実名制と顔出し on ソーシャルメディア
前回のエントリー『「ビジネス・パーソンと実名制」をつらつらと考えてみる』で、なぜビジネス・パーソンが実名でソーシャルメディアを利用するのか、について思うところを書いたのですが、この「実名」というもの、「何を持って実名と呼ぶか」や、「では顔出しは」なんてことと併せて考えると、なかなか興味深いものがあります。
「実名」を文字通りの解釈で受け取れば「氏名を明かしての活動」ということになると思いますが、実際のソーシャルメディア上での活動を考えると、ただ氏名が出ていればそれで実名制と言うわけでもなく、いろいろなパターンがありますよね。例えば…
- フル実名制: 氏名の他、顔写真や所属・役職情報、位置情報や行動履歴までほぼ丸出し
- マスクマン制: 氏名や所属・役職、行動履歴などは出しているものの、顔だけは出さない
- 消極的実名制: 氏名は明かしているものの、それ以外の個人を特定できる情報は出さない
- 芸名制: 氏名は明かしていないものの、所属・役職、年齢・履歴などは公開
などなど、もっと細かく見ていけばまだまだたくさんの亜流があると思います。
私は、ほぼ1の「フル実名制」に近い形で活動していますが、「位置情報」や「行動履歴」に関しては、自分が出したいものだけ、出してもリスクがないと思えるものだけを出している状態です。 例えば、アイフォンからのtwitterのつぶやきに位置情報は含めていないし、クレジットカードでの買い物履歴が自動的に公開されるようなソーシャルツールも使っていません(日本にもBlippyみたいなサービスって、もう入ってきているのでしょうか?)。
だって、やっぱりまだ取りたくないリスクがそこにはありますよね。位置情報を悪用されて空き巣に入られるとか、購買履歴を見て大量のフィッシングメールが送られてくるとか…。 結局は、安心感や安全性の問題で、自分にとって1~4のどこが居心地が良くて、どこがアドバンテージを感じられるか、という問題なのですが、願わくば遠くない未来にみんながこんな風に考える日が来て欲しいものです:
フル実名性のほうが安心だしラクだし楽しい: なぜなら…
- 旅行に行っても、SNSで自分の留守を知っている近所の人たちが留守宅を見ていてくれるから安心
- オンラインでもオフラインでもアイデンティティを変える必要がなくてラク
- (前回書いたように)自分のニーズにきちんと応えてくれる売り込みが来て便利
就活にパーソナル・ブランディングが不可欠なものとなり、学生の方たちが実名でソーシャル上で活動する → そこで楽しさやメリットを享受した方たちが企業にどんどん入ってきて、実名がマジョリティーになっていく こんな形で実名制が進んでいくのでしょう。 それでも、その根底には「安心感や楽しさが享受できるから実名制にしてます」という考えが流れている世の中になって欲しいなぁ…。
あ、そうだ念のため。私、Pachiはもう既に20年以上、職場でも私生活でも「Pachi」の名前で過ごしておりまして、どちらかと言うと実名がすでに「Pachi」な感じです。
※2015年10月追記: 現在の名刺に差し替えました
Happy Collaboration!