レジリエントな働きかた - 複業とAI
先週、『ロボットに半分仕事を任せて複業しよう(仮)』という、これからの働きかたや展望を語り合うイベントに参加してきました。
一緒に参加した松本さんのイベント・レポートで、どんなスタンスでどんなトピックが語られていたかが大体イメージできるのではないかと思うのですが、私もその場で会話されたことや意見を私なりにまとめてみました。
- AIにより収入が減る、あるいはなくなる → 複業しないと暮らしていけない、ああ嫌だああ困った
- AIにより経済をはじめとした社会における人間の重要性が減る → 貧困問題や教育問題が悪化していくのでは…
- AIやロボットが人間の脅威になるのはまだ先 → 今のうちにちゃんと問題を捉えて考えよう
- むしろ頑張れAIとロボット → 今すぐもっとサポートして。つまらん労働から一刻も早い解放を
- AIやロボットとコラボレーションする社会へ → 人間は人間の役割をしっかり果たせるよう創造力強化を
- AIやシンギュラリティは人間を労働から解放する → より人間らしい豊かな社会が実現する
- 複業が「損」につながることも… → 契約や法律上の問題など、気をつけるべきことがまとまっていて欲しい
- 複業って新しくも難しくもなくちょっと前までの普通 → 難しく考え過ぎずにどんどんやればいい
なお、これらはかなり私の視点で再解釈した言葉になっています。
参加者の方は「こんな会話はなかった!」と思われるかもしれませんが、「私パチの脳内ではこう変換されていました」ということなのでご了承ください。
また「重要なポイントだったあの話が書いていないじゃないか!」というのも多々あると思いますが、パチのスペック(メモリー機能)の問題です。あわせてご了承ください。
なお、イベントのきっかけを作ってくれた塚本さんが、イベント前に副業に関する調査データをEvernoteで紹介してくれました:
そして、それに対する感想を私もMediumにアップしました:
私自身が強く興味を持っているのは「複業」というテーマです。
AIやロボットにも興味はありますが、「自分からアプローチできること」がまだ思いついておらず、今のところは「知識として理解しておきたいこと」というレベルでしかありません。
そして、複業に対する興味が強い理由は、それが「多くの人からたくさんの感謝を得たい」「良い組織や取り組みの一端を担いたい」という、私自身の欲求を叶えてくれそうだからです。
さらに、こうした欲求がより簡単に実現できる世の中になれば、「興味のあることや好きなことをもっとやりたい」「もっと自身の幸福を追求したい」という、多くの人の根源的な欲求が満たされるもっと自由で楽しい社会につながっていくんじゃないだろうかと思っているからです。
そんなわけで「もっと稼ぎを増やすために複業したい」というのももちろんアリだと思いますが、私自身はあまりその視点には興味がありません。
金銭目当ての複業ということであれば、社会や企業が決めたルールがどんなものであれ、必要性に迫られればそれはやるよね(もうやってるよね)ってことだと思っているので。
でも、どうやら金銭的な視点で複業について考える方が一般的みたいですね。イベントでも、どちらかといえばそちらの観点での話が中心だった気がします。んー。
とはいえ、終わってみてまず一番に思ったのは「やっぱりみんな視点が違って面白いな」ということ。
そしてこれは、自分がどのポイントに興味があって、どういう捉え方をしているかを、自分の言葉で伝えようとしてくれるから面白さが感じられるわけで、多彩な視点を持った人が集まってちゃんと表現してくれることに改めて感謝の思いが湧きました(場を作ってくれる人がいることにも)。
「未来がどう転がっていくのかを先読みして、それに向けて今から備えよう」的な話って、ワクワク感ないですよね。
「キレイゴトっぽさが過ぎて感じ悪い」って思われるかもしれませんが、ディストピアな未来であれユートピアな未来であれ、どっちに転がっていくかを決めるのは自分たちだと思っていた方がよくないですかね。
「社会を裏で回してるのはxxなんだよ」って、陰謀説的なものに乗っかりシニカルになったところで、何も得るものないし。
ちょうどこのイベントの翌日、大好きなピーター D. ピーダーセンさんの講演を聞く機会がありました。
メインテーマは「レジリエントカンパニー」だったのですが、QAタイムに聞いた「社会のデザインを変えることで、低出生率を上げたデンマークとフランスの話」がとても興味深かったです。
- デンマークは、待機児童を「減らそう」ではなく「許さない。撲滅させる」という政策を用いることで人口増加を実現した。
- フランスは、「結婚前提」という婚姻制度を大胆に変更し、結婚せずに子どもを持つことの不利さを解消することで出生率アップを実現した。
複業と出生率や人口は異なる問題ですし、個人と国家では取れるアプローチも当然違うわけですが、保険的な計画をデザインするよりも、進みたい方向に対してデザインしていく方がやっぱり楽しいですよね。
どれだけ力を入れてデザインし、それに対して向かっていったとしても、その通りになるかどうかは分かりません。(少なくとも今)データから見えているのは可能性の大小でしかなくて、未来は分かりません。まったく、全然分かりません。
分からないものに対策もへったくれもないわけで、それならば「自分が欲しい未来」の方向に近づくように、今やりたいことや楽しめる働きかたをもっと追求した方がいい。私はそう思います。
まとまりのないエントリーとなりましたが最後に、最近私がとても共感した複業に関する記事をいくつか紹介します。
・ 複業は「新しい働き方」に思えて、地方に住む人からは「昔の働き方」へ回帰しているように見える: 2017/9/28
紹介されている「兼業農家」をはじめ、週末に家業の飲食店を手伝ったり少年サッカーチームのコーチをやるのだって複業ですよね。
・ 悩んでいます 社員の副業を認めるべきか (藤田晋氏の経営者ブログ): 2015/6/10
全文を読むには日経の登録(無料版でOK)が必要ですが、ぜひ記事に対する多様なコメントにも目を通すことをオススメします。
・ 定年制を廃止することが、一番の「働き方改革」である 一石四鳥ぐらいの効果アリ: 2017/9/27
「戦後の高度経済成長時代に都合よく作られた、今の日本の社会常識を潰していこう!」という切れ味の良い出口さんのコラムです。
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