Collaboration Energizer | #混ぜなきゃ危険 | 八木橋パチ

コラボレーション・エナジャイザーとは、コラボレーションの場を作り、場のエネルギーを高め、何かが生みだされることを支援する人

キーワードは「つながり」- 世界のCEO 1,700名への調査から

もう読みましたか 『IBM Global CEO Study 2012』?

世界64カ国、1,700人を超えるCEOへのインタビューに基づいて作成された、世界最大規模のレポートです。

ポジティブであれネガティブであれ、ソーシャル・メディアや企業ソーシャルに興味がある人なら、きっと発見がある資料だと思います。

感じるところやグッとくるところはたくさんあるのですが、まずは今回、強く印象に残る言葉やフレーズをコラージュ風に抜き出してみました。


ソーシャル・メディアの広がりで、人々はより広い範囲で密接にコミュニケーションをとるようになった。
人々は、重要なステークホルダーであり、自社の顧客であり、社員である場合もある。こうした環境をわれわれは「コネクテッド・エコノミー」と名付けた。


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「つながり」による優位性の構築
価値観の共有を通じて社員に権限を委譲する



価値観の共有を通じて社員に権限を委譲する組織のオープン化は、大きな可能性を秘めている。
例えば、有能でモチベーションが高い社員、溢れでてくるアイデア、いままで以上の創造性とイノベーション顧客満足の向上をもたらす可能性である。
その反面、オープン化には多くのリスクも。
厳格なコントロールが困難となるので、オープンな組織には意思決定と行動様式を規定する、強い目的意識と価値観の共有が必要となる。
「コラボレーションを奨励するには、新たなワークスタイルの導入が必要となる。
テクノロジーがそれを実現する鍵となるだろう」
開放的な組織実現への志向度合いは、高業績企業のほうが低業績企業よりも30%高い

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CEOにとって、もはや組織をオープン化すべきかどうかは問題ではない。いかにしてオープンな組織を実現し、それを運営するかが問われている。
ルールブックを共有される価値観に置き換える
オープンな組織は、そのプロセスを構築するだけでは運営できない。
企業には新たな意思決定スタイルが必要。
絶え間なく変化し、ますます複雑になる事業環境の下では、社員は想定外の状況にどの対処すべきか、本能的に理解しておかなくてはならない。
選択と行動を方向づけるのは、ルールブックではなく、共有される価値観や信念である。


広範囲にコラボレーションできる手段を提供する
企業活動がグローバル化し、機能間の境界があいまいになるにつれて、より広範囲に、かつ迅速にコラボレーションできる手段が必要となる。
ソーシャルなコラボレーションを実現する - 社員が必要な知識や専門家を素早く発見し、それを活用する手段
  - 専門的な知見を社内に蓄積し、多くの社員が活用できるように
  - 自由に意見を交換することで相互に学び合えるように
コラボレーションを促進するためのインセンティブを用意する
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米国のある金融機関のCEOは、ソーシャル・メディアの普及をインターネット自体の普及にたとえ、次のようにコメントした。
1995年から2000年の間に、ウェブは一部の人だけが使うものから、ほとんど全ての人がビジネスのために使うものになった。
ソーシャル・メディアも同じだとみている。ほとんど全ての人が、それを使ってビジネスを成功させる方法を考えなくてはいけない段階になりつつある
もはや単なる流行ではない
多くのB2B企業のCEOが、ソーシャル・メディアはB2C企業だけのものではないと述べる
あるメディア・エンターテインメント企業のCEO
当社の法人顧客の中の社員はソーシャル・メディアを利用する消費者でもある。両者を区別することにあまり意味はない
例えば、不本意ながらも、事業経験の乏しいY世代(ベビーブーマーの子供世代、1970年代後半から1980年代生まれ)のアドバイザーの意見に頼らざるを得ない。英国のある保険会社のCEOは、「私のキャリアの中で
初めて歳を取ったと感じた。
20代の若者はソーシャル系サービスに対して、全く違う考え方や関わり方をする。私たちはソーシャル・メディアを友人とつながり、交流する手段として使うが、彼らは活きる手段として活用しているのだ」とその気持ちを語った。


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コラボレーションの限界を突破る
複雑性の増大に適応するため、企業は従来のパートナーや、イノベーションについてのありきたりの考え方を超えて、新しい発想をもつ必要がある。
従来にはないパートナーシップの模索
業界や自社内での常識、暗黙の前提に疑問を持つ
顧客、アカデミア、ビジネス・パートナーなど、現状の自社のイノベーション・サークルの内輪ではない人々から新たな刺激を得る。
一つのエコシステムとしてイノベーションを実現
コラボレーションの中核となるビジネス・パートナーと連携したとしても、解決できない困難な課題が残るときがある。
そのときは、競合他社、政府、NGOなど、周囲を含めたエコシステム全体が一丸となって、その課題に立ち向かうべきである。
コネクテッド・エンタープライズの中心は人
デジタル化された世界では、人々がより人間らしく、個人と個人との「つながり」を強めるようになる、ということである。
テクノロジーは、時間と距離の制約を取り払い、より人間らしい生活を実現する手助けをしてくれる。
人々は、いままで以上に物事を探求し、他者と関わり合い、私生活や仕事での「つながり」を広げ、知識を増やすことに時間を割けるようになる。
デジタル、ソーシャル、モバイルの各テクノロジーは、人間の価値を高める。

CEOは、自社と、社員、顧客、ビジネス・パートナーとの間に生まれる新たな「つながり」を活用して、自社の優位性を構築すべきである。
社員を鼓舞するリーダーシップをもったリーダーは、管理を強化するのではなく、価値観と目的を共有することで、社員の参加意識を高め、目標達成を動機づけ、正しい方向に導く
チームをまとめる手腕をもったリーダーは、社内外での協業を推進する。そして他のリーダーのロールモデルとなる。



これまでの「破壊的」と言うべきテクノロジーは、常に企業や政府の側から生まれ、その後、次第に消費者へと普及していった。
近年の先端テクノロジーの普及の流れは、これとはまったく逆である
そのテクノロジーは若い世代の間でより急速に浸透していっている。
その結果、CEOは自身がやや不安定な状況におかれていると認識している
CEOの周りには、新たなテクノロジー、それを使った新しいライフスタイルやワークスタイルがあふれている。
しかも、自分よりも、新卒社員や、時には自分の子供の方が、それらをよく理解しているのである。
ヨーロッパのある金融機関のCEOは次のように述べている
「CEOには、現代のソーシャル化のトレンドや価値観の変化を察知するセンスが必要だ。そういう意味では、多少の謙虚さをもつことが求められる」

レポートの概要はこちらのオフィシャルページで紹介されています。
そして、上記ページから『IBM Global CEO Study 2012(日本語版)』ダウンロードページへのリンクが貼られていますので、ぜひ、ご自身でもじっくり読んでみてください。

Happy Collaboration!