Collaboration Energizer | #混ぜなきゃ危険 | 八木橋パチ

コラボレーション・エナジャイザーとは、コラボレーションの場を作り、場のエネルギーを高め、何かが生みだされることを支援する人

丸ごとソーシャルなProVISION! - イノベーションを創出するソーシャル・コラボレーション

先月発刊されたIBMの機関紙『ProVISION』がおもしろいです。

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No.89 イノベーションを創出するソーシャル・コラボレーションとテクノロジー

 

 

私も、社内で昨年IBM Verseがどのように40万ユーザーへとアジャイル展開されていったかを『「IBM Verse」の社内事例―アジャイル展開の実践』というコラムにドキュメント風に書いているので、ぜひそちらも読んでいただきたいのですが、今回は編集委員として、自分が書いたもの以外にもちょっとだけ手や口を出しました。 ダウンロードはこちらから:

https://community.ibm.com/HigherLogic/System/DownloadDocumentFile.ashx?DocumentFileKey=5176af36-2c0b-8fea-a07c-bed7e4f0d2df&forceDialog=1

さまざまな視点からエンタープライズ・ソーシャルが分析され、語られた記事が揃い、読みごたえのある一冊になっているんじゃないかと思います。

 

そんなわけで、このエントリーでは「パチが選ぶProVISION89号のキーフレーズ」を紹介します。

気になるものがあったらリンク先のPDFファイルを読んでみてくださいね。


 

特集の視点 | 行木 陽子

コグニティブ・コンピューティングの実用化は、ソーシャル・コラボレーションにさらなるビジネス変革の可能性をもたらします。コンピューターが、ソーシャル上のさまざまな情報を理解し、重要なインサイトを導き出し、人が物事を判断し実行するための適切なアドバイスを提供することができれば、イノベーションにつながる価値創造をより効果的に実践できるでしょう。ソーシャル上の活動の一つひとつから生み出される大量の非構造化データはコグニティブ・コンピューティングの進化の源泉であり、企業内ソーシャルに蓄積された情報は貴重な知見の宝庫として活用されることになるのです。

https://community.ibm.com/HigherLogic/System/DownloadDocumentFile.ashx?DocumentFileKey=88873ad2-78c2-c67c-cb75-2366aa2e0708&forceDialog=1

 

 

イノベーションを生み出すソーシャル・コラボレーションへの挑戦 | Edward Brill

2013年にIBMのソーシャル・ビジネス・トランスフォーメーション・チームが設置されました。チームは、IBMにおける「ソーシャル・ビジネスの実践」が社内の5つの分野で成果を生み出していることを発見しました。「イノベーション」「俊敏性」「効率」「社員エンゲージメント」「顧客体験の改善と成長」という5分野です。また、ソーシャル・ツールを活用する社員が、業務プロセスの改善、帰属意識の高まり、地位の向上、ソーシャル上での評判によるキャリア・アップといった"個人への恩恵"を享受できることも分かりました。

これらの発見を、「行動変化を促すには、個人がその変化によって大きな恩恵が受けられることを伝え理解させる必要がある」という、組織改革の専門家の間ではもはや常識となりつつあるアプローチと組み合わせたことが、IBM社内のソーシャル展開を成功させた大きな要因です。

https://community.ibm.com/HigherLogic/System/DownloadDocumentFile.ashx?DocumentFileKey=16403c8d-15a5-881b-6120-c2bc2afcbc01&forceDialog=1

 

 

コグニティブとソーシャルとの融合で進化する「IBM Verse」&「IBM Connections Cloud」 | 臼井 修

「パーソナル・アシスタント」のモバイル・インターフェース

図5. 処理すべきメールの自動優先順位付けと、メールへの対応アクションを提示してくれる「パーソナル・アシスタント」のモバイル・インターフェース

1つ目は、受信ボックスから自動的に重要なメールを優先順位付けし、推奨されるメールへの対応方法を提示してくれる「パーソナル・アシスタント」です。

未読メールが多いときや、外出先でモバイル・デバイスを利用する場合には、上から順番にメールを処理していくのは非効率です。そこでコグニティブにメールを解析させると、まず自分にとって重要で対処が必要な順番に並べ替えてくれます。重要なメールを見ると、自分への依頼内容のメール本文を解析して、推奨されるアクションを提示してくれます(図5)。例えば、メールに「新製品発表プレゼン資料を送ってほしい」という依頼が書いてあると、コグニティブ技術によってIBM Verseがその内容を解析して、「このファイルを共有するといいよ」と推奨してくれるのです。

