたフィードバックで多かったのが「Pachiは四六時中社内ソーシャルのことを考えているから、自分のスタンスができあがっていて、ディスカッションなどでもすぐに意見を出せるのだと思う。でも、私たちは限られた時間の中で、懐疑心満載の上司の質問に答えなければならないんです…」という、まあ、なんというちょっとした「泣き言」的なものでした。

 

ということで、今回は皆さんが社内セッションや稟議書に使用できる(?)ように、簡潔な「アンチョコQA」を載せておきます。

大体大きく分類すると以下の4つがテーマになることが多いようです: 「社内ソーシャルのリスク」「社内ソーシャル推進」「社内ソーシャルの効果」「社内ソーシャルの存在価値」

 
 

1◎リスク系◎

■ 社内ソーシャルは機密情報がもれる可能性を高めるのではないか
■ 不適切な発言をする人にはどう対処すれば?   

2◎推進系◎

■ ほとんどの社員が社内ソーシャル上で発言しないだろう ■ 遊びを認めるとそれでしか使われなくなるのではないか  

3◎効果系◎

■ オンラインでは本心が伝わりづらい ■ 社内ソーシャルは若くて暇な社員だけやってればいいのでは ■ 絆は強められるだろうが、本当のビジネスには使えない  

4◎存在系◎

■ 非公式な意見に価値などあるのか ■ 偏った意見が横行するのではないか ■ 社内ソーシャルは無駄な時間の浪費を増長させる ■ ソーシャルはうちの文化とは合わない  

1◎社内ソーシャルのリスク系◎

■ 社内ソーシャルは機密情報がもれる可能性を高めるのではないか
社内とは言え、何を扱って良いのか悪いのかを明確にしておくべきでしょう。そしてもちろん、そのガイドラインの周知や、ソーシャル・リテラシー教育も必要でしょう。
そしてこうした社内ソーシャルに対する教育が、外部のソーシャルメディアに対するリテラシーアップにもつながるのではないでしょうか。
  ■ 社内ソーシャルで不適切な発言をする人にはどう対処すれば?
なぜそのような発言をするのかを本人に聞いてみましょう。
アクションを取る目的は、発言者とみんなが今後も建設的な関係をとり続けられるようにするためです。その点を踏まえ、ソーシャル上でオープンに聞くか別の方法で聞くかを考えましょう。
 

2◎社内ソーシャル推進◎

■ ほとんどの社員が社内ソーシャル上で発言しないだろう
発言の数そのものも大事ですが、それを読んだ人が何をどう受け取ったか、それが次のアクションにつながったかが大事です。
アクションは社内ソーシャル上の「次の発言」とは限りません。大切なのは社員が社内ソーシャルから利を得ているかどうかです。
  ■ 遊びを認めるとそれでしか使われなくなるのではないか
大げさ過ぎると思われるかもしれませんが、遊びを通じて身に付けたものを日々の活動に適用させていただくというのは、人間の活動の基本ではないでしょうか?
Eメールやチャットなども最初は遊びを中心に使われ始め、その後社員がさまざまな業務と適用していったものだと思います。
 

3◎社内ソーシャルの効果◎

■ オンラインでは本心が伝わりづらい
同じ時間あたりの情報伝達量が、直接顔を会わせて伝えるよりも少なくなるのは事実でしょう。電話では相手の表情が見えない分、視覚情報が減るのと同じですね。
ただし、複数の話題を同時に進行させたり、関連情報をワンクリックで見れるようにしておくことなど、オンライン特有の機能を上手に使うことで、足りない部分の補完や新しいコラボレーションの形を作り出すこともできるでしょう。
  ■ 社内ソーシャルは若くて暇な社員だけやってればいいのでは
ベテラン社員の持つスキルやノウハウを社内に広げようと思わないのであればイエス
今のやり方にしがみついていれば良いとおもうのであればイエス
社員の多様性を業務や経営に反映させようと思わないのであればイエス
(失礼。つい皮肉屋の顔が出てしまいました)。
  ■ 絆は強められるだろうが、本当のビジネスには使えない
「本当のビジネス」が意味するものが「タスクや作業の実施」であれば、確かにマイクロブログやグループ機能だけでは不十分でしょう。
社内ソーシャルは、そこにビジネス・プロセスやタスク管理を組み込むことで、生産性の向上や学びの質を高めやすいという大きな利点を持っています。これを活かすには「フロー型とストック型」「コミュニケーション推進型とコラボレーション推進型」のソーシャル・ツールをシームレスに組み合わせることが大切です。
 

4◎社内ソーシャルの価値◎

■ 非公式な意見に価値などあるのか
やり取りされているすべての情報が正確であればそれに越したことはないでしょう。
ただ、何事にも裏取りや承認が必要と考えていては、スピードという強力な武器を失うことにもなります。60点の答えでも、ヒントだけでもいいから今すぐ欲しいという状況は誰にも経験があるのではないでしょうか。
  ■ 偏った意見が横行するのではないか
たしかにソーシャルの「フロー型」のツールや要素には偏向性を加速する要素があると思います。
ただし、一部の外部ソーシャルメディアに見られる無責任さや匿名文化と、社内ソーシャルとは目的が異なると思いますので、その点をメッセージして関与を求めていく必要があるでしょう。
  ■ 社内ソーシャルは無駄な時間の浪費を増長させる
社内ソーシャルがなければ無駄な時間の浪費はなくなりますか? 社内ソーシャルは基本的にオープンな場所ですから、「無駄な時間の浪費」さえもオープンです。
ところで「実行に移されない計画を立てる会議の時間」は無駄な時間でしょうか(失礼。また皮肉屋の顔が出てしまいました)。
  ■ ソーシャルはうちの文化とは合わない
「うちの文化」は皆に歓迎されているものなのでしょうか?
文化を変えるための社内ソーシャルではないのでしょうか?
現在の文化のままで何も変えたくないのであればやめておきましょう。
 
 
シンプルに、みなさんが使い回ししやすいようにと思って書き始めたのですが、ところどころ「想い」が溢れてしまいました。ご海容ください。
 

Happy Collaboration!

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