Collaboration Energizer | #混ぜなきゃ危険 | 八木橋パチ

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まず幸福ありき - WORK MILLと持続可能な働きかた

 

「働きかたを考える」という記事を、雑誌やウェブメディアを通じて毎日目にします。

(とは言え、半分くらいは「働かせ方を考えるじゃんこれ」って読んでて思うもののような気もしますが。)

国連の定めたSDGs(持続可能な開発目標)にも、「働きがいも経済成長も」というキャッチコピーとともに、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)が謳われていますね。

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今の私にとっては「働きかたを考える」は「生きかたを考える」とほぼ同義で、こんなことを自分に問い直すことも少なくありません:

 

なんのために働くのか

と問われれば、「そもそも働くってなんだ? 仕事っていうのは何を指すんだろう?」と。

 

どれくらい働きたいのか

と問われれば、「どれくらいって時間的な量のことだろうか? それとも心の中に占める割合のこと?」と。

 

どこで働きたいのか

と問われれば、「どこでって物理的な場所のことだろうか? それとも所属組織のこと?」と。

 

こんな風に、「働きかた」を考えるとすぐに「生きかた」と混ざり合います。

視野が狭くなっている? そうかもしれませんが、私には器用に「働く」を「生きる」から切り離すのは無理みたいです。

 

これまでにも「働きかた」や「働きがい」について思うことを何度かブログに書いてきましたが、私にとっては、働くことは生きることに含有されたものです。

そして、私にとって生きることの目的は「幸せになること」なので(みんなもそうでしょ?)、働くことの目的も「幸せになること」です。

 

workmill.jp

 

先日、岡村製作所さんから『WORK MILL』という冊子の特別号をいただきました。

この本の特集が”HAPPY WORKPLACE APPROACH 企業は「幸福度」で成長する”というもの。今の私にピッタリ!

というわけで『WORK MILL』特別号特集から、「Happy Workplace Program(HWP)」というタイの国家主導プロジェクトに関する情報をピックアップして紹介します。

 


 

ハッピーワーク先進国タイ - 持続的な企業成長に不可欠なのは、健康的な職場と従業員の幸せ

 

タイでは、「Happy Workplace Program(HWP)」という政府主導の職場における従業員の健康促進プログラムが広く社会に浸透しており、健康を通じて得られる「職場幸福感」をHappy8と呼ばれる8つの幸福度指標から開発・推進、そして計測調査しているそうです。

 

Eight pillars of the Happy8 | 8つの幸福度指標

  1. Happy Body | 心身共に健康な体を作る Enjoy good health in one’s body and mind.
  2. Happy Relax | リラックスする時間を持つ Able to relieve stress from work and in daily life.
  3. Happy Heart | 親切心と思いやりを持つ Show kindness and sympathy for oneself and others, and be generous.
  4. Happy Soul | 道徳心と信頼を培う Possess a good sense of moral.
  5. Happy Brain | 生涯学習の促進 Improve one’s knowledge through learning.
  6. Happy Money | 適切なお金の管理 Manage personal finances well.
  7. Happy Family | 社員の家族にとっても幸せな環境構築 Create understanding and a stable environment in one’s family.
  8. Happy Society | 充実した社会の実現及び周りの人をいたわる Support one’s community at work and home and promote social harmony.

 

以下、本の中のロングインタビューから、とても興味深い言葉をいくつか引用します。

 

■ 医学博士であり、HWP考案者でディレクターのチャンウィット・ワサンタナラット氏のインタビュー

経営者にとって職場は仕事をするための場所でしかありませんが、最近の若者にとって職場とは、仕事もするけれど、友達との接点であり、社会やコミュニティーとしての機能も果たす場所です。ワークプレイスではなくコミュニティープレイスにきて、たまたまアウトプットが仕事というかたち大洪水の時、自分と自分の家族を思ってくれる企業で働いていた従業員は、災害が終わった後、喜んで組織に戻っていった。でも、そうしたケアをしていないところだと、高給を提示されても戻りたくないと思うタイ人は多いのです

 

■ タイ国立開発行政研究員教授であり、新憲法草案に「国民の健康促進の権利」を盛り込んだチャトチャイ・ナー・チェンマイ氏のインタビュー

私の定義では、健康とは精神面も体も、すべてが良好な状態であること。自分も友達や同僚も安らかな気持ちで社会や国、世界で生活できることです。幸福で悩みがなく、ありのまま、自然な姿のままで、自分の社会的な責任を果たすことと言い換えてもいいかもしれません。国連の2015年以降のアジェンダには、サステイナブルデベロップメントが掲げられています。この「サステイナブル」という言葉のなかには人の要素が入っているんですね。持続可能な成長や発展を支えて行くのは人であり、人が働く職場は安定していて幸福に働ける環境でなければいけない、というアジェンダです。これからのキーワードは、まず幸福ありき。働いている世代は、起きている時間のほとんどを職場で送っていますから、職場を家庭のような環境、自分が生まれてきてよかったと思えるような環境にしていくことが大切です。

 

WORK MILL』特別号はWebページから発送リクエストができますよ。

働きかたと生きかた、仕事と幸福感について興味をお持ちの方はぜひお読みになってみることをオススメします。

 

さらに、特別号取材レポートという取材裏話もウェブページで公開されています。

 

持続可能な働きかたを。そして幸せになるための働きかたを。

Happy Collaboration!