2つ目は、「IBM Watson」のサービスとの連携です。自分のIBM Verse上の重要人物リストやIBM Connectionsのネットワーク上にIBM Watsonがいたら、さまざまな疑問や質問に答えてくれるようになります。さらには、メールのドラフトを解析して添削もしてくれます。単に誤字を指摘するのではなく、メールの文脈や文体を解析し、「ここの文言をもう少し肯定的に変更しますか?」など、送信するメールの意図に沿った言葉を推奨してくれます。

https://community.ibm.com/HigherLogic/System/DownloadDocumentFile.ashx?DocumentFileKey=f0770bae-a02c-ab2a-7a76-8cb069c7d50c&forceDialog=1

欧米との文化や価値観の違いをふまえた"日本流SNS活用モデル"とは? | 株式会社デンソー 技術開発センター DP-EDA改革室長 鈴木 万治 氏 × 行木 陽子

「行 間を読む」という言葉があるように、日本のハイコンテクストな文化では、言語以外の要素が大きく間接的な表現が好まれます。これはつまり、聞き手(情報の 受信者)の能力が強く求められるということです。それに対して、欧米のローコンテクストな文化では、言語そのものによるコミュニケーションの比率が大きく 直接的な表現が好まれるため、話し手(情報の発信者)の能力が求められます。

企業のソーシャル活動にも、苗床を作る活動が必須だと思います。その苗ができるかどうかで、活用の度合いが大きく変わると思います。どんなツールにも共通し て言えることですが、「ユーザーが少ない」ときはなかなか活用が進みませんが、「非ユーザーのほうが少ない」状態になると一気に活用が広まります。日本人 には「みんなと同じでありたい」という意識が高いですから。

実は、最初は思 うように活用できませんでした。原因は、"ポータル"のユーザー・インターフェースから脱却できなかったことです。ポータルは、必要な情報を整理してアー カイブしてあります。さまざまな情報を分類して階層化されているので、その都度掘り下げなくてはならず、とても面倒です。リンクを開いても、いつも同じ ポータルの表紙が表示されるだけなので、誰も書き込まないしアクセスすらしなくなってしまいました。

https://community.ibm.com/HigherLogic/System/DownloadDocumentFile.ashx?DocumentFileKey=c143ccf3-040d-be03-e274-8ffc05b2f227&forceDialog=1

イベント・レポート IBM Connect 2016 "Make Every Moment Count" | 松本 香奈子

IBMが今年後半にリリースする予定のコグニティブ・コンピューティングによる新機能「パーソナル・アシスト」がデモを通じて紹介されました。パーソナ ル・アシストは、ユーザーの受信メールを解析し、ユーザーが取るべきアクションを一覧表示します。例えばプレゼンテーション資料を相手と共有したい場合 は、クラウド上の資料一覧から検索してクリックするだけで、その資料へのリンクがメールに添付され、その資料へのアクセス権も自動的に相手に付与されま す。また、自分自身に対してパーソナル・アシストを利用することで、召集されている会議の重要度が一目で分かったり、会議招集の際に呼ぶべき人が推薦され るなど、業務効率の大幅な向上が期待できます。

https://community.ibm.com/HigherLogic/System/DownloadDocumentFile.ashx?DocumentFileKey=028aa132-9da1-b9ee-7df3-997e0f632958&forceDialog=1

 

 

ワークスタイル変革は"気持ちの設計"が鍵 - 社内ソーシャル浸透に必須の「惹きつけ」と「定着化」とは | 國生 恭子

Community Portfolio

図5. Enterprise Social Community Portfolio

図5のCのExperts Networkingは同じテーマや目的を持つメンバーの助け合いです。例えば、「XX業界担当営業の情報交換用コミュニティー」は、実は典型的な「企画の意図は素晴らしくても使われない」コミュニティーです。と言うのも、担当業界が同じだけでは、お互いが気になって見に行くほどの関係ではありません。「情報交換」も、できれば自分は情報を出さずに人からはもらいたい......と思うのが人情です。「惹きつけ」も「定着化」も慎重に行う必要があります。

情報が欲しいときだけ訪れる「利用者」には、ちょっとした助け合いに(助ける側で)参加してもらうのが良いでしょう。人は誰かの役に立ち感謝されると、もっと役に立ちたいと思うもの。ライバル心、虚栄心のくすぐりも有効です。例えば何かのテーマで「2案のどちらが良いか意見を表明」し合ってもらうといったことは比較的貢献しやすくゲーム性もあるので、この層に向いています。こうしてコミュニティーからさまざまな価値が生まれてくるようになると、自然に人も増え、「利用者」は「常連」に近づき、「常連」たちが「主」の役割を果たしてくれるようになります。

https://community.ibm.com/HigherLogic/System/DownloadDocumentFile.ashx?DocumentFileKey=1192a237-d950-568b-532d-7fd6bfce1ede&forceDialog=1

 


 

PDFではなく紙の印刷版も手元に何部かありますので、私と会う予定がある方は「欲しい」と事前に一声かけてください。

 

Happy Collaboration!

 

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