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原点回帰: 社内SNSを導入する目的と利点

当記事は2013年11月にin the looopに寄稿したものですが、元記事が削除されましたので転載します。


 

国内企業の社内SNS利用率は16.5%、IDC Japanが調査』(2013年10月22日)

 

この調査報告書が話題になったせいもあるのかもしれませんが、ここ最近、「社内SNSのキモってなんでしょうね?」だったり、「押さえておくべきエンタープライズ・ソーシャルの基本的な考え方とは?」というような、本質的な問いをいただくことが改めて増えてきました。

 

ということで、今回のテーマは「原点回帰」です。

 

 

社内SNSを導入する目的と利点は?

社内SNS導入の大目的は、「イノベーション・エンジン」として、企業の永続性に不可欠なイノベーション創発するためです。

 

その大目的の実現に必要なのが、人・もの・ことを繋げ、知識やアイデアのストック量を増やし、フローの質を高めていく「コラボレーション・プラットフォーム」としての仕組みです。

 

「コラボレーション・プラットフォーム」により、個人・チーム・組織がそれぞれ、仕事の進め方や仕事に対するアプローチ(ワークスタイル)を進化させ、「コミュニケーションの質や効率性の改善」「社員の関係性の強化」「業務効率の向上」「企業風土の再生」など、(副次的と呼ぶにはあまりも大きな)数々の利点がもたらされます。

 

ここで注意したいのが、生産性向上やコミュニケーション改善という、いわば「中目的」だけを狙いとしてしまうと、そこにある大きな可能性をみすみす見逃してしまう可能性が高くなってしまうという点です。

 

上記の目的と利点を原点として、以下、もう少し細かい質問に答えていきます。

 

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社内SNSに関するよくある質問

 

社内SNSが向いている会社と向いていない会社があるのか?

ソーシャルの特性は人・もの・ことをつなげること、知識やアイデアを引き出し想いを伝達することです。そこには「透明性」や「主体性(自律性)」、「共有(コラボレーション)」や「信頼」が広がります。

これらの考え方やキーワードが自社にそぐわないという企業には向いていません。

 

・ ソーシャルで取り扱う話題は限定したほうが良い?

大目的の「イノベーション創発」に斬新なアイデアやこれまでに気づかなかった視点が不可欠なことを考えれば、さまざまなタイプの情報がそこにはある方が良いでしょう。

思わぬキーワードの登場が、繋がりそうで繋がらなかった脳のシナプスや組織間のつながりを生み出す可能性を高めます。

 

社内SNSの利用ルール策定は?

SNSに限らず、社員としての行動規範や指針・心得などが社内にあるのであれば、それを基本としてガイドラインを策定するのが良いでしょう。

ここで大事なのは、がんじがらめにする「べからず集」を作るのが目的ではないということです。ルールでガチガチにした上に紅子定規の運用をするば、社員の自分で考える力や主体性は奪われ、信用関係は損なわれています。

 

 

■ グローバルコラボレーションが企業を変える――IBMの社内改革の実態に迫る

 

先日、ソフトバング・グループのWebマガジン「ビジネス+IT」にインタビュー記事が掲載されました。

 

ソーシャルソフトを使った社内コラボレーションとは?

 

  • 具体的なソーシャルの活用ケースは?
  • どのような推進方法があるのか? どこから手を付けたら良いのか?
  • これはやらないほうが良いという点は? 失敗例?

 

これらの社内ソーシャルについての質問や実体験について話していますので、よろしければぜひご覧ください。(なお、2ページ目以降の閲覧にはユーザー登録が必要となっています。)

 

また、以下のブログでは、最近よくいただく関連質問を取り上げています。参考になれば嬉しいです。

 

 

最後に一言。

社内SNS自体は単なるツールでしかありません。それにより何を求めているのか、達成したいものは何なのかを常に忘れないでください。

 

一方で、社内SNSが導入されるとなれば、社員はそこに期待や不安を感じていることも忘れないでください。

「流行りものに飛びついただけだろう」「現場の仕事が増えるだけなんじゃないか」「若い社員たちだけでやればいい」「…でも、ひょっとしたら、会社は透明性や主体性へ本気で取り組もうとしているのかも…」。

 

社内SNS自体は単なるツールでしかありません。

ただし、その単なるツールは、社員の日々のモチベーションの源泉となったり、行動を大きく変える触媒となることも多いものです。

 

Happy Collaboration!