Collaboration Energizer | #混ぜなきゃ危険 | 八木橋パチ

コラボレーション・エナジャイザーとは、コラボレーションの場を作り、場のエネルギーを高め、何かが生みだされることを支援する人

キメ顔とデジタルタトゥーと哲学カフェ

「パチさんって写真撮るときチョーキメ顔だよね。」 はいその通りです。皆さんはどうですか、顔、作りますか? いつもですか? どの程度ですか?

さて、私はなぜ顔を作っているのでしょうか。 さらには、なぜ写真を撮ったり撮られたりしているのか、さらにさらになぜそれをいろんな人にシェアしたりしなかったりしているのか…。

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ところで、先日話題になった「SMAP解散自撮り」ってご存知でしょうか。

簡単に言うと、SMAP解散イヤだって言いつつ、関連性がわからない自分の(ときに他人の)写真をソーシャルにシェアするという現象です。

自撮り写真添え「SMAP解散イヤ!」 相次ぐ投稿に「何がしたいんだ?」

 

この話を聞いたとき、最初に「承認欲求を間接自慢により表出化」みたいな言葉が頭に浮かび「なんだかヤな感じ」と思ったのですが、ほぼ同時に「でもまあ、自分も学生時代とかだったらやってたかも」とも思いました。

そしてまた、これまでに何度か「xxxさんって毎日のように自分の顔写真をシェアしていて、なんなのあれキモイ」的な話を何人かから聞いていたことを思い出しました。

 

私も正直「毎日セルフィー」な人たちには「すりこみなの? ザイオンス効果なの? 一体何が目的なの??」とネガティブな印象を持っています。

でもそれって、自分が普段写真を撮るときや撮られるときにキメ顔を作ることと根本的には違いがないのかも? 単なる同属嫌悪とかの類なんじゃないの?

「ちょっとどうでもいーし、そんなの!」という声も聞こえてきている気もしますが、今回いい機会なので、私がなぜ「写真を撮るときや撮られるときにキメ顔を作るか」を自己分析してみたいと思います。

 

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写真って「どういう場所や時間で、どんな人とどんなときを過ごしているか」というコンテクストや付加情報を、いっぱい纏っていますよね。そしてまた、ソーシャルにアップされると、こちらが想像していた以上に拡散することも珍しくないですよね。

そうすると、自分が意図していたものとは異なる情報が付いた写真を見た自分のことをよく知らない相手が、自分の意図しない自分像を頭に描くわけです。

 

その上、写真って、「記憶と時間への粘着性が相当高い」と私は思っています。

初めて会った相手なのに、なんだか見覚えがある…。話してみると、共通の友人がシェアした写真に写っていた人だった、なんて経験はありませんか。

また、ときどき何かの弾みに昔の写真が出てきたり目にしたりすると、その写真が取られた状況やその場の空気感が蘇ってきたり…。

 

こうした写真の「記憶と時間への粘着性の高さ」という特性を考えると、自分らしくない写真には本当は出回って欲しくないですよね。

とは言え、友だちがシェアする写真をいちいちチェックするのもなんだか嫌な感じだし、そんなことしてたらそもそも楽しくないです。

ではどうすれば…と考えると、簡単な対応方法は以下の2つだと思います。

 

  1. シェアされる写真の中の自分を、自分が持ってもらいたいイメージに近づける
  2. シェアされる写真の中の自分のイメージを、上書きする力のある写真をシェアする

 

要するに、1は撮るときや撮られるときに、キメ顔つくるってことです。出回る写真を「ありたい自分」なり「実態として許容できる自分」に近づけるということ。

そして2は、キメ顔した写真を積極的に自分からシェアすることで、出回っているダメ写真のイメージを上書き、あるいは中和しようとすることです。

 

ということで、以上が私がキメ顔する理由でした。

(まあ、「素の顔が怖い」って昔から言われがちだったってのもあるけどねww)

毎日のようにシェアしているわけでもないつもりだし、もし、「パチのキメ顔がやたらと目に鼻につくな」と思うことがあったら、きっと私が「ヤバい、俺のイメージダウンな写真がどんどんシェアされている!」と焦ってでもいるのだろうと思ってください。

 

そして、まったく違うコンテクストの場に突然自分の写真をアップしたり、毎日のようにアップされている方の行動原理は…自己分析している間に何か閃くかも? と思っていたのですが、ダメでした。私にはまだ理解できていません。

みんながみんな「承認欲求を間接自慢により表出化」されてわけでもないだろうし、きっと聞けば「なるほどー!」と思うような理由もありそうな気もするのですが…ハテ。毎日セルフィーな方々、よろしければお聞かせください。

 

最後に、タイトルにも書いた関連情報を2つほど。

1つ目。「デジタルタトゥー(digital tatoo)」という言葉はご存知でしょうか?

オンラインに出回った写真や情報って、後から消すことがとても難しくて、それがまるでタトゥーのようだということで使われています。

公開範囲がなんであれ、オンラインに1度アップすれば、それはいつか出回ってしまい改修できない可能性があるってくらいに思っていたほうがいいのかもしれませんね。

 

もう1つは、今回のようなある意味どうでもいいことをなぜこんなに考えたのかという理由です。多分、昨夜初参加した「哲学カフェ」の影響じゃないかと思うのです。

「自分の意識や考え方がどういう風に作られているかを理解するのに役立ちそうだ」というのが初参加の私の感想でした。

人それぞれでいろんな捉え方があるとは思いますが、私は「もっと自分を理解したい」と思っている人におススメします。

 

 

Happy Collaboration!