Polemica - ディスラプターとマネージメントは同じ夢を見れるのか?
そこに立てられた「問い」は、本当に正しい「問い」なのか。
脳内のシナプスをつなげて行ったり、周りのヒトモノコトを巻き込んで行ったり、化学反応や新結合を起こすような「土のにおい」や「ずるりとした手触り」に満ちているのか。
--イノベーションを求めるなら、問いを1つ(2つ)戻して深く潜りこんでいく道のりは避けられない。そこをある種「暴力的」な雰囲気すら漂わせながら共に切り開いていくサービスが「Polemica(ポレミカ)(※)」というものなのだと、私は理解しました。
唐突に書き始めましたが、これが昨日参加してきた『未来への正しい問い - Polemica Case Study 「身体の境界線としての皮膚」ポーラ化成工業 -』というイベントのストレートな感想です。
Polemica(ポレミカ)は「議論好き」を意味するスペイン語だそうです。
『WIRED』日本版 編集長 若林恵さん × 株式会社ロフトワーク林千晶さんの対談でスタートしたイベントは、その後Polemica(ポレミカ)の第一号プロジェクトのポーラ化成工業の近藤さんと米倉さん、そしてプロジェクトをリードした北島さんを加えたプロジェクト紹介&パネル・ディスカッションへと続きました。
ここでは、「いつ」「誰が」というイベントの時系列とスピーカーを無視して、いまだ脳内でエコーを続けている言葉、とりわけ「イノベーション難民」に刺さりそうな言葉を書き出してみます。
※ 「イノベーション難民」は「イノベーションを見つけよ!」という命令を受け、京橋や二子玉川や大手町や日本橋を右往左往とさまよっている人たちのことだそうです。 「そんなバクッとこれまでとは違う新規事業見つけろってムチャでしょ…」という言葉を飲み込んだりつぶやいたりしている人ということで、先週イトーキさんのSYNQAで参加した『働き方の未来をデザインする 未来の働き方を変える図書館』で初めて聞いた言葉でした。でもイメージ沸きますよね?
■ イノヴェイションへの視座
- 700年前から大差ない、あらゆるものを金銭価値のスナップショットとして表すファイナンスの仕組みをベースにしていたところで、本当のイノベーションが起きるのか? (簿記と会計の再発明 (確実性を求めて) - Joi Ito's Web - JP)
- 現在の延長線上にあり今と同じままでそこにあり変化がないのであれば、時間軸ではどうあれそれは未来ではない(ピーター・ティール)
- 現在の常識と捉えられているものって、案外とどこかのタイミングで行われたマーケティング・キャンペーンの結果でしかなかったりもする。
- 会社としてのベースに新しい手法や技術を刺すから「何か」になる。ベースがなければどこにも行きつかない。テクノロジーは作動しない。
■ 企業にとって、本当にイノヴェイション必要か?
- 「新しい価値」というが、あなたの会社の「価値」は何を指しているのか。
- 会社は自然物ではないのに存在している。ということは、そこに人の意思や意識があるから。
- 「早くたくさん社会に提供することが社会の求めに応えること」という時代に作られたルールや制度でまだ動いているんじゃないか
- 市場経済を中心に置いて会社をまわしてきたけれど立ち行かなくなったのが今の日本の企業。一足先にそれを経験したアメリカを爆発的な勢いで席巻しているのが「B Corporation」のムーブメント。
■ 未来を創りだすための「正しい問いの設定」と「答えを探すためのプロセス」
- 問いをもう一つ「戻す」力が重要。今の仕組みなり制度なりができる前はどうだったのか? と広げていくことで概念に揺さぶりをかける。
- 物質的は満たしたかもしれない。だが貧しさは残っている。現代の貧しさを再定義すれば、「社会の公器」に求められるものが見えてくる。
- 答えを早く求めすぎたり抽象化が過ぎたりすると、もともとの言葉や直感が持っていた土の匂い手触りは失われていく。
- 「方法」の対極にあるものが「教養」。いかに目的化しないか、制度化しないかを考える。方法をディスラプトする。
どんな風にまとめられてくるのか、楽しみです。