Collaboration Energizer | #混ぜなきゃ危険 | 八木橋パチ

コラボレーション・エナジャイザーとは、コラボレーションの場を作り、場のエネルギーを高め、何かが生みだされることを支援する人

社内ソーシャル: 風土と場とメカニズムデザイン

昨日、ナレッジマネージメント学会イベントEGMフォーラムとしてパネル・ディスカッションをやったのですが、なかなかEGMフォーラム色の濃い、面白い場になったようです(「刺激的で楽しかった」という言葉を何人かに言っていただけたので、ここは額面通り素直に受けとります)。

そして個人的には、EGMフォーラムが今後ディスカッションをしていくべきテーマがいくつか明確になった場でもあった気がしています。

今後「振り返るべきポイント」の一つにもなるかも? ということでメモを残しておきます。

■ 社内ソーシャルとメカニズムデザイン

"EGMフォーラムは、「社内ソーシャル」について「風土」と「場」作りの重要性をこれまでずっと議論し続けてきたけれど、もう議論もあらかた尽きたのではないか。今後は「コラボレーションを促すメカニズム作り」をテーマに掲げていくべきではないか"

以上が前田さんからの問いかけでした(以下に登場するの2つの画像は、前田さんのチャートからの抜粋です)。

 

イメージ

 

「メカニズム・デザイン」という言葉はカッコいいですね。経済学の一分野で、社会的に望ましい結果に導くルール設計することだそうです。

私が興味を持っている進化心理学や選択行動デザインとも親和性がとても高そうな感じです。

 

 

ただ、会場でも指摘があったように、これらの言葉を「いかにもそれらしく」使っていると、詐欺師臭がプンプン漂うようなので気をつけた方がよさそう。

一方で、「知識のための知識」にしてしまわないよう、これらの概念の基本を理解して実践の場に適用していくことはとても重要そう。まずは学んでみたいと思います。

 

■ 社内ソーシャルと意思決定

"画像に「意思決定」(意思決定レイヤー 分散された情報から正しい意思決定に結び付けるメカニズム)とあるが、社内ソーシャルが意思決定に役立つのか? その意思決定とは具体的に何を指しているのか?"--こんな質問を参加者の方からいただきました。  

イメージ

 

たしかに、社内ソーシャルが意思決定にどれだけ関与するのか、またそれは誰のどの範囲の意思決定で、そしてそれがどのような形で表されるのかというのは、これまであまり議論されていなかったと思います。

そして会場では時間が全然足りず、この話を詰めることができませんでした。

私自身は「社内ソーシャルと意思決定」の関係に対していくつかの仮説を持っていますが、もっと多様な視点からいろいろな意見を聞いてみたいと強く感じました。

そんなわけで、次回のEGMフォーラムの定例会ではこのテーマで意見交換をしてみたいと思っています。

参加してみたいという方はいらっしゃいませんか? ご連絡ください。

 

■ 社内ソーシャルと無責任な発言

"激しい内部競争により成り立っている組織もある。そんな組織にとってはソーシャルなど気晴らしレベルのモノにしか成り得ない"

"自分とはまったく無関係なところからの無責任な発言など、むしろ邪魔なものでしかない"

こうした意見も出てきました。社内ソーシャルについての議論としてはわりとクラシックなものかと思います。

ただ、クラシックであるが故に、これまで「内部競争に血眼になっているうちに、気が付けば外部からはるかに取り残されてたなんてことがなきゃいいですね」とか、「ワンチームで変化に対応していくことが求められている中で、社内に無関係なところなどないんじゃないですか」という、紋切り型の回答で終わらせてしまっていた(逃げていた?)気もします。

 

これは最初の画像でいうところの「風土」の話との関連性がとても強そうです。

改めてこうした声をじっくりと聞き、「そうした風土を持つ組織でのメカニズム」や「それぞれの風土ごとのメカニズム」を考えてみても良さそうな気がします。

というわけで、次回以降のEGMフォーラム定例会で一緒に考えてみたいって方、ご連絡をお待ちしております。

Happy Collaboration!