Collaboration Energizer | #混ぜなきゃ危険 | 八木橋パチ

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企業内ソーシャルとCTR(新旧コントロール)

今日夕方の「IBM Connect Japan 2015」内のセッションでは時間が足りないのでこのテーマの話しはしないつもりですが、最近は「企業内ソーシャルとコントロール」についていろいろと思うことが多いです。

それというのも、あいかわらず社外のソーシャル担当者とのディスカッションの中では「どうやって社員をコントロールするか」「炎上対策として何をすれば良いか」という相談を受けることが多いからです。

数カ月前にも『エンタープライズ・ソーシャルはオンラインの職場』というエントリーで、以下を書きました:

  • オンラインとオフラインを地続きに考え、自社の実情に合わせた整合性のあるルールやガイドを作成すること

  • ソーシャルを「単なるコミュニケーションツール」にすることなく、実際の仕事をする場所とすること

 

今回は、そこからもう少し発展させて新旧の社内管理について、「旧い時代のコントロールと新しい時代のコントロール」の違いについて考えてみたいと思います。

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「言葉遊び」的に感じるかも知れませんが、管理とは「コントロール」で、略語としてCTRLとかCTRと書かれることが多いですよね。

このCTRが、旧い時代の「指揮官による命令と統制(コマンド&コントロール)」に代わる、「今の時代の管理」に必要な3つの要素の頭文字になっているのではないでしょうか:

C: Culture(社内文化や暗黙知)

T: Technology(技術やツール)

R: Rule(規則や制度)

このCTRを、それぞれの観点から「企業内ソーシャル」に合わせて考えて見ます。

 

C: 企業内ソーシャルが自社カルチャーの変革にどんな影響を与えることができそうか。そのためには何が必要か。

T: 企業内ソーシャルを活かすための道具立てはできているか。自分たちの描く未来に沿ったテクノロジーか。

R: 企業内ソーシャルが従来の社内ルールや業務支援制度とマッチしているか。あるいは変えていく準備はあるか。

 

さらに重要となるのが、CTRをそれぞれの観点で捉えるだけではなく、自社内で互いにどのような関係性となるかを考えることです。

断言しますが、CTRを切り離して、「Cなんてうちとは関係ない部門の仕事だし」とか「Rに関して口出しなんて面倒面倒」という進め方をすれば、「社内ソーシャル? …ああ、そういえばなんかうちの会社も一時期やろうとしてたらしいけど」なんて言葉が早々に聞こえてくることとなるでしょう。

 

これが企業内ソーシャルの面白いところでありかつ大変なところでもあるのですが、文化、テクノロジー、制度が循環関係にある中、今やどんな企業でもどれか一つをピックアップしてそこだけで効果を上げる、そこだけで話しが終わるということはほぼあり得ません。

新しいテクノロジー、とりわけ日々使用されるツールは、人々の行動パターンや思考パターンに影響を与えます。

そして企業文化は、社員の行動や思考が積み重なり少しずつ変化していくものですし、そうした文化やテクノロジーが、従来の制度をより実用的にしていこうという意識や活動につながっていきます。

 

企業内ソーシャルを1ツールと捉えてアセスし、何が足りている/足りないと考えていくのもアリですが、メタな視点から自社の文化や規則にどう嵌るのか、あるいは嵌らないのなら何を変えていく必要があるのか。

それらも考えた上で進めていくほうが絶対にイイですよ!

Happy Collaboration!