Collaboration Energizer | #混ぜなきゃ危険 | 八木橋パチ

コラボレーション・エナジャイザーとは、コラボレーションの場を作り、場のエネルギーを高め、何かが生みだされることを支援する人

ソーシャルクリエイターとソーシャルビジネス

先週、「社会課題に気づき解決するための思考力を養い、ポジティブな危機意識を持って行動するソーシャルクリエイターを、2030年までに100万人くらいに増やしたい」とブログに書きました。

参考: CCDLab.エナジャイザーになりました

 

ここ数カ月、幾度か「ソーシャルクリエイターとは?」と考えてきました。

「ソーシャルってなんだろう? ソーシャルは『状態』なのか『マインド』なのか? …なにがソーシャルでなにがソーシャルではないのか?」とか、「クリエイターだからクリエイションするんだよね? …デザインやエンジニアリングとは何が違うんだろうか?」とか、そんなことをつらつらと考えきました。

でも先週ブログに書いたあと、「じゃあ誰がソーシャルクリエイターで、誰がソーシャルクリエイターじゃないのか? 自分がそれを名乗るとき、どこに違和感を感じるのか? おふくろに『それなあに?』って聞かれたら、なんて答えるのか?」と、より具体的に、その姿を自分の中でビビッドにしていこうとしていました。

 

これまで書いてきた問いに、自分の中でしっくりくる答えが固まってきた一昨日、愛する旧中川沿いを散歩している途中にふっと思い出しました。そういえば5年くらい前、「ソーシャル・ビジネス憲章 (アルファ版)」を作ったなぁと。

あの時も、はっきりとしないもやもやを一度言語化することで、実践につなげて行こうとしていました。作成後しばらくは機会を見つけては人びとに伝え、実践を呼びかけていたけれど、ここ何年かはすっかりその存在を忘れていました…。

 

家に帰り、さっそく昔のブログを見てみました。

「ソーシャル・ビジネスとは」という書き出しで、その定義を5つの宣言にしていました。 そして「ソーシャル・ビジネスの実践とは」という書き出しで、その在り方を4つの説明文にしていました。

参考: ソーシャル・ビジネス憲章 (アルファ版)

 

f:id:dubbed_pachi:20210507100227j:plain どれも、今読んでも、自分なりに納得のいくものでした。

当時の「オンライン・ソーシャルツール推進者」という当時の自分の役割を強く意識したものではあるけれど、そこには地続きにより良い社会へとつながる道があると確信して書いたし、今もそれに関して揺らぐ点はまったくありません。

定義と在り方の中から、それぞれ1つづつ選んでみました。

 

・ ソーシャル・ビジネスとは、対話、発信、共有、共感、摩擦などのコミュニケーションやコラボレーションから、自身が周囲や組織と共に成長していくプロセスである。

・ ソーシャル・ビジネスの実践とは、多様性を発揮する個人をイノベーションのエンジンとし、コラボレーションでその価値とインパクトを最大化し、世界をより良くしていくことである。

 

一単語だけ入れ替えてみました。

・ ソーシャルクリエイションとは、対話、発信、共有、共感、摩擦などのコミュニケーションやコラボレーションから、自身が周囲や組織と共に成長していくプロセスである。

・ ソーシャルクリエイションの実践とは、多様性を発揮する個人をイノベーションのエンジンとし、コラボレーションでその価値とインパクトを最大化し、世界をより良くしていくことである。

 

どうやら、おれにとっての「ソーシャルクリエイターとは?」という問いへの答えは、5年前からほぼ変わっていないようです。


 

2年前にBespokeの『Book of futures』を読み、「日本語にしてみんなにも伝えたい!」と思って最初に日本語に訳したのが、たしかこの[Actualize the future] = 「未来を顕在化する」というページでした。

未来をデザインするとは、行動可能領域を拡大することです。自分たちと自組織が取り得る新しい戦略を築くことであり、現状変化に向けて一石を投じることです。 フューチャーデザイナーとは、変化の担い手なのです。

未来の可能性を未来の現実にするとは、リーダーシップの発揮であり、自らと周囲に影響を与えて行動を起こさせることを意味します。 人びとがどのようにシナリオを体験し、どのようにそれを受け止めたかが、彼らの関与を決定付けます。

フューチャーデザイナーは、刺激を受けるべき対象グループが確実に刺激を受けるよう、そして情報を理解すべき対象グループが確実に情報を理解できるよう、シナリオのコミュニケーション方法を調整しなくてはなりません。

参考: 未来を顕在化する– ブック・オブ・フューチャーズ (Bespokeの『Book of Futures』日本語訳)

 

フューチャーデザイナーは、変化に向けて一石を投じる人であって、自らと周囲に影響を与え行動を起こさせる人です。そして未来からのシナリオを、人びとの行動そして社会がより良い方へと進むように、コミュニケーションを調整し続ける人です。

10年以上前、難しいことはあまり考えずに「コラボレーション・エナジャイザー」を自分で名乗りました。

そしてフューチャーデザイナーの自分なりの形がそれになっていったように、自分なりのソーシャルクリエイターが形作られていくのかなという気がしています。

 

みんなと一緒に作りたい未来につながりそうな一石をじゃんじゃん投じて、波紋に波紋をぶつけて遠くまで拡げていきたいです。

それがきっと、担い手を増やしてエネルギーを増幅させていくことになると思うから。それがおれなりのクリエイションじゃないかなって感じています。

Happy Collaboration!