【勝手ゆるレポート】 YOKOHAMAデモクラシー道場 Vol.17 with ニールセン朋子さん
12/20追加: ニールセン朋子さんと12/29に無料イベントをやります!
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「たのもー!」
その道場は横浜にある。ただ、どうやらその夜は、昨今の情勢に合わせてZoom上で稽古は行われていた。
おれがその道場の存在を知ったのは3週間ほど前。道場主の奥さまから「12/15の夜を空けておくように。デンマークから師範を招いた稽古が YOKOHAMAデモクラシー道場であるから。」と、民主主義ゆるユニット「ぱちはら」に連絡があったのだ。
「デモクラシー…道場?」
自慢じゃないが、「気分次第」には自信があるのがおれたち「ぱちはら」だ。これ以上のことは何も聞かず、黙ってその夜を待った。あ、いや、黙ってはいたが、ちゃんとPeatixの申し込みはしたが。
https://yokohamademocracy17.peatix.com/
YOKOHAMAデモクラシー道場 Vol.17 自分のまちから変えるために今できること from デンマーク
…「おもしろおかしく書いていこう」という気がここまでは満々だったのだが、新幹線が目的地に到着するまで残り1時間弱。ちょっと書き終える自信がなくなってきたので、ここからトーンを変えていくこととしよう。
え?「書き出しに失敗したってことだね?」だって。うるさい。少し黙っていてくれおれの心の声よ。
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先ほどのPeatixのイベントページを見て欲しい。
<思想を超えて「デモクラシー、民主主義とはなにか」を学ぶため…>
<「地方自治に参加することの重要性と、日本の選挙制度について学ぶ」をテーマに、北欧デンマークのロラン市に20年在住し、日本人として初めて市議に立候補したニールセン朋子さんをゲスト…>
そう。道場は、デンマークのロラン島の市議会選と県議会選に、日本の国籍を持つ日本人として立候補したニールセン朋子さんに、デンマークの選挙とそれにまつわるさまざまなお話を聞きながら、あーでもなーこうでもないと議論をするという約2時間のデモクラティックな場であった。
おれはときどき <#民主主義ダーウィン>というハッシュタグを使うのだが、このよく分からないであろう言葉には「民主主義は進化を続けてこそナンボ」という気持ちを込めている(伝わりづらいのはわかっている)。そして、その進化を応援していく活動において、一つのベンチマークとしているのがデンマークおよび北欧におけるデモクラシーなのである。
ここで、デンマークの民主主義の在り方を書き始めたら絶対に浜松到着前に書き終わらないので、ここは思い切って端折らせていただく。
でも、しっかりとそのあたりを踏まえたい方には、ひとまずこの2つのページを紹介しておく。
というわけで、ここからは道場で学んだ、あるいは改めて意識させてもらえた「デモクラシーの所作」をいくつか紹介する。
■ デンマークの地方選と制度
・ 市議会・県議会の両方に同時立候補可能。そして兼任可能。
・ 市長選は存在せず、当選議員が話し合って市長を決める(市長が決まらず空席期間が長引くとかないのだろうか? これは未確認)。
・ 国政と地方選は別物であり、結果が大きく異なることも。
・ 地方議会の立候補は国民以外でも可能。ヨーロッパではオランダやスウェーデンも同様(ただし、在住期間のしばりや、EU内からの移動かどうかなどにより変わる場合も)。
・ 選挙カーは禁止。ポスターは環境負荷の観点から減りつつある。
・ 選挙は投票権のない18歳未満もしっかりと関わる。中学や高校で立候補社を招いた討論会などが行われる。それを支援するのは行政であったり、ビール会社が設立したデモクラシーを支援する財団であったり。(なお、選挙権も被選挙権もデンマークでは同じく18歳から)。
・ 市議会議員の報酬は年間で日本円にして160万円弱程度。デンマーク人の平均月収2-3カ月分程度なので、「議員専業」は無理。別の仕事をしながら行うのが一般的(なお、兼業が可能になっているのは、デンマークの就労時間の短さと、周囲の「政治へのリスペクト」があってこそ)。
■ デモクラシーの今の形
・ 靴の中の小石
「靴の中の小石、取り除かずに歩き続けるはやめた方がいい」 -- 討議終盤に語られたニールセン朋子さんのこの言葉に尽きる気がします。
まあとりあえずどうにかなってるし、いつか、どうにもならなくなったら変えよう。その間に勝手にどうにかなるんじゃないかしら。そんなふうに片目をつむってきているうちに、気づけば目の開き方を忘れてしまったみたいなおれたち。
そして「どうせならもう片方の目も閉じておいて」なんて考えている人たちもひょっとしたらいそう…?
そして、数年前にニールセン朋子さんが話していた、デンマーク人の靴にまつわる習慣の話を思い出しました。
「デンマーク人は、毎日スニーカーの靴を締め直すの。だって、『しっくりくる締め方』って毎日違うでしょう? 自分の足の声を毎日聞くのよ」。
・ 本音と建前。テクニックと真摯さ。
デンマーク人たちは、本音と建前を分けることをしない。それが自分たちの真摯さを理解してもらうことの障害となるから。伝え方が異なることがあっても、『真意』があちこちで変わるわけはない。
一方で、議論の前にお菓子やコーヒーで関係性を暖めたり、熱いぶつかり合いの後にパーソナルな話で不要となった熱を冷ましたりという工夫やテクニックもきちんと用いる。
・ セカンドベストを選び取る。そして形作る。
ああ、もう浜松駅に到着です。
続きは、ニールセン朋子さんとNo Youth No Japan代表理事の能條桃子さん、IDEAS FOR GOODを運営するHarch株式会社代表の加藤 佑さんと一緒に12月29日の夜に行うオンラインイベントで!
http://democracy-2021.peatix.com/
Happy Collaboration!