ナレッジマネージメントの「SECIモデル」と社内SNSの「CEPI」モデル
「SECIモデル」
「個人の知識を組織的に共有し、より高次の知識を生み出す」ということを主眼に置いたナレッジマネジメントを実現する場合、そのフレームワークとして以下の4段階のプロセスが提示されている。このプロセスは、各段階の英語名称の頭文字をとって"SECI(セキ)プロセス"、あるいは単に"SECI"と呼ばれる。これは野中郁次郎(一橋大学大学院国際企業戦略研究科名誉教授)と竹内弘高(ハーバード大学ビジネススクール教授)が執筆したThe Knowledge Creating Company(『知識創造企業』梅本勝博訳、東洋経済新報社)において、提唱された。
共同化 (Socialization) /表出化 (Externalization) /結合化 (Combination) /内面化 (Internalization)
私もCollaboration Energizerとしてここ数年、社内SNSを推進する立場としてSECIモデルはもちろん、野中郁次郎さんのインタビュー記事などは何度も目にしていましたし、「なるほどこんなに昔から社内SNSのベースとなる考え方があったんだなぁ」と感服していました。 そして「いつか機会があれば、野中さんのお話しを伺ってみたいなぁ」と思っていました。
そしてなんとなんと、今日、縁あって、野中さんが現在理事長を務められている富士通総研さん社内のプライベート勉強会に、講師&パネラーの一人として参加させていただけることになりました。 富士通総研の吉田さん、本当にありがとうございます!
私のパートではIBMの社内SNSについて、主にその思想や背景について話をしようと思っていますが、もしチャンスがあれば、ディスカッションの場では野中さんが考える「社内SNSへの投資とリターン」について聞いてみたいなと思っています。 というのは、「で、実際にそれはどれくらい企業に利益をもたらすものなの?」か、あるいは「どれくらい費用を削減できるものなの?」という、利益のみ、あるいはコストのみの観点での質問が(いまだに?)中心になることがあるからです。
個人的に感じているのは、社内SNSは多くの場合、大きくまとめると以下の2つの観点があると思っています。 そしてこの2つは、それぞれバラバラに切り離されて考えられるものではなく、密接につながっているものだと思います。
- 企業文化の変革
- (社員の)生産性 & 能力向上
「企業文化の変革」は、イノベーションが産まれやすい状態への、イノベーティブな企業への変身であって、これは「利益向上への道」
ちょっと、言い方を変えてみます。 「1. 企業文化の変革」は「2. 社員の人間力」を向上していき、「人間力向上」は「3. 生産性や実行力」を向上していく。 そしてそれらが「4. イノベーション(あるいはカイゼン)を通じた企業の価値」を向上していく。 そしてここで出てきた4つが、一方通行ではなく、より有機的で双方向性を持ってそれぞれ密接につながっている、と思うのです。
今日はせっかく野中さんにお会いできるので、オマージュを込めて「SECIモデル」ならぬ、Pachi流の「CEPIモデル」を図にしてみました。
個人的には「うまくまとまってる!」とご満悦なのですが…。いかがでしょう?