Collaboration Energizer | #混ぜなきゃ危険 | 八木橋パチ

コラボレーション・エナジャイザーとは、コラボレーションの場を作り、場のエネルギーを高め、何かが生みだされることを支援する人

コミュニティーマネージャーに必要な力

最近「パチさんみたいに働きたいです」と社内でも社外でも立て続けに言われました。

楽しく働いている実感は自分でもあるし、周囲の人たちにそのバイブが伝わっているのは、とっても嬉しいです。

 

ただ、「パチさんみたい」の意味を聞いてみると、場所や時間にとらわれないワークスタイルという部分と、コミュニティー・マネージャー(以下「コミュマネ」と略します)を生業にしている部分と、両方のケースがあるようです。

今回は、「コミュマネとして」の部分にフォーカスして書きます。

 

なお、コミュマネは定義や指している範囲が人により相当異なるもので、そこを話し始めるとなかなか前に進まないという部分も強いのですが、今回は「特定のWebサービスを中心に集まった利用ユーザーや関係者のあれやこれやを後押しして、ポジティブな結果を導こうとしている人」くらいの意味だと思ってください。

そして、コミュマネのどっぷり度合いとしては、職業として専業で食べていけるレベルをイメージして書きます。

 

本文に入る前にもう一つ。

普通に書くとぼんやりとした一般論になってしまいそうなので、「IBMで私の後任者となるコミュマネへのアドバイス)」を書くこととします。

なお、為念でお伝えしておきますが、私は今の自分の仕事を後任者に譲る気はまだまだありません。こんなステキな仕事、そう簡単に手離しませんよ!

 

設定の都合上「先輩ヅラ」が目につく場面が多々あると思います。ご容赦ください。

 

インターネットやWebブラウザー、モバイルに関する基礎知識

コミュニティーWebサービスと密接につながっている(あるいはそのもの)という前提で書きますが、ある程度ネット周りの基礎知識を持っていないと、コミュニティー・メンバー(以下「コミュメン」と略します)のサポートはできません。

例えばキャッシュやクッキーの仕組みや存在、ブラウザーアドオンやアプリ設定の基本的な流れなどは、コミュメンが困っているときに真っ先に確認してもらう点で、アドバイスできる必要があります。

 

語学力

IBMの専業コミュマネであれば、語学力(英語)は必須です。

サービスやツールはグローバルで共通のものを使用するのが基本ですので、その開発や運用にはグローバルチームとの関わりが欠かせません。その中で、こちらの意思や目的を伝え、相手の答えを理解する語学力が求められます。

 

情報収集力

ひとつ前に書いた語学力とも密接に関係しているのが情報収集力です。

サービスそのものについて関係者がブログに書いていたり、管理者サイドが気づいていなかったり想定していなかった使い方をユーザー同士がフォーラムやマイクロブログなどで(英語や日本語で)会話していたりということは日常的にありますよね。

また、そうした会話は、自分たちのwebサービス上で行われるだけではなく、インターネット上のあらゆるところで行われているので、それらをササっと手際よく集められることが、ユーザーの困りごとを素早くサポートしてあげられることにつながっていきます。

 

交渉力

新しい企画やキャンペーンなどを計画するだけではなく、それを実施する必要性やメリットをスポンサーや関係部門に伝え、実行を承認してもらう必要があります。

企画によっては、そこで生み出されるメリットを享受する部門を想定し、直接交渉をしてスポンサーになってもらうえるように企画書を作成して交渉することもありますし、逆のケースとして「コミュニティーなど不要」という声に、実績や計画、今後の可能性についてのストーリーを説明するなどして必要な予算を確保するためのアクションを取ることもあります。

「それってコミュマネの範囲?」という声もあると思いますが、コミュニティーが無くなればコミュマネも不要となることを考えれば…ということですね。

 

その他いろいろ

ここまではわりと「スキル」という感じで書きましたが、最後にうまく説明しづらいけどすごく大事だと思っているものを列挙します。

 

コミュニティーが必要だという信念と共感を生み出す力

信念がなければブレますし、共感を生み出せなければメンバーにそっぽを向かれます。

 

あきらめないしつこさと投げ出さない意識

「コミュニティーは育てゲー」というのが私の意識です。うまくいかなくてもいろいろと試行錯誤しながら続けるのみ。

 

生み出す力と丸める力、そして切り捨てる力

メンバーのアイデアや思いつきをリードしたり、あちこちから出てくるものを一つにまとめたりする力が必要です。同時にすべての要望や期待には応えられないので、ときには相手にダメージを残さないようにスパッと切り捨てる力も。

 

組織心理学の知識

ときには理論武装も必要です。自身の活動の意味を(多少強引でも)ロジカルに説明する際には、組織心理学の基礎知識が身を守ってくれます。

 

承認欲求を上回る貢献欲求

「こんなにやってあげたのに…」みたいな、コミュマネの承認欲求ははっきり言ってメンバーには無関係です。それよりも「役立つことをしてメンバーに貢献できてる!」と、貢献の事実そのものを喜び、それに対する欲求を持ち続けることです。

 

楽観力

これはコミュマネだけに限らない話ですが、楽観性はポジティブな気持ちにつながりやすくなり、ポジティブな気持ちは伝染力があります(ネガティブにもあります)。普通、人はポジティブな場に魅力を感じるものです。

 

こうして並べ立てると、まるで私が全部できているようですが、もちろんそんなことはありません。

私がコミュマネをやっている中で「これは必要だ」と思ったものを書いただけ……いや、やっぱりちょっとばかし先輩風を吹かしてるかなww

 

最後に、コミュマネの役割を5つの違う職業で表したチャートを置いておきます。

人によってはこっちの方がピンと来るんじゃないかな?

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いくらかでも参考になる部分があったら嬉しいです。

Happy Collaboration!