Collaboration Energizer | #混ぜなきゃ危険 | 八木橋パチ

コラボレーション・エナジャイザーとは、コラボレーションの場を作り、場のエネルギーを高め、何かが生みだされることを支援する人

小売&ショッピングの未来とメンタルヘルスとウェルビーイング、そして旅行の未来

未来は微妙なニュアンスの中に、混沌と曖昧の中に漂って、灰色に包まれたグラデーションの分岐点「スレッショルド」に…

The Beauty Of Thresholds.』を紹介するシリーズも最終回に。今回は「小売&ショッピング」「メンタルヘルスウェルビーイング」「旅行」を取り上げます。

Threshold ≒ しきい値 ≒ 境目となる値。
何かが変わる分岐点。そのギリギリのところ。

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■ 小売&ショッピング

How will cityscapes change as brick and mortar stores move to ubiquitous digital storefronts?
リアルな店舗がユビキタスなオンライン店舗へと移動すると、都市の景観はどのように変化するのでしょうか?

What new (or old) services will move into the vacant physical spaces left by retail in our cities?
どのような新しい(あるいは古い)サービスが、リアル店舗のオンラインへの移動により生まれたスペースに出現するのでしょうか?

What unique experiences will we seek when going to a physical place?
私たちは物理的な空間にどのような独自の体験を期待するようになるのでしょうか?

Drivers: Online Shopping, Experience Design, Digital Storefronts, Need for tangible and social experiences, Repurposing the city.

推進要因: オンライン・ショッピング。エクスペリエンス・デザイン。バーチャル店舗。具体的で社会的な体験の必要性。都市の再適用。

パンデミックによりオンライン・ショッピングがより隆盛となる中、伝統的な買い物体験も一変し、元通りに戻ることはないのかもしれません。

これが意味するのは、都市の商業地域における店舗の必要性の変化であり、新しく刺激的な商業用途が生まれる可能性を示しています。

ここ数年、大手ブランドはコンセプト・ストアを通じて「独自の体験」を追求してきました。ハイストリートに並ぶのは、ブランドを、あるいはアイデアやコンセプトを体験してもらう場所であり、必ずしも商品を買ってもらおうというお店ではありませんでした。

今度、オンラインの世界へと移行した店舗が残した都市の商業地域が私たちに提供するのは、ショッピングを超えた新たな「体験型」サービスとなるのかもしれません。


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メンタルヘルスウェルビーイング


How will our relationship to mental health change as the taboo around it disappears?
メンタルヘルスにまつわるタブーがなくなることで、私たちのそれとの関係はどのように変化するのでしょうか?

How will a new focus on wellbeing change our routines and habits?
ウェルビーイングへの新たな視点は、私たちの日常生活や習慣をどのように変化させるのでしょうか?

What new categories will emerge from the new focus on mental health and wellbeing?
メンタルヘルスウェルビーイングへの新たな視点は、どのような新しいカテゴリーを生み出すのでしょうか?

Drivers: Wellbeing, Stress & Anxiety Epidemic, Addiction to technology, Breaking Taboos.

推進要因: ウェルビーイング。ストレスと不安の蔓延。テクノロジー依存。タブーの打破。

COVIDにより大変革を起こしたものがあるとすれば、その一つは間違いなくメンタルヘルス関連でしょう。

ウイルスの世界的脅威は、ロックダウンや精神的危機、恐怖と不安と心身へのストレスで私たちを蝕み、ウェルビーイングを大きく低下させました。

この問題は、一部の人たちのものとして考えるのではなく、全社会的に取り組むべきものでしょう。

肉体的健康を保つための健康的な食事や栄養補助食品、運動などの重要性が広く認知されているように、精神的な健康を保つための取り組みも重要です。

メンタルヘルスウェルビーイングの神秘は解き明かされ、意識や知覚はニッチな対象ではなく、私たちのより良い未来にとっての重要要素として、多くの人に捉えられるようになりました。


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■ 旅行


When will we see a return to the high levels of travel seen pre-pandemic?
一体いつ、旅行はパンデミック前のレベルの活況を取り戻すのでしょうか?

How will business travel look like when remote work has been adopted widely?
リモートワークがこれだけ浸透した今、ビジネストラベルはどのようなものとなっていくのでしょうか?

What will be the impact in those economies relying on tourism as a key source of income?
主な収入源を観光に依存している業界やプレイヤーは今後どうすれば良いのでしょうか?

What will it mean for globalization? Will traveling become a privilege again?
グローバリゼーションにとってこれは何を意味しているのでしょうか? 旅行は再び特権となるのでしょうか?

Drivers: Glocalization, End of Fast Cheap Travel, Repurposing Local Economies, Search For Novel Experiences.

推進要因: :グローカル化。格安旅行の終焉。地域経済の再定義。斬新な体験の探索。

「移動のない世界」の影響を最も顕著に受けたのが旅行業界です。

航空、ホテル、エンターテインメント、サービスの各セクターは危機に瀕しており、迅速な回復は見込めません。この大規模な変化は、観光業に依存する経済全体の再編成をすでに進めており、この危機が終結するまでその変化は続くでしょう。

しかし、回復の模様や度合いはおそらく不平等なもので国によって異なるでしょう。少なくとも、当面の間は異なる現実が共存することとなります。

人びとは誰しも旅行が好きで、新たなものを見たがります。問題は、どこでそれが最初に可能となるのか。世界各地でどのように異なる旅行体験が進んでいくのかです。

ハイパーコネクテッドにグローバル化されたこの星を飛び回るという経験は、過去のものとなるのかもしれません。そして旅行は再び「裕福層だけの特権」となるのでしょうか。


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■ 振り返り


ここまでの振り返りはわずかな断片を捉えたに過ぎず、今もどんどんと変化を続けています。

新たな姿を披露し続ける歴史を前に、私たちは付き合い方を学び続け、また同時に新たな現実と向き合わなければなりません。

すべてのあらゆる危機と同様に、この危機もやがては過ぎ去ります。しかしそれまでの間、私たちは警戒心と好奇心を持ち続け、これまで以上の熱意で未来をデザインし続けなければなりません。

あなたの意見や考えを、無理に結論付ける必要はありません。ただそのままの形で教えてください。

あなたのその声が、未来には現代の時代精神ツァイトガイスト)の貴重な証となるでしょう。

この動きを、継続的な実践へとしていきましょう。

Happy Collaboration!