Collaboration Energizer | #混ぜなきゃ危険 | 八木橋パチ

コラボレーション・エナジャイザーとは、コラボレーションの場を作り、場のエネルギーを高め、何かが生みだされることを支援する人

クラウス・マイヤーという北欧料理を変えた男の話

 

5泊6日で「料理」を学ぶスクールに参加してきました。

場所はデンマークのロラン島。今、スクール・プログラムを終えて、コペンハーゲンに向かう電車の中でこれを書いています。

いくつか、とても印象的だったことがありました。今回は、その中でも真っ先に書いておきたいことを書いておきます。

 

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生きる上で、大事なことはいっぱいある。家族も収入も大切だ、それは分かっている。 でも、絶対に忘れてはいけないことがあると私は信じている。 それは、自分の本当のパッションが何なのか -- そのパッションを活かせるものを見つけ出すこと。 そして、それを通じてどうすれば社会にインパクトを与えることができるかを考え続けること。 それこそが重要であり、目的を持って生きるということなんだ。

 

プログラムの目玉の1つは、クラウス・マイヤーという「ニュー・ノルディック・キュイジーヌ」という旗をたて、デンマークの料理界をそれまでと完全に変えた男の講演と、そのクラウスによる料理セッションでした。

参加人数は今回のスクールに参加している十数名。とても贅沢なプライベートセッションです。

 

北欧文化に詳しい人や、レストラン業界にいる人にとっては、「noma(ノーマ)」という世界一のレストランの創始者の一人であり、食関連の数々のヒット事業を生み出し続けてきたクラウス・マイヤーの説明は不要でしょう。

ただ、私はまったく彼に関する事前知識を持っておらず、ノマに関する映画を一本見ただけのど素人なので、ここでは彼に関する情報として、2つの記事へのリンクを置いておきます。

 

 

講演での彼はとてもリラックスした感じで、さまざまな質問に答えてくれました。

上のリンク先の記事ではさらっと書かれている幼少期、青年期の奇妙で、いくらか不憫で、物悲しいエピソードも、とても率直にそして楽しげに話してくれて、クラウスという人間がどうやってつくられていったのかを理解することができました。

そんな彼が、強い意志を込めて「パッションを活かして社会にインパクトを与えるんだ」と言う姿は、私の記憶から消えることはなさそうです。

 

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デリシャスネス(美味しさ)へのこだわりが自分の生き方を変えた。 ノルディック料理に変革を起こし、パン業界の常識を書き換えた。私たちは、もっとヘルシーで人を幸せにする料理を食べるべきだった。そして、私たちは忘れていたそれを取り戻した。 デリシャスネスには力がある。私たちは、デリシャスネスを武器に貧困という社会課題と戦えるのではないだろうか?

 

デンマークやヨーロッパ各地でビジネスを成功させ続けた後、クラウスは南米のボリビアで新しいチャレンジをスタートします。

ボリビアは南米の中で最も貧しい国の一つで、国民はその豊かな歴史を除いて、アイデンティティを示すものや誇りに思うものをあまり持っていないといいます。そんな中で、クラウスが取り組んだのが「メルティングポット」というレストランを通じて人材を育て、観光を発展させ、地元の人びとにエネルギーと希望を与えるノンプロフィット・プロジェクトです。

このプロジェクトは一軒のレストランに終わることなく、様々な広がりを見せていき、今もその取り組みは広がり続けているそうです。

Melting Pot Foundation

 

体に悪くて、未来に悪くて、動物にも環境にも悪い美味しくないものを食べる。そんなのおかしいでしょ? そしてそれを変えられるチャンスがあるのに変えないのは、もっとおかしいでしょ? これまでずっと、「どうすればもっとたくさんの人に届けられるだろうか?」と考え続けてきた。 辿り着いた答えの一つが、オープンソース的な考え方だ。良いものを広げたかったらそれが広がりやすいように共有するべきだ。 マニフェストは、そのメッセージを広く伝え、応用してもらうのにとても優れたフォーマットだと私は思っている。   3年前から、ニューヨークで暮らしながら、また違うチャレンジをスタートしている。これまでよりはいくらかリラックスしながらね。 大都会に住んでいるからって、孤独を感じながら生きなきゃいけないわけじゃない。食を通じて地元とのつながりを感じながら、その意義を味わいながら暮らすこともできるんだ。 さて、それじゃあ午後は一緒に料理をしよう。お互いの創造性を楽しみながら。  

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そろそろコペンハーゲンに到着します。

Happy Collaboration!