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パチの「ディレイラー」分析 | ホーガンアセスメント

 

Hogan Assessments(ホーガンアセスメント)とは

価値観や強み・弱み、プレッシャー下における行動傾向などを測定・診断する「働く成人向け」のツールです。

56ヵ国49の言語でタレントマネジメントに活用されており、3種のレポート*を組み合わせた多角的な分析を適切に用いることで、深い気づきと内省を促進し、正確な自己認識に基づく行動変容を促すものとなっています。

 

このアセスメントの大きな特徴の1つが「ディレイラー(derailer: 脱線・脱落させるもの。変速器)」と呼ばれる、ストレスやプレッシャー下において、どんな要素が自分をネガティブ行動へと誘引しがちなのかが、あるいはどんな問題を起こしかねないのかが見えることです。

これによって、新しい環境や役割でのリスク要因を予測することができます。

 

*3種のレポート

  1. ドライバー | パーソナルな価値観・関心事・やる気の素を表す
    MVPI(インサイド) | 満足感をもたらし、キャリアを伸ばすことができる目標や興味、関心事などコアとなる価値観。
  2. レピュテーション | 普段の行動傾向・強み・弱みを表す
    HPI(ブライトサイド) | 日常生活の中で通常の状態にあるとき、どのような行動スタイルをとるか
  3. ディレイラー | プレッシャー下の行動傾向・阻害要因を表す
    HDS(ダークサイド) | ストレスやプレッシャーを受けている状態で、どのような行動傾向をとるか

     

と、唐突に説明しましが、先日機会を頂戴して、ホーガンアセスメントを受けさせてもらいました。

そして昨日、もう一人の気心のしれた友人と一緒に、コーチからのフィードバックを受けてきました。

 

おれはここ数年でかなり「自己認知」が進んでいて、以前のように大ショックを受けることはなかったのですが、それでもかなりの発見がありました(はたして何回「なるほど!」「…なんと…」と言ったことだろう?)。

参考: 

 

前置きがすっかり長くなりました。

それでは、パチの分析結果から、ホーガンアセスメントの特徴でもある「ディレイラー(行動傾向・阻害要因)」の結果を見ていきましょう。

まずは項目の一覧を。次に個々の項目を見ていきます。

 

ディレイラー項目一覧

 

ホーガンアセスメントは「パーセンタイル・スコア」で表示されます。読み方は、ある項目のスコアが80の場合、対象者全体の約80%より高いということを示しています。そしてその数値が示すのは「リスク」です。

そして上の項目一覧を見ていただくとわかるように、高リスクなのは高いスコアのものだけではなく、低過ぎるスコアも注意を払う必要があるとのことです。

つまり、数値が0か100に近いほどその人の「特性の強さ(極端さ)」を表しているということですね。

 

八木橋パチのディレイラー(ダークサイド)分析結果

  • 91 想像を好む | 創造的で、普通ではないユニークな発想や行動をする。
  • 90 無謀な | 愛嬌がある。リスクを冒す。限界に挑む。刺激を追い求める。
  • 89 多彩な | ドラマチック。注目を欲しがる。他者の話をさえぎり、じっくり聞かない。
  • 84 打ち解けない | 離れて関わらない。他者の感情に無関心。無口。
  • 83 悠長な | 過度に協力的であるが、個人としては怒りっぽく、頑固で、非協力的。
  • 69 用心深い | 自分の意見をはっきり言わない。変化を嫌う。リスクを回避したがる。すぐに意思決定できない。
  • 55 興奮しやすい | 感情的になる。よくイライラする。気むずかしい。気分屋。
  • 21 傲慢な | 自分の才能を過大評価する。横柄な態度を取る。自尊心が非常に高い。
  • 14 懐疑的 | 他者の意図を疑う。皮肉っぽい。批判に敏感に反応する。ネガティブな傾向が強い。
  • 10 忠実な | 相手に喜ばれるように熱心に振る舞う。自分から進んで行動したがらない。相手に合わせようとする。
  • 4   勤勉な | 細部にこだわり、几帳面。気むずかしい。自分や他者に対し高い業績基準を設ける。

 

顕著なディレイラーの詳細

先ほど書いたように、数値は対象者全体における位置を示しているので、50に近い数値のものは「働く成人の平均的な要素」、つまり「おれの一般的なところ」と言って良いでしょう。

そこを見てもあまりおもしろく…というか、興味深くないかな? ということで、両極の数値それぞれ3つを細かく見ていきましょう。

 

91 想像を好む

「想像を好む」のスケールは、革新的、創造的、時にエキセントリックで、自己陶酔型に見える傾向を示しています。

想像を好むのスコアが示している傾向

  • 物事をより良く行う方法について多くのアイデアを持っている
  • 複雑で抽象的なコミュニケーションをとる  
  • 自分の考えに埋没する  
  • 自分のアイデアが、他者にどのような影響を及ぼすかを認識していないように見える

