ライフネット生命 出口治明さんの講演: ビジネスパーソンこそ、仕事で成長できる
『生きることは「世界経営計画のサブシステム」であるべきです。つまり「この世界をどのように理解し、どこを変えたいと思い、自分はどの部分を受け持つか」ということだと、僕は思います。』
--ライフネット生命保険 社長の出口治明(でぐち はるあき)さんの言葉です。皆さんはこの言葉をどう思いますか?
一風変わった書きはじめになりましたが、昨日の朝8時から、ライフネット生命の出口さんにIBMの箱崎本社にいらしていただき『ビジネスパーソンこそ、仕事で成長できる』というタイトルで約1時間の講演をしていただきました。
私自身は出口さんのお話を生で聞くのは、昨年の『小山龍介×出口治明公開対談 "ハックの壺"』以来で今回が2度目でした。
でも! それでも! やっぱり違うんです。
やっぱり生で聞き、また質疑をしていただくと、出口さんの持つ顕著な4つのパワー「ビジョン/説得力/統率力/共感力」に改めて感服せざるを得ませんでした。
ほんとにメッセージの持つコアな「問いかけ」と、アクションへの「呼びかけ」が時にスッと、時にグワッと入ってくるんです。
以下、今日の話の中で特に心に残った言葉と考えを書きます。
なお言葉は私のメモと記憶便りなので、実際に出口さんが言われた言葉とは異なっていると思われますがご容赦ください。
■ 学ぶということについて
- 人が個人で学べる時間も量もたかが知れている。他人の経験(本や歴史)から学ぶ。
- 人は見たいものだけを見たいように変換して見てしまう。ありのままに見るように意識する。
- 先人(前任者)から教わったことをやるだけでは、生産性も競争力も上がらない。それをもっとよくするためにどうすれば良いか、何ができるかを考えるのが学びであり仕事。
■ リーダーシップについて
- 長年の高等教育を受けてから社会にやってきた人たちの「長所を伸ばす」なんて、そんな難しくも大それたことを本当に企業内の管理者や人事ができるのか? 現実としてできることは「短所を削る」ことくらいだろう。
- 人はそれぞれとがったところを持つバラバラの形をした存在。それを組み合わせて強い石垣、城を作るには、マネージャーが小さくなり隙間を埋めていくことが必要だ。
- 「ほう・れん・そう(報告連絡相談)」なんて、それでなくてもうっとうしい上司にわざわざする部下は少ない。それなら、上司がすすんで部下に「ほうれんそう」すればいいのではないか。
■ その他、ランダムに
- 人間が作るものはすべて人間に似ている
- 同じ大学の同じゼミで学んできた3人のグループと、そのゼミの一人と大学を中退してバックパッカーをやっていた人と毎晩いろんな人と酒を酌み 交わして意見交換している3人のグループ。どちらがより新しいものや創造的なものが出てくる可能性が高そうか。3人の頭にある知識の多様性に目をやれば考えるまでもない。
- 「世界経営計画のサブシステム」において、大きな会社の社長や会長だって変えられる部分はわずかだ。その意味においては誰しも同じだ。
- 数字やファクトで考えなければ実験しても効果検証ができない。企業経営をそれでやったら、趣味で経営をしているのと同じだと言われてもしょうがない。
- 暇があればGoogleで世界の官庁が発行しているデータを「読む」。数字・ファクトで考える癖をつける。
- 日本の領土面積は約38万km2で世界第60位だが、海洋、排他的経済水域面積を加えてみれば世界6位の大国。ロンドンオリンピックのメダル数だって、人口当たりの数で見ればメダル数No.1のアメリカと大差ない。
- メディアや権威の発信する情報をただ鵜呑みにするのではなく、自分の頭で考える。
出口さんって、おそらく年に100回以上は講演され、参加者の方たちと交流されていると思うんです。
そんな中の1人に過ぎない私を覚えているって、いったいどれだけでっかいメモリーを頭に積んでるんでしょう?!
わかってはいましたが、改めてすごい人です!
最後に。学びをもう一つ。
「人は、学び続け、自分がチェンジを起こせそうな場所を見つけ、その場所を受け持って前に歩んで行くことが大切。」