Collaboration Energizer | #混ぜなきゃ危険 | 八木橋パチ

コラボレーション・エナジャイザーとは、コラボレーションの場を作り、場のエネルギーを高め、何かが生みだされることを支援する人

パチの「インサイド(ドライバー/MPVI)」分析 | ホーガンアセスメント

 

 大嫌いだった「本当のおれ」を人に知られるってこと

前回の パチの「ディレイラー」分析では、プレッシャー下や油断しまくっているときにパチが取ってしまう傾向のある行動分析をご紹介しました。

「プレッシャー下や油断しまくっているとき」というのは、つまりいいカッコできていないときだったり、見せたい自分じゃない自分が出てしまっているときということです。ようするに「素」、「地」が出ちゃっているってこと。

 

…昔はそんなこと、想像するのも恐ろしかったんだよね。絶対に避けたいことだった。

なぜなら、おれが大嫌いだった「本当のおれ」を人に知られるってことだったから。おれは「見せたい自分」としておれが取り繕った自分は好きだったけど、その内側にあるものは見せたくなかった。一部の、本当の本当に「見せてもいい」と思える人以外には。

(そしてその人たちには「パチのサイテーなところを見たけど、まあそれでも許せるよ」って言って欲しかった。)

 

それが今ではほとんどまったく気にならなくなったのは、「見せたい自分」と「本当のおれ」の両者がかなり歩み寄ってくれているから。

まだまだ「いいカッコしたがり」なおれだけど、「いいカッコしたがりなおれ」を隠す気がほぼなくなったら、なんだか「本当のおれ」が人に知られるのも悪くないなって思えるようになった気がする。

いや、逆かも? 「本当のおれ」が大嫌いじゃなくなったら、「いいカッコしたがり」なのが人に知られてしまうのも別にいいじゃないそれが何か? と思えるようになったのかも。

 

…あれ。こんなことを書こうと思ってたわけじゃないんだけど、書き始めたらどんどん出てきちゃった。それでは今回書こうと思っていたことを。

 

 MVPIのスケールと、その高低が表す傾向

ディレイラーは「素」や「地」の出方を示すものだったわけですが、それじゃその「素や地」ってのはどんな感じなの? を示すのが「インサイド(ドライバー/MVPI)」アセスメントです。

前回も書きましたが、56ヵ国49の言語でタレントマネジメントに活用されているHogan Assessments(ホーガンアセスメント)の3種のレポート*をここでもう一度紹介します。

 

*3種のレポート

  1. ドライバー | パーソナルな価値観・関心事・やる気の素を表す
    MVPI(インサイド | 満足感をもたらし、キャリアを伸ばすことができる目標や興味、関心事などコアとなる価値観。
  2. レピュテーション | 普段の行動傾向・強み・弱みを表す
    HPI(ブライトサイド) | 日常生活の中で通常の状態にあるとき、どのような行動スタイルをとるか
  3. ディレイラー | プレッシャー下の行動傾向・阻害要因を表す
    HDS(ダークサイド) | ストレスやプレッシャーを受けている状態で、どのような行動傾向をとるか

 

今回取り上げている1. ドライバーのMVPIとは「Motives, Values, Preferences Inventory」のことです。「動機(内部的な衝動)」や「価値基準(価値観)」「選択(優先)傾向」のひとセットのかたまりというところですね。
では、まず、MVPIのスケールと、その高低が表す傾向を見てみましょう。

 パチのインサイド) ドライバー | …快楽志向、審美性、認知要求 … 友好性、営利志向、安全欲求…

続いて、パチのそれを見てみましょう。今回もパーセンタイルの数値が大きい順に並べてみました。

そして一言、自分の感想を加えてみました。

 

インサイド) ドライバー 
95  快楽志向 | 楽しく、よい交流、よい時間を過ごすことに価値を置く。
全然問題ないと思いつつも、「積極的に楽しく過ごそうとしない人」を理解しようとする努力はしなくちゃだなおれ。

 

