2016年の6カテゴリー3冊
あけましておめでとうございます。2017年もよろしくお願いします。
ここ何年か、毎年1年間の読書を振り返るブログ記事を書いていました。が…年明けちゃいましたね。でもやっぱり2016年読んだ(「出版された」ではありません)本を振り返ってみようと思います。
昨年読んだ本は85冊でした。例年並みですね。
「あれが入ってないじゃん?」って思われる方がいらっしゃると思います。えーっと、多分その本、今、ちょうど読んでいるところです。
ただツラツラと並べても芸がないので、6つのジャンルに分けて(ちょっとムリクリなところもあると思いますが)それぞれ3冊ずつ選んでみました。
■ アカデミックな世界から社会の仕組みを疑う3冊
『「サル化」する人間社会』山極寿一
『多数決を疑う』坂井豊貴
『サイロ・エフェクト: 高度専門化社会の罠』ジリアン・テット
すぐそこにずっと昔から存在しているのに、私たちのほとんどが気付いていない世界とその仕組みを教えてくれる学者たちが書いた3冊です。
どれも読みやすくて(一部、数字と数式のところはスルーさせてもらいましたが)、自分たちが常識だと思っていることや疑問の余地なく刷り込まれてきた事柄に、違う光を投げかけてくれました。
■ 社会と事業の関係を見直す3冊
『レジリエント・カンパニー - なぜあの企業は時代を超えて勝ち残ったのか』ピーター・D. ピーダーセン
『ビッグ・ピボット - なぜ巨大グローバル企業が〈大転換〉するのか』アンドリュー・S・ウィンストン
『ソーシャル物理学: 「良いアイデアはいかに広がるか」の新しい科学』アレックス・ペントランド
「地球と社会と事業の共存」や「持続可能な資本主義」に対して、「とは言え…」というため息まじりの言葉を飲み込んできた方にオススメの3冊です。
取り上げられている事例は日本企業のものではありませんが、だからといって日本でもできないわけじゃないし、むしろ一気に広げる爆発力を持っているのが日本企業の特色かもしれません。
『レジリエント・カンパニー』と『ビッグ・ピボット』は、下記のブログ記事でも紹介しています。
「レジリエント・カンパニー」と人を動かす指標
『ビッグ・ピボット』読書メモ: どちらが●でどちらが■なのか。
■ 日本の社会課題を理解する3冊
『下り坂をそろそろと下る』平田オリザ
『性風俗のいびつな現場』坂爪真吾
『幸せのメカニズム - 実践・幸福学入門』前野隆司
自分の日常からちょっと踏み出すだけで、そこかしこに自分の知らない世界はあるし、異文化が拡がっている。--当然なのかもしれないけど、意識していないとフッと頭から消えてしまうことでもあると思います。
そして、そうした異文化にこそ、イノベーションへの大きなヒントが隠されているんじゃないでしょうか。
『下り坂をそろそろと下る』と『幸せのメカニズム』は、下記のブログ記事でも紹介しています。
『下り坂をそろそろと下る』を読みました – 嫌韓と新幹線と標準
読書メモ『幸せのメカニズム–実践・幸福学入門』とトイレからの告白
■ 日本の事業課題を深掘りする3冊
『女性が管理職になったら読む本 ―「キャリア」と「自分らしさ」を両立させる方法』ギンカ・トーゲル
『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』ロッシェル・カップ
『会社の中はジレンマだらけ: 現場マネジャー「決断」のトレーニング』中原淳、本間浩輔
私は女性ではありませんし、親会社がアメリカ企業の社員ですし、マネジャーではありません。でも、これらの本はそんなこととはまったく関係なく、私がうまく言語化できずにいたことを見事に整理してくれていました。
リーダーシップを発揮して、動かされるのではなく動いていきたい人にオススメの3冊です。
『女性が管理職になったら読む本』と『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』は、下記のブログ記事でも紹介しています。
『 本物のリーダーシップとマインドセット(『女性が管理職になったら読む本』読書メモ))
『日本(人)の労働生産性(2) – 個人の生産性と企業の売上高』
■ 驚きのノンフィクション3冊
『謝るなら、いつでもおいで』川名壮志
『電通とFIFA サッカーに群がる男たち』田崎健太
『日本人ビジネスマン、アフリカで蚊帳を売る: なぜ、日本企業の防虫蚊帳がケニアでトップシェアをとれたのか?』浅枝敏行
どれもまったく異なるタイプのノンフィクションです。
犯罪被害者家族の心理をとても丁寧に綴った1冊目。日本サッカー界の闇と世界サッカー界の闇のつながりをじっくりと紐解いていく2冊目。3冊目はBOPビジネスを成功させた日本企業の取り組みを、ビジネス小説仕立てで描いています。
■ 胸熱フィクションドラマ3冊
『忘れられた巨人』カズオ・イシグロ
『ビオレタ』寺地はるな
『The Little Prince』アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
今年は小説読まなかったなぁ。2017年は、もっとたくさんのフィクショナルな物語に触れて、創造性を高めて行きたいです。
すばらしい本を書いてくれた方たちと、それを紹介してくれた方たちに感謝します。 そして、今年もたくさんの素敵な本との出会いと会話が楽しめますように。