ディスカッションポイント | 以下についてより掘り下げてみよう

  • 自分のアイデアを、どのように周囲に説得しますか?
  • 創造性と実用性のバランスを、どのように取りますか?
  • プロセス改善へのアプローチの仕方を説明してください。 

 

90 無謀な

「無謀な」のスケールは、快活で魅力的、冒険心に富みリスク指向が強く、限界に挑戦する傾向を示しています。

無謀なのスコアが示している傾向

  • 直情的でリスク指向が強く見える  
  • ウイットに富み魅力的、人を操ることもある  
  • 時に、過剰な約束をして約束を果たせない  
  • 自分の間違いは常に許してもらえると考えている  
  • 不都合な場合は、方針や手順を無視する

ディスカッションポイント | 以下についてより掘り下げてみよう

  • 規則や規制について、どのような見解を持っていますか?
  • 黙っていればやらないかもしれないことを、どうやって他者にやるよう説得しますか?
  • 自分が犯した間違いは、どのように対処しますか?

 

89 多彩な

「多彩な」のスケールは、社交的で面白く、人を楽しませ、注目の的となるのを楽しむように見える傾向を示しています。

多彩なのスコアが示している傾向

  • 生き生きと、人を楽しませるように見える  
  • 自分が魅力的であると他者から思われていると信じている  
  • 騒がしく迷惑をかける  
  • 人の話を聞く以上に、自分が話す  
  • 人の注意を引く機会を探している

ディスカッションポイント | 以下についてより掘り下げてみよう

  • 他者から注目されることに、どのように対応しますか?
  • 会議で、どのくらい積極的な役割を果たしますか?
  • 職場で大げさに振る舞う人に、どのように対応しますか?

 

14 懐疑的

懐疑的のスケールは、他者の行為における裏切りの兆候に警戒する傾向と、それを発見した時に取る行動を対象としたものです。

懐疑的スコアが示している傾向

  • 素朴すぎるように見える  
  • 人の言葉通りに受け取る  
  • 社内政治を無視する  
  • 自分で注意しないと、うまく操られてしまう  
  • フィードバックに耳を傾け受け入れる

ディスカッションポイント | 以下についてより掘り下げてみよう

  • どのようにして、社内政治とうまく合わせていきますか?  
  • 通常、同僚にどのようにフィードバックを与えるか説明してください。
  • 否定的フィードバックに対し、どのように対応しますか?


10 忠実な

忠実のスケールは、忠実で信頼のおける部下および組織人のように見える傾向を示しています。

忠実なのスコアが示している傾向

  • 権威を崇拝しない  
  • 正直だが盲目的な忠誠を尽くせないように見える  
  • 物事を自分のやり方で行う  
  • 一匹狼である 
  • 進んで上司に疑問を投げかけるように見える

ディスカッションポイント | 以下についてより掘り下げてみよう

  • 経営幹部は、どの程度、敬意を払われるべきでしょうか?
  • どのようにして、幹部のニーズと自分のチームや部下のニーズのバランスをとりますか?
  • 自分が上司に同意しないことを伝える時、どのようなアプローチをとるか説明してください。

 

4   勤勉な

「勤勉な」のスケールは、熱心に働き、細部の注意を払い、自分と他者のパフォーマンスに対して高い基準を設けるような傾向を示しています。

勤勉なスコアが示している傾向

  • 規則や手順に対し、やや甘い態度  
  • 期限に遅れる  
  • 事前に自分の仕事の計画を注意深く立てない  
  • ややずさんに見える

ディスカッションポイント | 以下についてより掘り下げてみよう

  • どの仕事やプロジェクトを他者に任せるべきかを、どのように決めますか?
  • 自分自身と他者に対して設けるパフォーマンスの基準について説明してください。
  • 期限に遅れた時にする典型的な説明は、どのようなものですか?

 

エグゼクティブサマリーからいくつか

最後に、レポートの「エグゼクティブサマリー」からいくつか抜き出してみます。

 

パチさんのHDSへの回答結果から、自分の行動を意識的に管理し気をつけていない場合には、次のような行動を示すことがあります。

  • 素朴すぎて、組織的な駆け引きに十分に気づいていない。
  • 表面上は協調的でチーム指向が高いが、一人の時はそうでもない。
  • チャーミングでリスクをいとわず、面白いが、安易に約束をし、自分の間違いをすぐに取りつくろう。
  • 活発で愉快な性格だが、人の注目を集めたがり、注意散漫。場を盛り上げようとする
  • 頭が良く革新的、創造的、エキセントリックで先見の明があるが、時に非現実的。
  • 不遜なほど自主性が強く、権威や現状に異議を唱えたがる。

 

パチ、気をつけて!

 

なお、このホーガンアセスメントですが、個々人よりも組織やチームで受け、振り返り会やコーチングの場を持つことがオススメとのことです。

個人的にも、ここ数年よく耳にする「心理的安全性」の高い組織づくりに、ワークショップなどと併せて用いたら良さそうだなと感じました。

もし、ご興味をお持ちの組織リーダーの方がいらっしゃったら、お声かけください。

参考: 

 

Happy Collaboration!