デザイン思考と戦略的未来洞察 | フューチャーズ・デザイン with Bespoke
これが僕たちBespokeが何年もの経験を通じて作り出し、使用しているフレームワークです。
4つのフェーズから成りたっています。プロジェクトによってはその組み合わせを変更することもあります。
最初のフェーズはシチュエート(Situate)。自分たちの立ち位置を把握します。
次がサーチ(Search)です。探索に出てトレンドやデータというシグナルを集めます。
続いてセンス(Sense)。このフェーズでは集めたシグナルの集合体から意味を感知します。
次にスケール(Scale)です。新しいアイデアからシナリオを作成し、新しい未来へと進みます。
フューチャーズデザインで意識すべきなのは、以下の2つの領域を組み合わせ、両者のアプローチを同時に実行することです。
デザイン思考は拡散的思考と収束的思考を活用した人間中心アプローチであり、共感を用いて問題解決をしていきます。
「拡散」で探索の方向性を見つけ出し、「収束」で結論へと進んでいきます。
デザイン・シンキングの伝統的なアプローチは、「観察」に始まり「インサイトマップ」を作り、「アイデア」を集めて「コンセプト作り」をし、プロトタイプを作って終わります(「アイデア」>>「コンセプト」>>「プロダクト」)。
戦略的未来洞察は、もっと方法論的な進め方をします。
シグナルを探して特定し、それを解釈します。それにより状況認識に変化をもたらし、周囲で起きていることを観察して評価し、自分たちに与える影響を分析します。「フューチャー思考」と呼ばれることもあり、実践的で直接的です。
フューチャー思考は「トレンドやシグナル」からスタートして、予見から「シナリオ」を作り、可能性のある未来を生みだします。そして多くの場合、未来はそれ1つではなく多数の未来の集合体です。
戦略的未来洞察は決して新しいものではなく、何世紀にもわたり用いられ発展してきたものです。
とりわけ用いられ続けてきたのが軍事における戦略で、王国や政権が自国や地域の体制維持を計るためのものでした。隣国や敵から領土や王国を守るために用いられてきたのです。
それが進化していき、20世紀には競争上の優位性を得るため、あるいはそれを保持するためのものとして、あるいはまた不確実性を管理するために用いられるようになりました。
現在は、より多くの企業が企業デザインに戦略的未来洞察を取り込み、複雑性と変化を理解して活用し、新たなビジネス成長の機会としています。
つまり、戦略的未来洞察をより積極的に自分たちの強みや資産を活かすものとして、創造的思考のメソッドとし、イノベーションを起こす源として用いています。未来を探索し、より良い製品開発へとつなげています。
今、フューチャー思考は21世紀のコア能力として注目されています。勢いは増し続けていて、世界中で多くの組織体が導入を進めています。
一例として、ユネスコ(United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization: 国際連合教育科学文化機関)は、組織全体の「未来を語るためのリテラシー(フューチャー・リテラシー)」としています。経済協力開発機構 (OECD)もフューチャーリテラシーを用いて、新ポリシーとプロセスの開発策定を行いました。
このように、フューチャー思考は今、「誰もがある一定のレベルで用いることができるようになるべき」と考えられるようになっており、幅広い分野で注目を集めるともに導入が進んでいます。