スコットランド到着後の1週間ですっかり弱ってしまったおれ。でもその理由がわかれば、あとはやるべきことをやるだけです。
・ 必要以上に自信をなくさない。
・ そのためにも自分で物事を決定していく。
・ 自分が決めたことを楽しみながらやっていく。
おれに一時的に不足していた自己有用感と自己効力感、そして自己肯定感を取り戻すために、この3つを意識して着々と行っていきました。
…と書くと、なにか特別なことを始めたのかと思われてしまうかもしれないけれど、実際に行ったことはシンプルな次の4つ。でも、こんなシンプルなことでも、意識して行なうことでかなり大きな違いをもたらしてくれました。
- (雨が降っていない日は)長めのウォーキングをする
- (短くてもいいから)知らない人とも積極的に会話する
- (簡単そうな)料理に挑戦する
- 「弱った自分」を包み隠さず積極的に開示する
ところで、突然ですが皆さんは「エフェクチュエーション」という言葉をご存知ですか?
元々の英単語Effectuationは「達成」や「実行」を意味する英語の名詞。でも日本では数年前から、「優れた起業家の思考プロセスや行動特性。それを体系化した意思決定理論」という、ビジネス用語としてよく知られるようになりました。
でもこのエフェクチュエーションという行動特性、おれにはビジネスにかかわらず、主体的になにかに取り組みたい人にとっては常に役立つものに映ります。そして今回の自分の心境の建て直しも、エフェクチュエーションなアプローチだったのかな、と思うのです。
エフェクチュエーションの特徴である5つの特性を簡単に紹介します(詳しく知りたい人は、ぜひ「エフェクチュエーション」で検索してみてください)。
・「手中の鳥」(Bird in Hand)の原則
今、確実に手中にあるもの(アイデンティティ・知識ベース・社会的ネットワーク)から組み立てる
・「許容可能な損失」(Affordable Loss)の原則
失敗したとしても致命傷にならない、自分にとって許容範囲のリスクをあらかじめ設定して挑戦する
・「クレイジーキルト」(Crazy-Quilt)の原則
関係し得るあらゆる人や組織を「一緒になにを共創することができるだろう?」という視点で捉え、積極的に関わる
・「レモネード」(Lemonade)の原則
予期せぬ事態は絶対に起きることと考え、起きたときにはそれすらもテコとして前向きに活用しようとする
・「飛行機の中のパイロット」(Pilot-in-the-plane)の原則
どのような状況でも常に「コントロール可能なものはなにか」に焦点を合わせ、臨機応変に望ましい未来へと近づこうとする
エディンバラで暮らしていた間、特に自分にとって役立つと感じていたのは、「レモネード」と「飛行機の中のパイロット」でした。
「今、この精神的に弱っている状態のときじゃないと味わえないものを味わおう」という「レモネード」の原則から、自分がここ何年も経験していなかった精神状態に向き合い、それを未来に役立てることにしました。
そして「飛行機の中のパイロット」の原則から、自分の意思だけで続けられるものを見つけて選び、未来の自分にとって役立つ学びや経験を手に入れることに集中しました。
皆さんも、「今、厳しい状況にいるな」と感じたときこそ、ぜひこのエフェクチュエーションを意識してみてはいかがでしょうか。
(とはいえ、いきなりこの行動特性を導入するのもそれほど易しいものでもないので、普段から少しずつ取り入れていくことをオススメします。)