90  審美性 | 美的な自己表現への欲求や、仕事や製品の品質および見栄えに対するこだわりの度合いを反映。
そこまで強いかな? まあでも見ばえや出来ばえにこだわるなたしかに。

 

86  認知要求 |注目、承認、賞賛を求める欲求の度合いを反映。
そんなもん? もっと強いかと思ってた。注目されたがるよねおれ。

 

56  利他主義 | 他者を助けたい、社会を良くするために貢献したいと思う欲求の度合いを反映。
そうそう。おれの利他主義は「だって周りがHappyってことはおれもHappyってことじゃん」だからね。

 

29  伝統志向 | 儀式、規則や儀礼の必要性、および歴史や定着した慣習を尊重する度合いを反映。
伝統やしきたりは大事だよ。それを守っていくこともね。でも、それが今や未来に犠牲を強いるのはさ…

 

11  科学志向 | 知識、リサーチ、技術、データを追求することに価値を置く。
データ大事だよ、分かってる。でも世界はデータより大事なもので溢れているじゃない!

 

11  権力志向 | 成功、目標の完遂、ステータス、そしてリソースのコントロールに対する欲求の度合いを反映。
おれのコントローラーはおれだけじゃなきゃ嫌なの。でも、人のコントローラーを持つのは嫌いじゃないかも。

 

9    友好性 | 社会的交流や他者との関わりの必要性とそれから得られる喜びの度合いを反映。
「友好性低い」って数値で示されるとドキッとする…。いや、人との関わり好きだよ、でもそれ以上にもっと… 

 

6    営利志向 | 金銭、利益、投資、ビジネス行為に価値を置く。
お金は欲しいさそりゃ。でもおれ、大金持ちになったら、嫌な奴になっちまうんじゃないかって不安なのさ…

 

4    安全欲求 | 安定性、安全性そしてリスク最小化を求める度合いを反映。
子どもの頃から「リスクを取る」が生き残り戦略だったんだよね。それで大失敗せずに済んできたってことなのかな。

 

どうでしょうか。おれのことをよく知る人が見れば「うん。パチだね」という感じなんじゃないでしょうか。おれは「うん。おれだね」と強く感じます。

 

 ライフスタイル、信念、職業的嗜好、嫌悪、好ましい相手

MVPIスケールのレポートには、上で紹介したパーセンタイル数値の他に、それぞれのスケールに対して以下5つのサブスケールのポイントが付いているのですが、これがメチャおもしろいんです。

これらのサブスケールは、パチさんの固有の性格上の特性に、より詳細な洞察を提供することを目的としています。

  • ライフスタイル | どのように生きたいか
  •  信念 | 究極の目標
  •  職業的嗜好 | 望ましい職業
  •  嫌悪 | 嫌いなこと
  •  好ましい相手 | 望ましい友人

 

たとえばおれの「認知欲求」の場合「職業的嗜好」と「嫌悪」がフルスコア(満点)となっています。これが意味するのは以下です。

認知欲求

  • 職業的嗜好 | 認知欲求が満たされることが、仕事においてものすごく重要
  • 嫌悪 | 認知欲求を満たしてくれない仕事は嫌い。意義を見出しづらい

 

同様に見ていきましょう。

「快楽志向」の「ライフスタイル」と「職業的嗜好」と「嫌悪」と「好ましい相手」がフルスコア(満点)となっています。これが意味するのは以下です。

快楽志向

  • ライフスタイル | 死ぬまで快楽を求め続けて生きようと考えている
  • 職業的嗜好 | 楽しさをたくさん感じられる仕事が好き
  • 嫌悪 | 「仕事とは辛いもの」という考え方が嫌い 堅苦しく、形式的で、リラックスしながら行う仕事を重視しない職場/状況や人が嫌い
  • 好ましい相手 | 楽しんで仕事をしている人、しようとしている人と付き合いたい

 

