Collaboration Energizer | #混ぜなきゃ危険 | 八木橋パチ

コラボレーション・エナジャイザーとは、コラボレーションの場を作り、場のエネルギーを高め、何かが生みだされることを支援する人

暗闇だから見えてきたこと - ダイアログ・イン・ザ・ダーク

先日、ダイアログ・イン・ザ・ダークの2020年のオリパラ東京大会準備イベント<Dialog in the dark Showcase for 2020・暗闇で感じる日本文化>に参加してきました。

始まる直前のちょっとドキドキや照れ臭さ、そしてスタートして感じる不安や戸惑い、そして中盤以降どんどんと大きくなってくる楽しみと喜び…。終わってみれば、とっても大きな幸福感に包まれた時間でした!

すでに体験から数日過ぎているのですが、今でもタイミングを誤ると、周囲から「この人ヤバい!?」と思われるレベルで<思い出しニヤつき>してしまいますww

 

私の頭の中では、<ダイアログ・イン・ザ・ダーク>はとっても有名で誰もが知っているものだったのですが、どうやらそんなこともないようです。

「そのダイアログ・イン・ザ・ダークってのを、手短に説明してよ」と言われたら、私は<暗闇のプロフェッショナルにコーチを受けながら、完全な闇の中でその場の仲間たちと日常体験を実践する全身体感型エンターテイメントだよ>と答えます。

もし、もう少し説明するチャンスがあるなら、以下を続けます。

 

"ちょっとしたこと、それこそ何かを一緒に食べたり飲んだり、あるいはちょっとしたゲームを他の参加者とするだけなんだけど、全盲の方をはじめとしたアテンダントの人が上手にナビゲートしてくれるから、「ああ、自分はこういうことを心地よいって思うんだ」とか、「そうか。自分はこういうのが好きなんだな」とか、そういう発見がたくさんあるんだよ。"と。

自分再発見。自分の知らなかった自分たち。

 

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暗闇が伝えてくれたもの:「DIALOG IN THE DARK」

■ 相手を信頼するところからスタートしたほうが、ずっと深いコミュニケーションができる ■ 本物の傾聴がなければ本物の共感も生まれない ■ 体の触れ合いは心の触れ合いの増幅装置

上の言葉は、6年半前にIBMの社内研修で伺ったときの感想です。

 

今回のプログラム・テーマは<暗闇で感じる日本文化>ということで、参加者は以下のようなことをしました。

■ 暗闇でみんなで輪になってお祭り
■ 暗闇で書き初め(2018年はどんな年にしたい?)
■ 暗闇で初釜
■ 暗闇でこたつミカン

 

どれも、やっているうちにいろんなことが見えてきました。今も心に残っていることをランダムに書いていきます。

 

 

一緒にかけ声を出すだけで、あんなに楽しい気持ちになれるなんて! — 普段の自分だと照れ臭くてあんまり乗り気になれないはずだけど、やってみたらすごく気分が良くて。

きっと俺は、たくさんの気持ち良い体験をスルーしてきている。なんてもったいないんだろう。

 

不安だったりおっかないときには、手をそーっと伸ばして触れた相手に「パチです。ごめん、ちょっと助けてもらえるかな?」ってただ言えばよくて。

お互いさまだし、言うことに躊躇する必要なんてなくて。

 

頼ったり頼られたりしながらの会話だからか、人の声ってすごく優しくてステキだなって思った。

もしかしたら、しぐさや表情よりも、声の方がもっと本質的なところが出てくるものなのかも。

でも、そんな人の声も一斉にたくさんの声が聞こえてくると不快にも。「俺の聞きたい声を邪魔しないで!」って。

 

誰かが自分自身の行動を実況中継してくれると、とっても安心できる。その後で自分がどうやってすればいいのかが分かるから。

それが分かると、自分の後の人たちのために、自分も実況中継をしたくなって、そうすると役立ててもらえたり喜んでもらえる。その嬉しさときたら!

 

ルールを守ろうよって気持ちと、ルールなんて放っておこうよって気持ちと、両方を同時に感じている自分がいた。

 

途中から、暗闇に全然恐怖を感じていない自分がいた。というよりむしろ居心地良かった。

難しそうなことは誰かが助けてくれるし、見た目とかなーんにも気にしなくいいし。

明るくなったら、なんだか少しさみしくなった。

 

こたつってあったかいね。なん年ぶりだったろう?

ミカンがすっごくあまくて美味しかった。高級ミカンだったのか、それとも暗闇が甘さを倍増させた!?

 

わずか1時間かそこら暗闇にいただけだけど、自分たちが視覚と推測と惰性にどれだけ頼り過ぎているかを見せつけられた。

私たちは、もっと声を出した方がいい。

思っているそのままを言葉にしたり、やっていることや起こっていることを説明しようとした方がいい。

 

面倒がったり、するまでもないと思ったり、したところで意味なんてないと決めつけていたり。

それが、無駄にハイ・コンテクスト過ぎて<閉じた世界>を作る後押しをしてしまっているような気がした。

見知らぬ人がそこで発している言葉や取っている行動からも、たくさんの価値が生まれている。私たちはそれを見過ごしてしまいがち。

 

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今回のイベントでもらったTokyo Diversity Lab.のパンフレットによると、日本でダイアログ・イン・ザ・ダークを体験したのはまだ20万人強に過ぎないそうです。

なんてもったいない! もっとたくさんの人が体験した方が絶対にいいです。

 

今、関東には常設スペースですぐに体験できる機会はないようだけど、今回のように不定期に体験できるイベントを不定期に開催されているそうです。ときどきダイアログ・イン・ザ・ダークのWebページをチェックして参加できるチャンスを待とうと思います。

そして大阪には「対話のある家」という常設の場があるそうです。早く大阪に行く機会ができないかなー。

Happy Collaboration!