LGBT+とアライ - 自分自身でいるために。
「もっと多くの人に、LGBT+ってあなたの周りに普通にいるし、普通に過ごしているんだってことを知ってほしいです。そのための手助けをしてもらえたら嬉しいなって思っています」
— この言葉を聞いた瞬間に、「そうだ。ブログに書こう!」と強く思いました。
冒頭の言葉は、数カ月前にスタートしたIBMの月例社内イベント「LGBT+talk」での、レズビアンの社員の言葉です。
彼女のパーソナル・ストーリーを聞き、いくつかの質問に答えていただいた後、改めて「私たちアライ(LGBT+支援者)に当事者として期待することはなんですか?」という質問への答えでした。
なぜだか最近は、LGBT+支援についてはイベントに参加したりステッカーを貼ったり、そういう「言葉ではなく目に見えるもの、行動を通じて訴えるもの」の方が意味がありそうな気がしていたんです。
今さら、言葉で、ブログで、「私はLGBT+を応援しています」って明言しても、当事者にはありがたいことでもないのかなぁって。
でも、そんなことはないんだなって。
もっと、いろいろな機会で支援していることを伝え、そのための活動や機会をお知らせすることが、たくさんのLGBT+の応援になるんですね。
IBMでは数年前からLGBT+とアライと呼ばれるその支援者を応援する活動が続けられているのですが、最近特にその活動に弾みが付いています。
先ほど書いた「LGBT+talk」や「アライ・ラウンジ」と呼ばれるランチ・セッションなどの月例イベントと、不定期に開催されるミートアップなどで、LGBT+支援活動の情報交換や対話の機会がとても増えています。
特に、冒頭の「LGBT+talk」は、なかなか聞く機会のないパーソナル・ストーリーを聞かせてもらえたり、親しくならなければ質問できないようなことに答えてもらえる貴重な機会で、参加するたびに「実際の当事者から聞く言葉」の強さを感じます。
「当事者だって、一人ひとり、価値観も違えば受け入れられることられないことの基準もまるで違う」「現状に対する不満や抱えている不安だって人それぞれ」
— こんな、「そんなの当たり前だ」と頭では理解しているつもりのことであっても、彼らのストーリーとともに耳にすることで、もっと深いところで実感できるんです。
私がアライなのは、おそらく子どもの頃から自分の憧れの人たちが、ゲイだったりバイセクシャルだったりしたから。
デイヴィッド・ボウイ、ルー・リード、フレディ・マーキュリー、ジャニス・イアン…。彼らのような曲を書きたかった。パフォームしたかった。単純。
単純なスタートだったけど、それからずっと、「自分自身でいることを邪魔するモノを認めるな」っていう彼らのメッセージは私の血肉になっています。
同調圧力に飲まれたり、権威を盾にする相手に従わされたり、大人なんだから気持ちよりも立場を重視しろと求められたり…。できるだけそんなことをして自分を嫌いになったりしないように頑張ってきたし、ときには激しく戦ってきたと自負しています。
そんな私にとっては、LGBT+であることを周囲に伝えている人たちは、仲間だと思うし尊敬すべき人たちです。
だから、私にとってLGBT+を応援することは、私の好きな人や尊敬している相手に好意やリスペクトを伝える行為です。
川田さん、ちょっと照れ臭くて直接お伝えできていないけど、心からリスペクトしています。
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「LGBT+であることで悲しいことの一つは、日常的に嘘をつかなくちゃいけないこと。いろいろ面倒なことを聞かれるのを避けるために、同僚や上司に週末は出かけていないって言ったり、付き合っている相手はいないと偽ったり…。」
— これも、「LGBT+talk」で何度か耳にした言葉です。
私にとって一番重要なことは、私が自分自身でいられることです。
そして、私の周りの人たちにも、彼ら自身でいて欲しいと強く思っています。
だから、私にとってLGBT+を応援することは、自分にとって重要な価値観である「自分自身でいられること」がもっと拡がっていくことを応援することでもあります。
自分勝手な理由かもしれないし、自分の一方的な思い込みかもしれないけど、LGBT+は私の大切な仲間たちです。
自分には関係ない? あなたの家族が、親友が、尊敬している人が、LGBT+かもしれません。そんなことない? でも、これからそうなるかもしれませんよ。
ご存知ですか。日本では人口の7.6%がLGBT+だと言われています。
ちょっと想像力を働かせてみてください。
最後に、大好きで大好きでたまらない映画の大好きで大好きでたまらない曲を。