『キズナのマーケティング』 ―はじめに― に寄せて
トライバルメディアハウス 池田さんの『キズナのマーケティング』には「ソーシャルメディアマーケティングは魔法の杖ではない」というフレーズが何度となく出てきます。
というか、冒頭からそれで「かまして」きます。
それだけ筆者の池田さんが「だからさ、違うから! 無理ですから!!」とクライアントに言わなきゃならなくなる機会が多いということなんだろうなぁ。
~引用ここから~ソーシャルメディアマーケティングは「魔法の杖」ではない。何でもかんでもソーシャルメディアマーケティングで解決するわけはないし、広告やPRを代替するものでもない。 確かに、従来のマーケティング活動よりは低コストかもしれないが、その代わりに頭と手足はフルに使わなきゃならない。 (―はじめに ツイッターで商品がバンバン売れる? まぁまぁ、みなさん、ちょっと落ち着いて― 『キズナのマーケティング』 4ページより)~引用ここまで~
なんとなく想像つきますね。藁にもすがりたい人や周りが見えなくなって(見たくなくなって?)いる人にとっては、「池田さん、魔法の使い方教えてくださいよ。なんとかなるんでしょ?!」って言ってくるんでしょう、きっと。
(そう言えば、twittervillにも、オズの魔法使いの「魔法使いなんてホントはいなくて、カーテンの裏に隠れていた魔法が使えるふりをしているだけの男だ…」なんて話がtwitterの説明に出てきました。これは「企業アカウントの裏側―いわゆる「Twitterの中の人」の話でしたが)。
そうなんですよね。マーケティングの観点でも、当然それですべてが解決するわけないですよね。そして、お客様とのコミュニケーションに関してもTwitterですべてを網羅できるわけじゃない。 なんとなくこの話は、たまに耳にする「社内SNSを導入したら、もうeメールとかも不要になるんでしょ?」って話に似ている気もする。。。
1つのコミュニケーション・ツールが「それ以前のツールをすべてあっという間に不要にする」とか、そんなことこれまでにあったでしょうか? もしあったとしても、それはあっという間じゃなくて、長い時間をかけてそうなっていったんじゃないのかなぁ。
- 電話が普及してオフィスから手紙がなくなった
- eメールが普及してオフィスから電話がなくなった
- ケータイが普及してオフィスからeメールがなくなった
ツールの導入管理をする側(社内情シス部門や経営層とか)にとってはそれは夢のような話だろうと思うけど、どれも聞いたことないですよね? もしかしたら私が知らないだけかもしれないけど。。。
私が『キズナのマーケティング』を大好きなのは、この本が新しい気づきやアイデアを与えてくれるだけではなく、ソーシャル・コンピューティングに関してついつい忘れてしまいがちな点をたくさん思い出させてくれるからです。
それではまた、1週間以内にお会いしましょう。 Happy Collaboration!