Collaboration Energizer | #混ぜなきゃ危険 | 八木橋パチ

コラボレーション・エナジャイザーとは、コラボレーションの場を作り、場のエネルギーを高め、何かが生みだされることを支援する人

コミュニティーの活性化とワークスアプリケーションズの価値観 (EGMフォーラム6月定例)

昨日はEGMフォーラムの毎月一度の定例会。

会場は初めて伺う「ワークスアプリケーションズ」さんのアークヒルズのゴージャスなオフィスで、メインディスカッション・テーマは「コミュニティーの活性化」と「組織の価値観」でした。

 

毎度のことながら非常に濃い時間だったのですが、特にワークスアプリケーションズが積み上げ築いてきた価値観と文化の話が、私には強烈でした。

備忘録を兼ねて、ブログ記事としてアップしておきます。

なお、あくまでも私が気になった点だけを取り上げています。「そういう側面もディスカッション内にあったんだな」というレベルで捉えてください。

 

■ コミュニティーの活性化(黒瀬さん)

行動変容を誘発するものごとと、行動変容への段階をステージ毎に整理したチャートを見ながらのディスカッションが盛り上がりました。

そして、具体的なケースとして「高齢者のモビリティ(主に物理的な移動)」での実践についての説明がありました。

f:id:dubbed_pachi:20210524090623j:plain

「おせっかい社会」がキーワードの1つだったのですが、個人的には「善意でおせっかいをする人が、結果的にネガティブな気持ちを味わうことがある」という昔から存在していた事実が、実態以上に広く伝わってしまうということが「おせっかい屋さん」を減らしている気がします。

先日『"下り坂をそろそろと下る"を読みました – 嫌韓と新幹線と標準』で「嫌韓・嫌中ブームの不気味な広がりとネットの関係」に触れましたが、「ネガティブな出来事」が実態以上に頻繁に起こっているかのように見えるのもネットの現状だし、それらをまたマスメディアが日常的に起きているかのように取り上げ、それを見た人たちがさらに「私も友だちの友だちに起きたこと」などを口にしていく…みたいな負のスパイラルが発生して、さらにおせっかい屋さんの足を引っ張っているんだと思います。

 

私自身もおせっかい度が下がっている…かも? いかんいかん!

 

ワークスアプリケーションズが積み上げ築いてきた価値観と文化

まず、手元に何枚かのスライドを撮った写真があるのですが、シェアすると問題あるかも…という感じなので、自分がメモした言葉をキーワードとして並べ、すでに公開されている情報へのリンクを加えていくこととします。

 

Shareを促進し、妨げない文化

「短期的な数字を気にするのはカッコ悪い」「情報や人を囲い込むのはカッコ悪い」「上司/部下関係は2年程度で解消すべき」「上司にではなく、常に他のチームに貢献すべき」--まず、これらが共通認識、価値観として根付いているそうです。

「どうやって?」の一端をここからいくつか紹介します。

 

・営業部隊の歩合制度はほぼゼロ。チーム単位で分配

勝手に「山賊型」と名付けさせていただいたのですが、営業職向けの個人インセンティブはほぼ存在しておらず、4~50人からなるチーム単位で目標数値を達成すればチーム全員でインセンティブを山分けするという仕組みが創業当初から続いているそうです。

これは「成果(数字)ではなくプロセスを徹底重視し、正しく働いているかを社員同士で多面(360度)評価」しているからだそうです。

『まぐれのホームランよりも、美しい空振りを』と言われてましたが、これ、口ほどに簡単じゃないすごいことだと思います。

参考: ワークス、若手社員を対象にした新たな人事評価制度「ライト・パス制度」の導入を開始!

 

徹底的に採用にこだわる - 新卒向けインターン制度

日給8,000円×20日間の新卒向けインターンシップを実施。

成績優秀者には、本人が希望するタイミングでいつでも入社可能(他社入社後、留学後など、3年間有効)の「入社パス」と特別報奨金50万円を進呈。

この他にも、「ITエクスプレス」や「カムバックパス」などを用意し、「採用後の教育」ではなくて貪欲なまでに優秀な人間を採用することにお金をかけているそうです。

参考: INTERNSHIP | ワークスアプリケーションズ

 

クレイジーすぎて真似できないモデル

さまざまな制度や取り組みは、それぞれが関与しあって絡み合った中で成立し育てあげられている。一部を切り取って表面的には真似できても、そのコアな部分まで取り込むことは難しい。 --これがビジネス・モデルにまで組み込まれていくと、他社はもはや本質的な部分を真似することすらできなくなっていきますよね。

吉岡さんも「クレイジーすぎて真似できないモデルこそが強いモデルだよね」とそれを受けて言っていましたが、これは『ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件』などで知られる楠木建さんもいろいろなところでお話されていて、本当にそうだなって思います。

 

他にもいろいろあるのですが、ひとまずここまでとして最後に1つ。

話を聞いていて強く思ったのは、「これすごいでしょ、イケてるでしょ!」っていう社内制度は、広く伝えたり、活用しまくったりするべきだということを改めて感じました。

 

ここでは細かく触れませんが、ワークス・アプリケーションズさんには他にもたくさんのすばらしい制度があるようです。

参考: 「女性が辞めない会社」は育休後に賞与を出す - 年収の15%を「特別ボーナス」として支給

こうした制度を、想いを込めて作り育てているチームに感謝の意を表すためにも、社員はそれを活用すべきだし、直接的に活用できない場合は広く社内外で伝えていったほうが良いと思います。だって、活用されなきゃ制度って消えていってしまうものですよ?

 

IBMにもすばらしい、自慢したいインターンシップ制度があります。イケてるでしょ!

障がい者独自の視点が、全く新しいアプリやサービスを生み出す ――IBM、障がい者インターンシッププログラムレポート

f:id:dubbed_pachi:20210524090755j:plain

Happy Collaboration!