Verseというコラボラティブなメール・ソリューションが変えること
2週間前にVerseとチェンジ・リーダー」という記事を書きました。
「早く失敗すればするほど早く軌道修正できる!」を合言葉に、今年の春から日本でアジャイル展開(※)を推進してきたプロジェクトについて、ざっくりと紹介したものです。
※「アジャイル展開」は聞きなれない言葉ですよね、きっと。「アジャイル開発なら知っているけど…」という方も多いと思いますが、アジャイルの考え方やメソッドの本質を「展開」に適用したものだと思ってください。 「要フィードバック」を前面に出しながらまずは目標に向けて踏み出す。フィードバックに優先順位をつけたら小分けにして修正し、また「要フィードバック」を前面に踏み出す…。
近いうちに、このテーマでももう少し詳しく書きたいと思っています。
上記記事に書いたように、IBM Verseの社内展開は「メールとソーシャルが上手に補い合うことで、人を中心とした新しい働き方を実践していこう」というものです。
具体的には、企業向けソーシャル・ソリューション「IBM Connections」が生み出す人・モノ・コトのつながりや関係性を活かせるコラボラティブなメール・ソリューション「IBM Verse」を全社にすばやく展開していこうということ。
それも、過去の資産を失うことなく、システムを止めることなく、社員に強制することなく。
なかなかチャレンジングでしょ?
まだプロジェクトは終わっていませんが、Verseの展開パートはもうすぐ終わろうとしているところです。
そこで自分が実際に進めてきた中で感じたプロジェクトが与えてくれた利点を改めてまとめてみます。
■発信者を単なる「From」から、ビジネス・コンテクストを纏った人へ
社内の知らない人からメールが届き、そこには意見やら依頼やらが書かれている。 CCにもよく知っている人やなんとなく記憶にある人、そしてぜんぜん知らない人などの複数のアドレスが連なっている。
日常的な状況ですよね。
そんな複数のあて先に登場する人たちのオフィシャルな関係性や、各個人の日常的な活動が、そのメールから1クリックや2クリックですぐに確認できると、これまで以上のスピードでアイデアを伝えたり、これまで以上に状況にあった回答を伝えることができます。
■仕事内容が多種多様なのに、ツールは1種類というムチャ
以前、『ソーシャルテクノロジーとワークスタイル変革の本質』という記事でシスココンサルティングサービス(CCS)の林さんの言葉を紹介しました。
「ワークスタイルの"スタイル"とは"やり方"であり"その選択肢"。場所、時間、ツール、システム、ルールを選べること」
「社員は「肩書き」で仕事の中身や役割が決まるわけではない。一日の仕事の中で、プレイング・マネージャーはファシリテーター、ネゴシエーター、クリエイター、プレゼンター、リーダーと次々役割りを変えていく。それぞれのロールにちょうど良いツール、システム、ルールが選べることが重要」
プレイング・マネージャーに限らず、多くのビジネスパーソンが、一日の仕事の中でさまざまな役割を行っていますよね。
そしてその時々の役割やコミュニケーション相手により、便利で効率的なツールやシステムが異なってきます。
でも実際には、なんでもかんでもメールで、あるいは電話で済ませようとする人や、あれもこれもチャットとミニブログでやり取りしようとしてくる人も珍しくありません。
さらにまずいケースですは、相手が「偉い人」だと、その影響力ゆえに周囲もその人の選んだツールでしかコミュニケーションできないなんてことになったり…。
一つのインターフェース上にさまざまなツールが置かれ、時と場合に応じてやり取りやデータが簡単にツール上を行き来できると、それはやっぱりとても便利です。