Collaboration Energizer | #混ぜなきゃ危険 | 八木橋パチ

コラボレーション・エナジャイザーとは、コラボレーションの場を作り、場のエネルギーを高め、何かが生みだされることを支援する人

「低価格帯のB2Cタイプの製品・サービス」と「高価格帯のB2Bの製品・サービス」

最近ちょくちょく「企業Webサイトの存在感と相対的価値の低下」や「今後の企業Webサイトの方向性」について、社内外の人たちと会話してます(昨晩もそんな話をツマミに飲んでました)。

話していて感じるのは、低価格帯と高価格帯の製品やサービス、はたまたB2CとB2Bで「お買い上げ」にいたるまでの思考の流れやプロセスに結構な違いがあって、複数人で話していると「どっちのケースで話してるんだっけ?」となってしまうことも多いです。

ということで、ここらで一度文字にして頭を整理しておきたいんで書いておきます。


 

■(主に)低価格帯のB2Cタイプの製品・サービスで、個で購入を決められるもの

UGC: User Generated Contentsがこれだけたくさんweb上にある中で、ユーザーは企業Webサイトを「自社製品・サービスに付いて美辞麗句を並べるおめかしサイト」と捉えていて、そこには「本当は存在するマイナス点が書かれていないところ」って感じている。

なのでユーザーは、企業Webサイトには製品スペックなどのいわゆる公式情報は求めるものの、製品の使い勝手や価値については「スッピンについて書かれているUGCサイトや比較サイト」に行き、生の声を集める。 それに、買い物が「失敗」であっても、低価格なのでそんなに痛くないし、誰かに「責任取れ」なんてことも言われない。

 

■(主に)高価格帯のB2Bの製品・サービスで、社内購買プロセスを通るもの

UGCもWeb上に十分と言えるほどはなく、また、「ASICA(アシカ)理論/モデル」とも言われる企業の購買プロセスの特に「Inspection(検証)」と 「Consent(承認)」の部分を考えても、企業Webサイトの公式情報はまだ大事。

ところで、「ASICA(アシカ)理論/モデル」とは… Assignment 課題 → Solution 解決 → Inspection 検証 → Consent 承認 → Action 行動 という企業購買プロセスの頭文字を取った企業購買プロセスモデル。 プロセスにかかる時間が長い点や、購入した製品・サービスの問題発生時に社内外の責任所在を明確化しなければならないという、企業購買の典型的なパターンをうまく表していると個人的にはピンときています。 「ASICA(アシカ)理論/モデル」はこちらのサイトで詳しく解説されています。

 

実は話の本番はここからで、上記をベースに「では、日本でのソーシャルメディアの活用については…」とか「今後求められるWeb技術は…」なんて感じで盛り上がるのですが、今日のところはひとまずここまでにして、近々続きを書こうと思います。

ところで、「低価格帯のB2Cタイプ」のところに書いた「おめかしサイト」については、ちょくちょく引用させていただいている池田紀之氏の『キズナのマーケティング』による解説が非常に分かりやすいので、ここでも抜粋して記載させていただきます。

~引用ここから~ 広告で言われていることを鵜呑みにすることは少なくなったし、その商品やサービスが本当に購入して失敗しないものなのか、事前に調べることは多くの人たちの習慣として根付いたと思う。 (中略) 以前は異性の情報も出会いも少なかったし、僕たちの選択眼もそこまで肥えていなかった。そのため、精一杯の"おめかし"をして、自分の長所をアピールしていれば、相手(つまり消費者)に選んでもらうことができた。 (中略) "おめかし"して、一生懸命、好きな相手に長所をアピールしても、ソーシャルメディアの中では「ありのままのあなた」が語られてしまっている。 ~引用ここまで~ (―マーケティングコミュニケーションは「お見合い結婚」から「恋愛結婚」へ― 『キズナマーケティング』より)

 

どうでしょう。B2Bの分野では「ありのままのあなた」が語られている場所がB2Cと比較するとまだ少ないのが実情だと思いますが、その流れは明らかに来てますよね。

は! もうこんな時間。出かける仕度しなきゃ! ってことで…

Happy Collaboration!