アクティブ・リスニングと深いうなずき
より深い信頼関係をより早く構築するためのスキルと言われている「アクティブ・リスニング(積極的傾聴)」。
ビジネス研修などで取り上げられることも多いので、知っている人や聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
実は私も、数年前にアクティブ・リスニングの社内研修講師をしていました。
ただ、講師だったにもかかわらず、実際の私は何度かの研修やトレーニングを通じて「知識」としてアクティブ・リスニングを学んだだけであって、身につけていたわけではありませんでした。
そんなわけで、週末にプロ・コーチの友人が講師をする「アクティブ・リスニング」のワークショップに参加してきました。
何度も何度も繰り返し行われた傾聴のためのペア・ワークの振り返りで、何人かの方から自分では気付いていなかったコミュニケーション・スタイルの癖や改善ポイントを教えていただいたので、忘れてしまわないようここに書いておこうと思います。
それから、以前に研修講師をやったときに自分が作成した資料(「アクティブ・リスニングとアサーティブ・コミュニケーション)を見直したところ、改めて心に留めておきたいいくつかの言葉がありましたので、それも併せて書いておきます。
なお、アクティブ・リスニングのもたらす効果や意味についての基礎的な情報を知りたい方には、「積極的傾聴法」で検索するとさまざまな解説やワークショップシートなどを入手することができますよ。
■振り返りでもらったプレゼント
分かるの早すぎ!
「分かる分かる!」と「あなたの気持ちを理解しています」とあまり早く示しすぎると、「私の」話を奪われるような感覚を感じさせてしまうことも。
もっと、うなづきのアクションを効果的に(深く首を下げる)
リアクション大き過ぎ!
身を乗り出してじっと見つめて話を聞かれると、なんだか押しが強そうでつい「引いてしまう」人もいる。
声の大きさも、追い込まれてると感じさせてしまうことも。
■今後、意識していこうと思ったこと
相手の言葉の言い方や使い方におかしな点があっても、それを指摘する必要性が高くなければ、あえて指摘する必要も言い換える必要もない。
そのまま相手の言葉と定義にあわせればよい。そうじゃないと、「指摘された」という事実が一番強く相手には残ってしまうことになりがち。
「声を聴いている」ことを示すには、体の姿勢と意識を向ける。 「言葉を聴いている」ことを示すには、相手の言葉を適切にバックトラッキング(※1)する。 「気持ちを聴いている※2」ことを示すには、相手の話をさえぎらない。
※1「バックトラッキング ≒ 言葉をあわせる」 - 相手の言った言葉を伝え返すことによって、心理障壁を取り除く。 ※2 相手の主張や理屈ではなく、相手の心を受け止めることを考える
ビジネスの場におけるアクティブ・リスニングとは、『相手の考え・意見や気持ちを尊重して共感的に受容することを通じて、こちらの考え・意見や気持ちを適切に伝えられる状況を作ること』
「人間は自尊心の固まりです。人間は他人から言われたことに従いたくないが、自分で思いついたことには喜んで従います。だから、人を動かすには命令してはいけません。自分で思いつかせれば良いのです」 (by デール・カーネギー)
自分のコミュニケーションスタイルに対して、気にかかった点やネガティブな要素を含む率直な感想をもらえる機会って、日常にはほとんどないことだと思います。
その点からも、ときどきでもこういう場に参加する利点があるなと思いました。
そうそう。 講師の友人が言っていたのですが、「うなずく」という行動そのものが自分の脳の理解を深める(早める?)そうです。
行動と結びつけることで、脳が活性化するってことかな? 今度会ったとき、詳しく聞いてみようっと。