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コラボレーション・エナジャイザーとは、コラボレーションの場を作り、場のエネルギーを高め、何かが生みだされることを支援する人

セミナーレポ:「働き方」の選択肢をつくる - リモートワークの今とこれから

IBM箱崎本社で"「働き方」の選択肢をつくる ~これからの経営課題に向き合い、イノベーションにつなげるために~"というセミナーに参加してきました。

さまざまなWebメディアで取り上げられている、リクルートホールディングスさんの「働き方変革プロジェクト」の現場の話を聞いてみたいというのが元々の動機です。 現場をリードした担当者の方の話を、約1時間たっぷりとお聞きすることができて満足でした。

でもそれ以上に良かったのは、3つのセッションがリモートワークをそれぞれ異なる背景や視点から取り上げていたことです:

  • 「今、リモートワークに取り組む際に求められること」
  • 「リモートワークを取り巻く現在の社会的背景」
  • 「20年にわたりリモートワークを実践してきて分かること」

おかげで、私の中では俯瞰的・立体的にリモートワークを捉えることができた気がします。

 

感想や意見は最後に書くとして、まず、お三方の話や言葉で取ったメモの一部をシェアします。なお、これは私の考えを含めて書いたメモで、この通り話していたということではありません。

 


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  • 実施に先立ち、社内ワールドカフェで「自分はどういう風に働きたいのか」を対話した。結果、「これって自分はどんな風に生きたいのかって話だよね」となった。
  • 「何かあったらどうする」という役員の声に、「その"何か"をあぶり出すためにも実験してみましょう」と口説いた。守りのセキュリティーから攻めのセキュリティーへ。
  • 事前の想像通り、リモートワーク実践により、企業としての「社員ロイヤリティ」「社員リテンション」「採用力」の向上はすぐに結果として現れた。ここから「顧客への価値向上」や、「社会に対するイノベーション」などのインパクトを目指したい。
  • 「労働時間」の定義が難しくなっている。例えば、明日仕事で取材する相手の著書を読むのは仕事か否か。準備や通勤なども含めた「拘束時間」として捉えることで、違うポイントが見えてくるかも…。

 

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  • 政府のテレワークの定義は「ICTを活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」。深夜、早朝勤務などの労務的な問題に対しては、近いうちに自民党の特別任命チームから提言が出てきそう。
  • 管理職の不安 「サボってないか」「管理のためのワークが増えるんじゃないか」 同僚の不安 「しわ寄せが来て仕事が増えるんじゃないか…」 本人の不安 「肩身が狭い思いをしそう…」「結果を出さないとどうなるのか…」
  • 「テレワークでできる仕事は何か」ではなくて、「普段やってる仕事をテレワークでもできる様に変えていく」ことが重要。業務を見える化して、ネット上の職場に仕事道具や資料を置く。さらに「オンライン上のオフィスにも、顔が見えるフリーアドレス・スペースを構えている。
  • ワーク・ライフバランスは、人の生き方。ダイバーシティーは、社会のあり方。テレワークは、これらを実現する働き方。

 

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  • IBMは、過去に2度あった経営危機を乗り越えるために、自分たちの強み活かす施策を考え実践してきた。それが「人材の多様性」と「働きかたの多様性」につながっていった。
  • テレワークを成功させている3つのポイントは「公平: 皆が利用できる」「慣れ: 日常的に使う」「制度: 運用、評価」。 全世界のIBM社員が、同じ制度の基で同じツールを使い、同じ評価項目で働いている。
  • オフィス周りの物理的なさまざまな施策の他に、「自立的な働きかた」を実践するためのツールをクラウド上に用意している。 そこには、在籍確認もできるチャットツールや、顔を見ながら話ができるウェブミーティング機能や、コミュニティーを作ったり資料についてディスカッションできる社内ソーシャルな機能などがオールインワンで揃っていて、世界中の全社員に提供されている。

 

企業として取り組む際には考慮すべき点が本当にたくさんあると思うのですが、1つ確実に言えるのは、「せーのドン!」ですべてを決めて一斉に実施しようとするのは、無理も無駄も多そうだということ。

「何度でも見直しするし調整もする」という心構えでスタートしなければ、始めることも続けることもなかなか上手くはいかないだろうなって。

やってみなければわからないことは、やってみるまでわからないですよね。

参考: 『自分らしい働きかた – リモートワークジャーニー@東京レポ

 

今回のセミナーに限らず、最近、いろいろな場所や機会を通じてリモートワークを実践している人の話を見聞きします。 その一方で、リモートワークをできないが故につらい思いをしている人の話を耳にすることも増えてきました。

これはきっと、前からずっと不満に感じていつつも諦めてしまっていた人たちが、実践者やそれに向けて取り組んでいる人の話を耳にすることで、「本当に諦めていていいのか?」と感じているからじゃないかと思っています。

声を上げることの重要さを改めて感じます。多様性とアサーティブネスはハンドinハンドです。

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みんなが自分たちの働きかたを手に入れられるように。

私も何かお手伝いをしていきたいと思います。

 

Happy Collaboration!