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持続的幸福の入手およびお手入れ方法 - 『幸せがずっと続く12の行動習慣』読書メモ

 

1 「幸福という感情は伝染する」

2 「幸福とは自分自身のなかにある」

3 「幸福は自分で育てて強められる」

ここ10年ほどで、この3つは科学的な根拠を持つ事実としてかなり広く知られるようになったと私は思っているのですが、実際のところどうなんでしょうか。

「何それ聞いたことない」とか「びっくり科学でしょ?」って人もまだ結構いるのかな?検証や研究を発表し、わかりやすく解説する本が多数出版されているので、興味をお持ちの方はぜひ読んでみてほしいのですが、私なりの言葉で解説すると以下のようになります。

 

1 「幸福という感情は伝染する」

感情の多くは、物理的に近い距離にいる人にほど伝染しやすい。心理的な近さも同様。 そして不幸の感情よりも幸福の感情の方が伝染力が強いことが統計的に証明されている。

2 「幸福とは自分自身のなかにある」

幸福は「心の状態」であり、自分自身や周囲との関係性、世界や未来をどのように捉えどのように感じるかにより決まるもの。

3 「幸福は自分で育てて強められる」

人の幸福度を決定する要因は、50%が遺伝で10%が環境、残りの40%はその人の行動や考え方。 どんな遺伝子を持っていてどんな境遇にある人でも、その40%を活用すれば幸福になれる。

 

どうでしょうか。特に3の遺伝子や環境の話って、知られていないような気がします。

なお、この遺伝子や環境が与える効果の調査方法はなかなか興味深く、生まれてすぐ引き離されて異なる環境で育てられた一卵生双生児(遺伝子がまったく同じ)や、まったく同じ環境で育てられた二卵性双生児(遺伝子の半分が同じ)などの長期研究などを通じて明らかにされています。

(詳しく知りたい人には『双子の遺伝子』という本がおすすめです。)

 

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「自分のしあわせ」にこだわって過ごしている私にとって、この3つはとても重要です。

なぜなら、私の人生の目標は「幸せに過ごす」ことだから。

それを実現するには1の伝染力を最大限に用いて「幸せな人に囲まれている」状態を作りたいし、そのために2と3のことを多くの人に知ってもらって、今現在の私の近く(物理的にも心理的にも)にいる周囲の人たちに幸せになってもらう必要があるし、未来のいつかに私の近くにいる人たちにも幸せになってもらっておく必要があるから。「周りを幸せにすることで私も幸せになる」という算段です。

 

www.njg.co.jp

そんなわけで、今回は「自分自身のなかにある幸福」を上手に見つけて、それを「自分で育てて強める」方法を紹介しているいくつかの本の中から、世界的なベストセラーでありクラシックとなっている一冊『幸せがずっと続く12の行動習慣 自分で変えられる40%に集中しよう』を紹介します。

まずは、その中で特に「ピンときた」一節を。

 

多くの人は幸福へ通じる唯一の秘密の小道を辛抱強く探し続けます。しかし実際には、みんながより幸福になるような魔法の方法などありません。人それぞれで、ニーズや関心、価値観、性向は異なるので、その人によって力を注ぐ方法、効果が期待できる方法も異なります(…)方法や行動が「感情面で自分にマッチするかどうか」はとても大切なことです。もし、もっと幸せになるための秘訣のようなものがあるとしたら、それは幸せになるためのどの方法や行動が自分に最適かを突き止めることでしょう。

 

私がこの本をとても好きな理由の1つが、「万人に当てはまる幸せになるための方法はない」と断言しているところです。

そして、「自分に合う方法を見つけてもマンネリ化や義務感を感じるようになったら意味がない」ことと、「自分の幸せなんだから自分の好きなようにどんどんアレンジしていけば良い」ということを強調していることです。

 

より具体的な方法としていくつかの行動習慣を身につけることを勧めているのですが、その方法も大別して12種類。その中でさらにいろいろと違う方法が紹介されています。

著者は「まずは4つ選んでやってみれば?」と、選ぶ方法を本の中で紹介しています。ただ、私はもっと直感的にピンとくるものを選べばいいんじゃないかなという気がしました。多分、直感的に「これだ!」だったり「これはないわ…」ってものも少なくないと思うので。

 

■ 大別された12種類の中からいくつか

・ 感謝の気持ちを表す

感謝とは、物事を大切に味わい、それを当たり前だとは思わず、現在に価値をおくものです。また、ネガティブな感情の解毒剤であり、ねたみや強欲、敵意、不安、いらだちを中和させるもの

・ 楽観的になる

楽観的になるとは、世界をどう見るかという姿勢を選ぶことです。ネガティブなものを否定し、好ましくない情報をすべて避けるという意味ではありません。

・ 考えすぎない、他人と比較しない

くよくよ悩むことや社会的比較に負けそうになったら、こんなふうに自問自答してください。「1年後にも、これは重要なことだろうか?」と(…)問題が本当に深刻なもので、1年後にも重要だろうと判断した場合、「この経験から、どんなことを学べるか」を考えてみてください。

・ 親切にする

人を助けたり、価値のある理念のためにボランテイアをすると、あなたの能力や資質、専門知識が誰かの役に立っていることが強調され、自分の人生をコントロールできている感覚が生まれます

・ 人間関係を育てる

重要なのは「よいニュース」に反応すること(…)どれほど小さなことでも、友人や愛する人がよい知らせをもってきたら、「積極的で、建設的な反応」、つまり興味や熱意を込めて反応してみてください。

・ 人を許す

許しとは、あなたが自分のために行うものであって、あなたを傷つけた人のために行うものではない(…)許しを与えれば、人は前に進んでいけるのです。

・ 熱中できる活動を増やす

あなたが注目し、関心を向けるものこそが、あなたの経験(…)自分が関心を向けられるものは限られているので、どんなものに、どのように注意を払うかを選ぶことが大切です。

・ 身体を大切にする -- 瞑想と運動

瞑想を実践した人々は対照グループと比べると、右の前頭前葉よりも左の前頭前葉の活動に増加がみられました(…)定期的に瞑想を行うことで、より幸福になり、不安や落ち込むことが少なくなる

 

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最後に、この本の中で紹介されている「幸福度スケール」と学生や若者の幸福感の低さについて。

4つの質問への回答から自身の幸福度を測るのが「幸福度スケール」なのですが、仕事をしている成人や仕事を引退した人たちの平均点が5.6点なのに対して、大学生の平均点は5点を少し下回るそうです。

高校生や中学生についての記載はなかったものの、想像するに、おそらくは大学生と同様で、成人よりも低いのではないか、という気がします。

 

だから、今、なんだか辛かったりしんどかったりする学生や、まだ働き始めて数年の方たちは、心配しすぎないようにしてください。

周囲と自分を比べて意味なく落ち込んだり、置かれた環境の中で自分を活かす方法を見つけられずに無力感に襲われたり、なんとかしなければと焦りばかりが募ったり…。きっとそんなこともあるだろうと思います。

でも、そんな状況を1個ずつやっつけたりやり過ごしたりしていくという「状況に対する受動的な行動」と、上に書いたような「幸福感を自分で能動的に育て強める行動」を重ねていくうちに、今よりも幸福感を楽しみながら過ごせるようになります。だから心配しすぎないで。


 

幸福になろうと思わなかったりなろうとしなくても、なれる人もいます。(「おめでとう!」)

でも、なろうとすることでなれる人もたくさんいるのです。(そんな人にも「おめでとう!」)

Happy Collaboration!