働き方のムーンショットとロングテール - Google Atmosphere Tokyo 2015レポ
先週、Googleのビジネス向けイベント「Google Atmosphere Tokyo 2015」にちょっとだけお邪魔してきました。
参加したセッションは2つで、1つ目が『【働き方】Google 流!社内 SNS 、会議のあり方から働き方の多様性まで、イノベーションを加速するためのコラボレーション術』。2つ目が『【働き方】企業情報視点からの『ワークスタイル変革』再考』です。
どちらも、「働き方」「社内SNS」「コラボレーション」「ワークスタイル変革」などなど、私の感心事であるキーワードがタイトルに溢れてます。
自分の理解を深めるためにも、当日取ったメモをベースにブログに書いてみました。
ただし、網羅的な内容紹介ではありません。あくまでも私が興味を持った部分だけですので、その点は了承の上で読んでくださいね。
【働き方】Google 流!社内 SNS 、会議のあり方から働き方の多様性まで、イノベーションを加速するためのコラボレーション術
スピーカーのGoogle for Work セールスエンジニア 橋口 剛さんは、『宇宙兄弟』的なツナギ姿で登場すると、まず最初にGoogleの企業文化を表す「Moonshot(ムーンショット)」と呼ばれている「少しずつ10%改善ではなく10倍の効果を目指せ」「x10(テンエックス)が真に大きな価値を生みだす!」という話からセッションをスタートしました。
なるほど、ツナギ姿は単に奇をてらったファッションという訳じゃないんですね。
とは言え、会場にはちょっとビミョーな空気が流れていました。(わたしもこの雰囲気ちょくちょく味わってます。慣れるとそんなにイヤなもんじゃないです。……嘘です。強がりました。)
■最近「Timeful」を買収
カレンダーのアナリティクスで、最適なタイムスロットを提案してくれるツールらしいです。下記の記事を見ると使ってみたくなりますね。
『AIがあなたの秘書になる日:未来のGoogleカレンダー「Timeful」が実現する世界』
■コラボレーションとイノベーション、モバイルと生産性の関係性を数字で
- 「コラボレーションと革新の間に81%の相関関係が認められた」(出典: Future Foundation、2010 年)
- 「モバイル環境における従業員の生産性は2.8倍」(出典: Telegraph Media Group、2009 年)
- 「協業作業の多い従業員は新たなアイデアや提案の回数が2倍以上となる」(出典不明)
https://www.google.com/apps/intl/ja/tour/iframe.html
■知の生成から蓄積、再利用までの流れ
多様性をベースに多くのアイデアが発信され、それが淘汰されていくことが重要
アイデア創出→ディスカッション→コラボレーションと創作→蓄積(ストック)→見える化(探す・分析)
こうした流れをツールやプラットフォームの変化が邪魔になることなく、無駄が省かれたFast&Lightな環境としてユーザーに与えていく
■人と仕事とテクノロジー(カルチャーxビジネスxテクノロジー)
テクノロジーが仕事の進め方や人の意志決定のしかたを変えていく。それがカルチャーを変えていく。生き方や人生へのスタンスも変わる。
実例として、先月オンデマンド出版した本は、企画から販売開始までの期間が通常の20週間から2週間になった(x10)。
■リアルタイム会場アンケート
会場でバーコードをスクリーンに大写しして、会場のみんなにアンケートに答えてもらっていました。そしてすぐにアンケート結果を画面に表示して、生の声を参加者と一緒に見ていきました。
シンプルだけどリアルタイム性があって「お! このやり方いいな!」と思いました。機会があれば自分でもやってみようっと。
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【働き方】企業情報視点からの『ワークスタイル変革』再考』
先ほどの会場から六本木TOHOシネマズへ、結構な距離の移動です。会場が映画館ということで、「本会場がいっぱいで、サブ会場で中継を見るのだな」と思っていたら、違いました。映画のスクリーンがプロジェクターで、映画館のシートに座って見るセッションでした。ポップコーンが配られたらサイコーなのになー。
こちらはスピーカーがGoogleの方ではなく、プライスウォーターハウスクーパースの藤田 泰嗣さんという方でした。
キーワードと心に残ったフレーズを中心に5つ紹介します。
■ワークスタイル変革は個人から事業へ
綿々と続けられてきている「ワークスタイル変革」は、制度やテクノロジーといった「外部環境の変化」に影響を受けている。一般社会におけるモバイルの普及がBYODにつながり、SNSの普及がエンタープライズ・ソーシャルをもたらした。
そして今、ワークスタイル変革の対象は「個人」から「事業」へと移っている。もはや「個人の働きやすさの支援」という観点から「事業競争力の向上」のために必要不可欠なものになってきている。
■個別施策から有機的な組み合わせによるロングテールへ
個別のワークスタイル変革施策で結果がでたのは過去の話で、複雑なビジネス環境の今、新しい制度や最新テクノロジーをそれぞれ個別に持ってきたところで効かない。
IT施策、制度施策、設備試作、カルチャー試作を有機的に組み合わせることで、ロングテールでメリットが享受できるものとなった。
■ワークスタイル変革は企画や予算が通りにくい。分かりやすいキーワードで!
「食時コントロール」 - 社内のさまざまな「時間を食っている事柄」をダイエット。効率よく時間を短くすることで、事業競争力向上に寄与する施策をさまざまな視点から見つけ、組み合わせていく。
ポイントは「小さな成功の継続」「多くの部門を巻き込む」「目的、目標を見失わない」こと。
■Knowledge Managementの発信と受信の高い壁
- 発信の壁: 情報としての価値を認識 | 表現する力 | 共有する意志 | 発信の容易性
- 受信の壁: そもそもの探す気 | 発見スキル
■10代、20代のメール離れ(平日の場合)
10代: 2013年 - 36.3%、2014年 - 30.7%
20代: 2013年 - 64.1%、2014年 - 49.8%
(出典: 総務省情報通信政策研究所『平成26年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査』 )
どんな話がされたか、大体の雰囲気は想像できたでしょうか。
そのうち、オフィシャルなレポートやセッション資料が公開されたらリンクを貼ろうと思います。