「友好性」の「嫌悪」がフルスコア(満点)に、「職業的嗜好」と「好ましい相手」がミニマムスコアとなっています。これが意味するのは以下です。

友好性

  • 職業的嗜好 | ニコニコと常に愛嬌を振りまかなきゃいけない仕事は大嫌い
  • 嫌悪 | 心にもないくせに友だちぶって仲良いふりするのが大嫌い 堅苦しく、形式的で、リラックスしながら行う仕事を重視しない職場/状況や人が嫌い
  • 好ましい相手 | 愛想の良さを求めてくる人とは付き合いたくない

 

「安全欲求」の「ライフスタイル」がゼロ(!)に、「信念」と「好ましい相手」がミニマムスコアとなっています。これが意味するのは以下です。

安全欲求

  • ライフスタイル | 安全を求める生き方をする気がゼロです(いや、少しはあるってば! 本当だよ!)
  • 信念 | リスクを取る人生こそが正しいなんて思ってないから。ただおれがそれをできないに過ぎないから。
  • 好ましい相手 | 自分はリスク志向のくせに、友だちには慎重さを求めてしまうおれです

 

「営利志向」の「ライフスタイル」と「信念」と「嫌悪」と「好ましい相手」がミニマムスコアとなっています。これが意味するのは以下です。

営利志向

  • ライフスタイル | お金儲けを一生懸命やって金持ちになる人生…まあいつか別の機会でもあれば
  • 信念 | お金では絶対に動かない人でありたい(と思ってるけど、動いちゃうんじゃないか? と疑ってもいる)
  • 嫌悪 | お金のことばかり考えている人が嫌いです。あ、でも金払いの良い人は好きです
  • 好ましい相手 | 自分は金に無頓着なくせに、友だちには慎重さを求めてしまうおれです

 

「審美性」の「ライフスタイル」と「職業的嗜好」と「好ましい相手」がフルスコア(満点)となっています。これが意味するのは以下です。

審美性

  • ライフスタイル | 美しいものを通じて自己表現をすることこそがおれにとっての「生」なのです
  • 職業的嗜好 | 創造性を発揮して美しいものを作る仕事が大好
  • 好ましい相手 | 美を大切にする人と付き合いたい

 

サブスケールについては理解が難しいところもあり、おれも正しく受け止めることができているのか、ちょっと自信がないところも…。

あれ? ってところを見つけたホーガン・コーチの方はご連絡ください! (あれ? ってところを見つけたホーガン・コーチが連絡をくれたので、一部修正しました。)

 

 エグゼクティブサマリーからいくつか

最後に、レポートの「エグゼクティブサマリー」からいくつか抜き出してみます。

パチさんのMVPIスコアから見られる傾向は、次のとおりです。

  • 注目を集めるのが好きで、知名度が上がったり世間から支持を得たりするような仕事や環境にいる時が最も幸せである。
  • 世間一般に言われる意味での成功のために競争することには比較的関心がない。
  • 面白さ、交遊、楽しい時間を過ごしたいという願望が強力なモチベーションになっている。
  • 他者を助ける機会を重んじる。奉仕の精神を持った役割や組織で働くことに最も心地良さを感じる。
  • 他者と密接に協働すること、またはチームの一員になることに関心がない。
  • 組織的な階層を好まず、柔軟性があり堅苦しくない組織にうまく適合する。
  • リスクや不確実性、曖昧さがあっても動じない。
  • 目的達成のための手段としてのみ、金銭を考えている。
  • 創造性に富む自己表現に価値を置く。実験やイノベーションを奨励する仕事をすることに最も心地良さを感じる。
  • 研究や科学的探求には関心がないと思われる。

 

自分の価値観を認識することは意思決定の質を高めることであり、その価値観に合う組織や文化に身を置くことは、幸福感を強く高めてくれるものです。

組織リーダーの方で、自組織でアセスメントを受けてみたいとお考えの方、あるいは検討する上でもう少し詳細を知りたいという方がいらっしゃったら、おれが万全の信頼を置いている仲間を紹介するのでお声かけください。

 

Happy Collaboration!